ラウス(エル)視点
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ロゼと“また会おう”と誓ったあの日から僕は剣の練習や勉強など誰よりも励んだ。ロゼを護れるようになりたいからだ。
次に会う時は1回り2回り成長した僕をロゼに見てもらいたい一心で頑張り続けた。
僕を忘れさせない為にもロゼには手紙を送り続けている。日々の事やロゼに似合う花を見つけたことなど些細な事を送り続けているがロゼは優しいからいつも必ず返信が来るしたまに僕に似合いそうという手紙と共に小物が贈られてきた事もあった。
そんなやり取りをしてもう僕は12歳になっていた。本当はもっと早くロゼに会いに行きたかったけど成長した僕を見せたくて“まだまだ”って思っている間に結構な年数が経ってしまっていて少し焦った。けど、変わらず手紙が彼女から届くからまだ少し安心している。
「後1年したらラウスは隣国へと留学するのだったよね。たくさん学んでくるんだよ。」
「はい、兄様。」
「あれからラウスは人が変わったように勉強して鍛錬してみるみる成長していって僕は本当に驚いたよ。それはあの女の子が原因かな?」
「...はい。」
「父上も母上からも彼女は好評みたいだね。僕も風邪などひいてなかったら直接話をしてみたかったんだけどなぁ。」
「...いくら兄様でも譲りませんよ。」
「はは、分かってるよ。ラウスが気に入ってる子を取るはず無いでしょ。留学するの彼女に教えてないんでしょ?凄く驚くんじゃない?」
「はい、たぶん。喜んでくれたら嬉しいんですが...。」
「きっと喜んでくれるよ。楽しみだね。1年後」
そう僕は彼女の1つ下だから一緒の教室で授業が受けられないのが癪だけどまた彼女に...ロゼに会えると思うと心が騒がしくなる。
あの時に初めて彼女に僕の声を聞かせられたけど掠れ掠れだったし幼い声音だった。でも、今は声変わりもして前よりも低くなったこの声に彼女はどう反応してくれるのか楽しみでもあり、嫌われたらと不安でもある。
身長もぐんと伸びて身体も日々鍛えている為、軽く筋肉もついている。そんな僕を見て彼女はどう思うのだろう。
はやく、一刻も早く彼女に会いたい。
「待っててね。ロゼ...」
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