アレン視点②
あけましておめでとうございます。
皆様の1年が良い年になりますように
騎士の人達はロゼ様や僕達が行方不明になり捜索願をクリフォード様から依頼を受けて探していた途中との事だった。
騎士の方にウィンズリー公爵家へと連れて行って貰うことができた。
「アレン!!!!」
「旦那様!...申し訳ございません。僕がついていながら...ロゼ様を危険な目に...」
「いや、君が悪いわけではない。アレン、君が無事でよかった。...ロゼは無事か?」
「はい、それで旦那様...」
僕は捕まっていた屋敷で見たり聞いたりした話をクリフォード様にしていく。
「...オークション日は明日なのか。...団長」
「はい!クリフォード様」
「闇オークションの黒幕が誰か分かったな?作戦に取り掛かるぞ。私の可愛いロゼにエル、そして捕まっている子供達を助けに行く。」
「はい!畏まりました。」
「アレン、君はここまで走ってきて疲れただろう。少し休むと良い。後のことは私達に任せてくれ。アレン、ありがとう。」
クリフォード様はそれだけ言うと団長と呼ばれた人とこの部屋を出ていってしまった。僕はまだやらなければと頭で思うのに身体が言う事を聞かずに柔らかいソファから動けずにいた。だんだんと瞼も重くなり、いつの間にか意識を手放してしまった。
カタッ
視線を感じて目を開けると近くには父上とソファに座っているユメリア様がいた。
「っ!!奥様!?...それに父上も」
奥様と父上がいるとは思わず驚き身体を動かそうとするが重くて上手く動かせない。
「アレン君、そのままで良いのよ。ゆっくり休めたかしら?あそこのお屋敷からここまでずっと走って来たのでしょう?大丈夫?」
「い、いえ!僕の事など!奥様、本当に申し訳ございません。」
「良いのよ。それにロゼも捕まってはいるけれど無事なのでしょう?傍にはエル君もいるんだし、明日には解決しているから大丈夫よ。」
「...はい」
先程まではロゼ様に危害が加えられないように気を張り、そして次はバレないように無事に抜け出し助けを呼ばなければと必死になっていたから頭の隅に追いやっていたが、改めて旦那様と奥様を目の前にすると自分の無能さがわかる。
自分が無能でなければロゼ様をあんな危険な事に巻き込まずにすんだのに、と...。
「そう自分を責めないで。...アルバートあとは頼みましたよ。」
「はい、奥様。...ありがとうございます。」
そう言って奥様は僕の頭を撫でて部屋を出ていった。奥様の後ろに控えていた父上が僕の傍までやってきた。
「アレン、良くここまで来てくれた。」
そう言って頭を撫でてくれるが、僕は何も嬉しくはない。
「...僕は無能です。父上...な、何も出来ませんでした。...ロゼ様を置いてきて自分だけ...今ここにいるなんて...」
「お前はまだ幼い。それに今回の事は私のミスだ。従者のみでは無く護衛を付ければよかったのだ。アレン、申し訳ない...。ロゼ様はクリフォード様と騎士の皆様でお救いになる、と言ってもお前は納得しないだろうな。アレン今日の事が悔しいのならば執事の仕事以外にもロゼ様を守れるように強くなれ。」
「はい父上...」
「明日はクリフォード様と一緒にみんなでロゼ様を迎えに行こう。」