【18】
「今からオークション会場に向かうからな」
先程リックスとキットが部屋に入ってきて1人1人に手錠を付けてた。私達が逃げないように手錠にはロープが着いていて数人ずつ連れていかれている。
私の順番が来てエルとウィル様も一緒に会場へとロープを引かれて連れていかれる。
会場に着くと1人1人檻の中に入れられた。
ずっとエルやウィル様と一緒が良かったがそれは叶わなくて1人で檻の中にいる。
(はぁ...お父様達いつくるかなぁ。もう始まっちゃうよ...)
もしかしたらここの場所が突き止められずに動けていないのでは?と不安になってきてしまった。
「...来なかったら、どうしましょう...」
そんな不安を察してくれたのか隣の檻にいるエルが隙間から指を出してくれた。
「...エル。...こんな弱気ではいけないわね!絶対助けに来てくれるから私達は信じて待つのみよね!」
『ぼくがいる』
口パクなのでもしかしたら違うかもしれないが、私の良い様に取らせて貰った。
「...ありがとう!」
コクン
エルが近くにいてくれるだけで凄く力強い。きっと1人だったら助けに来てくれるのを信じるなんて出来ずにずっと不安だったのだろう。と思う。
(エルはこんな寂しい思いを1人でしていたのよね。そして、虐待まで!なんて腹立たしいのかしら!)
先程までの不安や寂しさが無くなり今は可愛いエルをオークションに出した主催者や仲間達に怒りがフツフツと沸き起こってきた。
「ここから出たら文句言ってあげるんだから!」
そう決意した時、オークション会場のステージであろう部分から始まりの声が聞こえてきて、また少しの焦りが出てきてしまった。
(ついに始まってしまったのね...あの時このオークションを開催している大元をどうしても突き止めたくて大人しく捕まったけど、正解だったのかな~。一応アレンが脱出成功したから良かったけど、もし今出来てなかったら...考えただけでも怖い...もう始まったんだから信じるしかない。絶対絶対助けに来てくれる...よね。)




