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【35】

「ウィリアム様ぁ~私もウィル様って呼んでも良いですかぁ~?」


(うわ、最悪のタイミング。ウィル様の嫌な顔...でも、私と彼女のやり取り楽しんでたんだから自業自得ですよ~。さて、私は気付かれないように...)


「すまない、エリーナ嬢。その呼び名は女性ではソフィアとローゼリア嬢にしか許していないんだ。」


 その言葉と共に私の腕を引きウィル様の方へ引き寄せられた。


「へっ?」


「ど、どうしてですかぁ~!?私もウィル様って呼びたいのですがぁ~」

「ソフィアは婚約者だからね。」

「ローゼリア様は違うではありませんかぁ~!!」

「彼女は私の妹みたいな存在だから良いんだよ。」


 ウィル様は私の頭を撫でる。その光景を見ているエリーナ様は私を凄い形相で睨んでくる。


(ひぃー!!!怖い!ウィル様の馬鹿!)


「ウィル様、妹だなんてありがとうございます。そう思って下さっていたとは存じ上げませんでしたわ。...では、これで...」


 すぐに立ち去ろうとしたのにウィル様は腕を離してくれないからここから逃げられない。エリーナ様はずっと私を睨んでいる。


「...どうして思い通りにいかないの」


 エリーナ様が俯いて何かを呟いていたけれど私とウィル様には届かずだった。その後いきなり顔をあげてまた私を睨みながら


「ローゼリア様どうして邪魔ばかりされるのですかぁ~!!」


「え?邪魔?」


「そうですぅ~!!。ローゼリア様はエリック様の婚約者になりたいのにウィリアム様にまで媚び売ってユリアス様にもルーカス様にも付き纏っているではありませんかぁ~!!!」


「何か誤解しているようですが、エリック殿下の婚約者になりたいなどそんな烏滸がましいこと思った事もございませんし第一私はあまりエリック様とお話致しておりません。ウィル様に媚など以ての外ですし、ユリアス様はご令嬢であれば皆様にお声掛け致します。ルーとはお友達なので話すのは当たり前です。」


(ウィル様とルーは貴女のその言動が気に入らないから避けているだけだし、エリック殿下もその仲間2人と仲良いのに何が気に入らないのかな?ユリアス様も皆に平等に声掛けてるし...ただのタラシだな。)


「お分かりになったのなら、私そろそろ失礼致しますわ。」


 何も言わなくなったエリーナ様から目を逸らしてウィル様に一声かけて私はその場を去ろうとした。


「...邪魔なローゼリア。逆ハーエンド狙いなのに何も上手くいかない。ローゼリアなんかいなくなれば良いのに...」


(...逆ハーエンドって彼女もしかして...)


 ウィル様には聞こえなかったようで先に行ってしまいエリーナ様にもう一度聞き直そうと思ったら走って何処かに行ってしまった。


(仮にも令嬢が全力疾走するなんて恥ずかしいと思わないのかな?てか、逆ハーって言葉知ってるのはやっぱり転生者?てかそれよりも邪魔って!!私の事邪魔だって!!そんなに関わりないのに!!)


 厄介なエリーナ様が転生者かも知れないという事と目の敵のように思われている為これからもっと厄介な事になりそうな予感がして頭痛がしてきたのだった。





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