【23】
「ローゼリア、まだ私はこやつと話があるからウィリアムとエリックと遊んでいてくれないか?」
と唐突に言われて私は早速皆が言う問題児のエリック殿下に会う羽目になってしまった。
「やぁ、ロゼ。元気だった?また会えて嬉しいよ。」
「えぇ。ウィル様もお元気そうで何よりです。」
「ほら、エリック挨拶を」
「...」
私の目の前には先日会った金髪青眼の見目麗しいウィル様と同じ見た目のエリック殿下が顔を俯かせて立っていた。
「エリック殿下、お初にお目にかかります。ローゼリア・ウィンズリーでごさいます。」
と淑女の礼をとり、彼に挨拶してみせたが一向に顔を上げずにいる。
「ごめんよ、ロゼ。彼は相当な恥ずかしがり屋なんだよ。慣れれば良いんだけどね。」
(うーん。思ってた感じと全然違う。我儘とか高慢とかでも無い感じだし...。これから成長するにつれて我がでるのかな?それともゲームと違うとか?...やって無いから尚更分かんない。まっ良いや!)
「エリック殿下これからお父様が此方でお仕事の際は私もエリック殿下に会いに来ますね。そしたら私にも慣れて下さるかしら?」
エリック殿下の両手を取って彼に微笑んだ。
「ロゼ、エリックだけは関心しないな~」
「ふふ、ウィル様にも会いに来ますよ。」
(ウィル様って性格は陛下そっくりよね。見た目はあまり似てないけれど綺麗な顔している分、内に秘めた物が分からないから敵にはしたくないなぁ。)
「...い、やだ。」
そう言うとエリック殿下が私の手を払った。
「え?」
「お、お前のような、ぶ、ブスなんかと仲良くなるものか!お前なんかと遊んでなんかやらない!ウィル兄様はお優しいからお前のようなブスにでも声を掛けるが俺はそんなに優しくないんだ!」
「...そうですか。畏まりました。私のような者が話しかけてしまって申し訳ございませんでした。すぐにここから去りますので、ご安心下さい。ウィル様、では私は失礼致しますね。」
「はぁ、エリック。...ロゼすまない。父上達がいる部屋まで送るよ。」
ウィル様は呆れた目線をエリックに一瞬だけ送り、すぐに私の方へ来てスマートにエスコートしてくれた。




