表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/129

【106】

「エ、エル!?」


「ロゼに勘違いされるのは嫌だからハッキリ言うけど、僕はリノアの事はただの幼馴染としか思ってない。前にも言ったけど僕はロゼに出会ってからずっとロゼしか見えてないんだ。」






「ロゼ、君が好きだ」






「ロゼが僕の事を弟のようにしか思ってないのは理解してる。でも、リノアの事で少しは心配してくれたって事はちょっとだけでも僕の事を意識してくれたってことだよね?...少し調子に乗りそう」


 そう言って照れたように笑うエルがとても可愛くて抱き締めたい衝動に駆られた。


(え、私、変態じゃない!?ヤバいヤバいヤバい!!!で、でも、こんなに可愛いエルがいけないんだ!)


「ロゼ?」


 黙っていた私を不審に思ったのかエルが覗き込む。


(もう〜〜)


 エルが好きだと自覚してしまった今はちょっとしたエルの仕草でさえ恥ずかしくなってしまう反面、もっとくっ付いていたとも思ってしまう。


「...ダメ...だぁ」


 顔が赤くなるのが抑えられず、エルから距離をとって俯いてしまった。


「...ロ、ロゼ?...ダメ、って?」


 今にも消えてしまいそうなか細い声が聞こえて顔を上げると泣いてしまいそうな顔をしたエルがいた。


「え?エ、エル?」


 何故エルが泣いてしまいそうな顔をしているのか分からずに問いかける。


「...今のダメってどういう事?...やっぱ僕じゃダメって事?弟にしか見えない?アレンのようにスマートな気遣いなんて出来ないしユリアス殿のように女性を喜ばすような言葉も出て来ない。ルーカス殿のように知識も無い。それでも、...それでも、僕は誰よりも君を愛してる!」


「...嬉しい、わ...でも待って!何でそこにアレンやユリアス様、ルーが出てくるの?」


「え?だってその人達といると楽しそうだから...。」


 ペタンと耳が垂れる姿はあまりにも可愛すぎてわしゃわしゃしたくなるけれど、だが今はそれどころでは無い。


「まずアレンは私専用の執事であり家族よ?ユリアス様は私など眼中に無いわ。ルーは大事なお友達なのよ。」


「それはロゼが思ってるだけでしょ?相手は分からないじゃないか...」







(あぁ、そうか...エルも不安なのね。...当たり前か、私はちゃんと伝えてないんだもの。)




ここまで読んで下さってありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ