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【44】

少し少なめです。

 長期の休みは、ソフィア様はもちろんたまにソフィア様にくっ付いてウィル様も遊びに来たりした。他にもルーがエルトに会いに来たりルーがルドルフを連れてきたり、アンリ様もお茶会に呼んで話を聞いたりして割と充実していた。


「はぁもうこの充実したお休みももう終わってしまうわ...エルの所に行こうと手紙書いたのに自分が行くまで待っててしか返事来なかったし...。」


 もう何年もエルに会っていない。あの時の数ヶ月しか一緒にいなかったけれど家族のようにエルがいるのが当たり前になっていたからいなくなってから本当に寂しかった。

 何度も会いに行こうとしたけれど毎回手紙の最後には“自分が行くから待っていて”と書いてあるので会えていない。







「...『新学期だね。いつでも君を見ている』か。新学期になっても続くのね。」


「ローゼリアちゃん?」


「っ!?...ユリアス様」


 いきなり後ろから声を掛けられて振り向くと私を心配している顔でユリアス様が立っていた。


「どうしたの?顔色悪いけど体調悪い?」


「い、いえ。大丈夫ですわ。私に何か?」


「あぁ、この前は情けない所を見せてしまってすまなかった。これ新しいハンカチなんだけど」


 と私に可愛らしい花の刺繍が入ったハンカチを私の目の前に出てきた。


「まぁ可愛らしい!新しいのなどよかったのに、ありがとうございます。」


「喜んで貰えて良かったよ。君に話を聞いてもらったお陰で心の中のモヤモヤが凄くスッキリしたんだよ。まだ彼女の事は忘れられないけれどでも、彼女と殿下を見ても苦しくならなくなっていたんだ。本当に君に感謝しているよ。もし、君が何かに困っていたりしたら今度は俺が相談に乗るし助けるから何でも言って。」


 前まで胡散臭い微笑みは今はなく心からの笑みを私に向けてくれた。


「えぇ何かあれば貴方を頼らせて貰うわ。ありがとう」


 私も笑みを返して彼と別れた。


「頼るって言ってるのに、なぁ~。まだ信用無いか...。」


 私は直ぐに去ってしまったのでユリアス様が私の背中を見つめた後に私の下駄箱を見てそう呟いていたのを私は知らずにいた。




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