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【34】

 数分の沈黙の後に


「キモイ」


 とルーが一言放って私の手を引いて歩き出してしまった。





「ユリアス様も相当なアホなのですね。何を考えてるのかサッパリだわ。」


 ルーに連れられて学園が管理している温室へと来た。


「リアは変なのに絡まれるよね。」


「うーん、嬉しく無いのだけど変なのに絡まれる事が多いわね。でも、ユリアス様を放置してきたままで良かったのかしら?」


「問題無い」


「このまままた教室に戻るのも面倒ね。でも、まだ授業が少し残ってるし...でも、受けなくても大丈夫ではあるけれど...。」


「明日休みだしこのままリアの家行ってエルト見たい。リアは今の学園の授業受けなくても優秀だから大丈夫。」


(まぁエルと離れてから勉強頑張ったお陰で学園に行かなくても良い程の知識は頭に入ってるけど...サボって良いのかな~)


 とか考えていたら温室の扉が開いて


「ここにいたのかローゼリア」


 面倒なエリック殿下が入ってきた。


「...エリック殿下は何故ここへ?」


「はぁ、面倒な奴来た」


「エリーナに嫌がらせする程に俺の事が気になっているのだろう?だったら正式にお前を婚約者として迎えてやろうと思ってな!お前を探していたんだ。」


(話が急展開過ぎてついてけない!!!!!)


「エリック殿下、何か誤解をされているようですが...?私は嫌がらせ等してませんし、ましてやエリック殿下と婚約したいなどとは一切思っておりません。」


「フン、また強がりを。あれか、あれだな!お前は小さい時の俺がブスと言ったことをまだ根に持っているのだろう。」


「はぁ、その事は全く根に持ってなどおりません。私のようなブスな女が婚約者などエリック殿下がお可哀相なので辞退させて頂きます。」


「あ、い、や!それは違うんだ!あの時はその素直になれなかったと...いうか。だからその...」

「エリック殿下、僕達はそろそろ失礼します。」


 そう言ってまたルーは私の手を取り温室を出た。


「何処に行っても邪魔者ばかり」


「ふふ、ルーありがとう。貴方がこうやって連れ出してくれるから助かるわ。」


「エルトに会いに行こ」


「そうね、ここにいても面倒な事がまた起きそうですものね。」


 アレンとアンナを呼びルーと共に屋敷へと戻った。








「お嬢様今日は色々と大変でしたね。」


 アレンとアンナに今日起きた事を話していくとアンナは眉を下げて労りの言葉をくれた。アレンは話を聞く度に眉がだんだんとつり上がっていったた。


「あのアホ殿下といい、お花畑の男爵令嬢に...チャラ公爵まで...どうやったら始末できますかね。」

「毒とか」

「ルーカス様は毒にお詳しいのですか?」

「少しだけなら」

「おぉ!それは心強いです。」


「ちょっと!怖いから!」


 話が怪しい方向に行ってしまっているのでこの話は強制終了させた。

 そして、お家でお利口にお留守番していた可愛いエルトをルーに見せびらかす。


「どう?ルー、私のエルトとっても愛らしいでしょ?」


「...うん」


 それだけ言うとエルトに抱きつき顔を埋め始めた。


「エルト、私がいなくて寂しかったでしょう?」


 ルーはエルトに前から抱き着いているので私は背中を撫でまくった。


「私はエルトがいなくて寂しかったのよ。」


「リア、羨ましい。こんな可愛い犬がいて。」


「ふふふ、そうでしょそうでしょ。羨ましいでしょ!うちの子はこの世で1番可愛いのです。エルトは譲りませんが、いつでも会いに来て構いませんわ。」


「うん来る」


 今日起こったことはエルトの癒し効果で忘れ去ってしまった。




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