【22】
誤字脱字の報告ありがとうございます。
とても助かります。
あの日の内に屋敷へと帰り、待っていてくれたお母様やアルバート達使用人に暖かく迎えられた。そして、私達を助ける為に頑張ってくれたアレンは泣きそうな顔で此方を見ていた。
「アレン、無事で良かったわ。...どうしたの?何処かツラいの?」
私が駆け寄ると泣きそうな顔を隠すように俯いてしまうだけで何も話してくれない。
「...ロゼ様、ご、無事で...良かったです。」
「えぇ、貴方が頑張ってくれたお陰よ。ありがとう。」
「い、いえ...僕は...僕がいながらロゼ様を危険な目に合わせてしまいました。もっと...もっと周りを警戒すべきで警護もちゃんと付けるべきだったのに...僕はもっと強くなります。貴女をお守り出来るように。」
「貴方がいてくれたから私達は助かったのに。...ふふ、でもアレンが強くなってくれるのはとっても頼もしいからお願いするわね!」
私は今回のお礼と“これからもよろしくね”という意味を込めてアレンを抱き締めた。
今日は先日の闇オークションの件で陛下に呼ばれているためお父様と一緒にお城へと向かっている。
(何言われるのかなぁ~。面倒な事じゃなければ良いんだけどな。てか、何で私まで呼ばれているのよぉ!...たぶんウィル様のせいよね。はぁ...憂鬱)
「この度は御苦労であったな。クリフォードよ。お前のお陰で多くの子供達が助かった。」
「勿体無いお言葉でございます。」
「ウィリアムから聞いておるぞ。お前の娘であるローゼリアの活躍もな。」
(今回は公式の場では無いらしくて挨拶とかも割と簡単に済ませるし畏まらなくて良いとか言われたけど...やっぱり威厳っていうのかな、陛下は凄く優しそうだけど逆らえない雰囲気はあるわねぇ...私の活躍って何!?私何もしてないのだけど...)
「ローゼリア、怯えている子供らを励まし、そこで雇われている男共から情報を聞き出し、自分の使用人にここの場所を知らせる為に動いたと聞いている。まだ幼いのに優秀な子だな。」
「...自分に出来る事をしたまでです。」
「自分に出来る事、か。ふむ、将来が楽しみだな。...エリックの婚約者になるつもりは無いのだろう?その優秀さは欲しいのだがなぁ。どうだ?1回お試しで婚約してみないか?」
「はぁ、陛下!お試しで婚約とは何ですか!?確実にそのまま結婚になるじゃないですか!私の可愛い愛娘をやるわけないでしょ。」
(ちょ、ちょ待てよ!...とか言ってる場合じゃない。婚約の話も待って欲しいのだけど、いきなりのお父様の陛下への口調変わりすぎじゃない!?どういう事?)
「お、お父様?」
「ん?あぁ、ロゼは初めてだったね。私と陛下は乳兄弟だったから公式の場以外は割と砕けた口調なんだ。」
(闇オークションの時の口調も驚いたけど...知らないお父様ばかりだ...。)
「あ、あの陛下。お言葉はとても有難いのですが私には勿体無いかと。正直荷が重いのです。婚約者では無く、お話し相手等でしたらお役に立てるかと...。」
「話し相手か...。ローゼリアのような聡い子がエリックの傍で支えてくれるなら安心だったんだがな。まぁ話し相手から婚約者へという手もあるからな。」
「おい!それは駄目だ。第1王子ならまだ妥協出来るが第2王子はロゼには合わない。何が何でも私は阻止するからな。」
「まぁ仕方無いか。ではローゼリア、アイツの話し相手としてたまに城に遊びにおいで。それなら良いだろ?クリフォード」
「...たまになら。私が報告に来る時にロゼを連れてきます。」
(ここまで言われるエリック殿下ってどうなの?確かエリカの話では、素直過ぎて?認めた相手の話以外聞かないとか...だからヒロインの話しか聞かずに悪役令嬢を断罪するのよね。でも、まだ私と同じ6歳でそこまで出るとは思わないし...会うのヤダなぁ。なんか面倒な事しか起きないような気がする...。)
私の憂鬱が一向に晴れずに増すばかりだった。
最初に思っていたより色々と方向が変わって長くなっていて自分でも驚いています。((汗))
少しでも良いなと思って頂けていると幸いです。
いつも読んでくださる皆様、本当にありがとうございます。




