【27】
今回は短めです。
あの後、部屋へと通されてすぐに王妃様の命でメイドが来てお茶会への準備をしてくれた。
「ローゼリアちゃん、ようこそ。さぁそこに掛けて頂戴。ラウスも座りなさい。...あら?ローゼリアちゃん其方は?」
「あ、はい。私の専属執事のアレンです。アレンの入れる紅茶やハーブティはとても美味しいのです。」
私の後ろに仕えていたアレンは王妃様に一礼してから隅へと戻った。
「そうなの。今日は私達の使用人が入れるけれど今度はアレンが入れた紅茶を飲みたいわね。」
王妃様とのお茶会はとても楽しくてあっという間に終わってしまった。その間、ラウス殿下は私達が話しているのを楽しそうに聞いていてお菓子をいっぱい頬張っていた。
「そうだわ、ローゼリアちゃんにはもう婚約者がいるのかしら?」
「婚約者ですか?いえ、まだいませんが。」
「そう、そうよね。これからよねぇ。でも、あのウィンズリー公爵だもの、まだのはずよね。」
王妃様はなんだか黒い笑顔を作りブツブツと独り言を呟いている。
「良し!ラウス頑張るのよ!」
コクコク
(え?何が!?婚約者の話からなんで頑張る話になるの?)
最後は訳が分からなかったけど、また明日もお茶会を開催してくれるらしくて今から楽しみである。
国王夫妻が許可してくれて、ここでの滞在の夜はラウス殿下と一緒で良いという事になったけどお父様とアレンは何とも言えない表情をしていた。
「今日と明日でエルと一緒に寝るの終わってしまうのね。...凄く寂しいわ。」
ラウス殿下と手を繋いで同じベッドに横になる。ラウス殿下は2人でいる時はエルで良いと言ってくれたから2人の時はエルと呼んでいる。
「それに、エルの声を聞けなかったのが残念なのよね。...エルにまた会えるのかしら。隣同士だもの会えるよね?」
コクン
ラウス殿下にそう聞くと力強く頷いてくれたので、約束よ。とエルを抱きしめて私達は眠りに付いた。




