アレン視点①
ロゼ様がリックスという男を惹き付けてくれている間に僕とウィル様は扉から出る事が出来た。しかし、出れたからといって安心は出来ない。この屋敷を出るまでに仲間達に遭遇するかもしれないからだ。
「あの...確かロゼ、様?とか言ったか?」
「はい、ウィンズリー公爵家のご令嬢ローゼリア様です。」
「あぁ、あのご令嬢がローゼリア。...俺の2つ下とは思えない聡明さだな。」
この方の喋り方からして貴族である事は分かるが、あのウィンズリー公爵家の名を出しても怯まないと言う事は同じか...もしくはそれ以上の身分だという事が伺える。
「はい、ロゼ様はとても聡明でいらっしゃいます。そして、とても慈悲深いのです。」
ロゼ様の話をしながら周りを警戒する事も忘れない。
「なぁアレン、ここからなら抜け出せそうだぞ。」
僕達がいた部屋から少し離れた場所に小さな小窓が廊下にあった。僕達でも爪先立ちをすれば届きそうな高さに丁度あり、外には誰もいなかった。
「そうですね。この大きさでしたら抜けられそうです。」
「ならお前が先に行け。俺よりも小さいからモタモタせずに出られるだろう。」
《小さい》という言葉に少しムッとしたが、事実だから仕方が無いしここで争っている暇も無いのでウィル様の言う通りに先に小窓へと身体を入れる。
ウィル様が足を持って押し出してくれたおかげで余裕で外へと出れた。やはり先程見た通りここには護衛などリックスの仲間がいなかった。
「おい!何してやがる!?」
まだウィル様が残ってる小窓の向こう側から野太い声が聞こえてきた。
「アレン!お前は見つからずに助けを呼んで来い。」
小さな声でウィル様が呟いた。助けようか迷ったがここで僕まで捕まっては助けを呼べないのでウィル様の言う通りに僕は走り出した。
少し走ると見覚えのある街並みが見えてきた。
「...王都からは、あまり離れては、いない...みたいですね...。」
息を整えながら公爵家を目指す。
偶然にもその途中で騎士の方を見つけたので助けを求めた。
「た、助けて下さい!!!」
なんと今日で今年も終わってしまいますね。
皆様良いお年を!
31~4日まで帰省する為更新が出来なかったり
疎らだったりするかもしれません。
申し訳ありません。