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【13】

 エルと出会ってから数日

 エルはローゼリアにはすっかり懐いてずっとローゼリアの手を握っている。ローゼリア専属執事のアレンにも少しずつ慣れてきた。

 だが、大人のそれも男性にはまだ恐怖があるようでローゼリアの父であるクリフォードには全くと言っていいほど懐かない。

 事情を知っているクリフォードだが、あからさまに怖がられたりするとショックを受け、妻や娘のローゼリアに慰めて貰っていた。


「しょうが無いわ、お父様。エルはまだあの時の恐怖が無くならないんですよ。数日で私に懐いてくれたのは奇跡だと思っているもの。」


 そう言ってお父様の頭をナデナデしてあげる。


「アナタ、こういうのは時間が必要なんですから。まだまだ私にも近寄ってくれないもの。寂しいけれどここは我慢ですわ。」

「...あぁ、彼の事情を分かった上で連れてきたのだから。...エルを虐めた奴らは本当に許せん。潰しただけでは物足りなかったな。」

「まだ、大元が残っているのよ。原因を作ったそいつに全部償ってもらえば良いのよ。」

「あぁ、そうだな」


(...お父様とお母様がなんかとっても黒い。でも、闇オークションなんて考える馬鹿は地獄を見る方が良いのよ!)


 アルバートも入りお父様とお母様の話はより一層黒い話へと進んで行き始めたので、私は早々に退室しエルとアレンがいる庭へとやってきた。








「エル、アレン」


「ロゼ様、お話は終わりましたか?」


「えぇ、後は大人達に任せて来たわ」


 すぐに飛び付いてきたエルの頭を撫でながらアレンに紅茶を頼む。

 エルはここ数日でローゼリアにのみ、身体を触らせる事を拒まなくなった。寧ろ、触ってくれというように頭をローゼリアに擦り付けてくるのだ。

 その仕草がとても可愛く、そして自分だけだと思うと優越感が込み上げてくる。


「エル、アレンと仲良くしていられた?」


 コクン


「そう、偉いわね。」


「ロゼ様が来るの今か今かと待ってらしたのですよ。」


「ふふ、そうなの」


 その言葉に嬉しくなりエルの頭をすぐに撫でる。

 庭にあるテーブルにつき、アレンが入れてくれた紅茶を飲むのだった。



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