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【32】

 声を掛けてきたのはエリック殿下の愉快な仲間たちの1人で公爵家嫡男であり、相当な遊び人のユリアスだった。


「あらユリアス様、どうなさったの?ロゼちゃんに用事?」

「ん?そんな所かな~ローゼリアちゃんとお話したいなぁって思って来ちゃった。」


「お話ですか?」


「ねぇねぇ、俺もローゼリアちゃんの事をロゼちゃんって呼んでも良い?」


「...その呼び名は仲の良い方のみなのですが。」


「じゃあさ!俺と仲良くなろうよ!」


(何故!?この遊び人の考えてる事が分からない!!!)


「どんな方とも仲良くなれるユリアス様ですもの、私なんかと仲良くならなくても良いのでは?それこそエリック殿下と一緒にいるエリーナ様と仲を深めた方が...」


「あ~あれは無理。俺さ、入学した時からローゼリアちゃんに目奪われちゃったんだよねぇ。だから仲良くなろ?」


 こんな美丈夫に仲良くなろ。なんて言われて顔を赤らめない人がいるだろうか。私は真顔を保てませんでした。すみません...。


「リア?」


 火照った顔を見られないように俯いていると背後から独特な愛称で呼ぶ彼がいた。


「あらルー!貴方もここで昼食を?」


「うん」


 ルーとは伯爵家次男のルーカスである。クラスで隣の席になり少し話すようになってお互いが動物好きで家で犬を飼っているという話になってから急激に距離が縮んで“リア”と“ルー”という愛称で呼びあっている。

 そんな彼もご令嬢方にとても人気があり寡黙な美少年などと呼ばれいる。私と話す時はよく話してくれるから野良猫を手なずけた感じで少し優越感がある。


「君はローゼリアちゃんの事をリアと呼んでいるのか。」

「...」

「俺とも仲良くしよ。」

「ふふ、ロゼちゃんは人気者ね。」


 後からウィル様も来て食事を開始したのは良いのだが、席順がおかしいのだ。

 ウィル様とソフィア様が隣なのはわかる。そしてその向かいに私が座る。そこまでは当たり前の席順なんだけど、私を挟んで両隣にユリウス様とルーが座っている。


(これではアレンやアンナと食事が出来ない。ここへ来た意味が無い...。はぁ、しょうがないよね。)


「よろしいんですか?ウィル様まで此方に来てしまって。」


「あぁ。ロゼがいなければ面白くないだろ?ソフィア待たせてすまない。」

「はぁ、ウィル様。ロゼちゃんといるのが楽しいのは私も同じですが、あの方の言動は黙ってみてられませんよ。」

「まぁな。だが、俺が何か言ったら少々問題だ。」

「まぁそうですわね。」


「ソフィア様、私は大丈夫ですのでお気になさらず。」


「あの子は何を考えてるのかね?」

「...リア、誰の事?」


「同じクラスのエリーナ様の事よ。」


「あぁ、あの性格ブス」

「あら貴方いい事言うわね。気に入ったわ。」

「...」


(ルーも割と毒舌なんだよねー。エリーナ様とは関わりたくないからどうでも良いんだよね。)


「ねぇウィル様、私、明日から昼食はここでとろうと思うのですがよろしい、ですよね。あちらの食堂でとると色々と面倒ですので。」


「うーん、そうだねぇ。でも、ロゼが一々こっちに移動しなくてもエリーナ嬢を離せば良い話ではないか?」


「そこまでしてあちらで食べたいとも思いませんので。」


「ロゼらしいね。」

「だったら俺もこれからもローゼリアちゃんと一緒に食べよっかな。」


「あらユリアス様はたくさんのご令嬢方からのお誘いがあるのでは?」


「ローゼリアちゃんと食べたいからぜーんぶ断るよ。だから、右隣は俺専用ね。」

「だったら僕は、左隣」


(え?なんかいつの間にか席順決められてるんだけど...どうして!?)


「あら!なら私はロゼちゃんの向かいね。」


(これじゃあ、アレンやアンナと一緒に食べれないじゃなーい!)





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