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エル視点①

ローゼリアと会う前くらいのエル視点になります。

 僕は獣人国と言われているアーステル国の第2王子だ。5歳になった今日は父上と母上に許可を貰い城からすぐの街に遊びに行った。もちろん、騎士や従者を伴ってだが。ちょっとしたお忍びだ。


「殿下、あまり離れて歩かれると危ないですよ。」


「大丈夫大丈夫」


 ずっと城から出てみたかった僕は全てが新鮮で色々と目を向けてしまう。


 それが悪かったんだ...もっと警戒心を持って歩いていたら違ったのに...。


 僕は少し先に美味しそうな匂いのする露店へと走った。


「で、殿下!!」


 騎士達が追い付くのを待てずに...。


「ここは何を売っているんだ?」


「これはこれは可愛い子、いらっしゃい。ここはね...」


「ん?な、なんだ!?」


 知らぬ間に後ろにガタイの良い男2人がいて...。








 そこから記憶が無く気付いたら暗い窓の無い部屋に閉じ込められていた。


「...ここ、は、何処?」


 唯一ある扉も全然ビクともせず何処かも分からず心細くなった。

 数時間経ったと思う、日の光が入らないから分からないが。露店の男が入ってきて夕飯だと言ってご飯を置いていった。朝と夜ご飯が運ばれて来る為、捕まってから数日経っていると分かる。その数日の間に2人の男に蹴られたり殴られたりするようになっていった。


 いつ助け出されるのかも分からず、このまま死んでいくのかと諦めかけていた所をウィンズリー公爵に保護された。


「な、んと...調べて私の領の孤児院へと一旦保護しよう。...ツラかったな。もう大丈夫だぞ。」


 それから孤児院へと保護されたがすぐにウィンズリー公爵家へと迎え入れられた。

 この時、虐待による精神的なダメージで俺は声が出なくなっていた...。


 ウィンズリー公爵も公爵夫人もどちらも優しく僕がアーステル国の第2王子という事も知っていた。だが、また捕まる可能性もあるからと俺の親とウィンズリー公爵が話し合って闇オークションの大元が捕まるまでここで暮らすことになったそうだ。


「私の娘には君が王子だという事は伏せます。何処から情報が漏れるか分かりませんから。ただ、その為に貴方に無礼な事があるかもしれません...そんな事をする娘だとは思えませんが...もしもの時は罰せられる覚悟もございます。」


『大丈夫。ここで保護してくれてありがとう』


 と紙に書いて保護してくれる夫婦にお礼を言った。

 僕を保護してくれて、罰せられる覚悟もあるなんて、なんと男らしいんだ。と思った。罰するつもりは無い。だが、どんな娘が来るのだろう...。僕が知っているアーステル国の公爵令嬢は気が強くて、我儘で獣人だから力比べをすぐしてくる。面倒な令嬢しか知らないからな。仲良くなれる気がしない...。




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