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リノア視点

お待たせ致しました。

今回はリノア視点になります。

「ラウス!」


 わたしとローゼリア様を探しているラウスにわたしから声を掛けた。


「あ!リノア!...?ロゼは一緒じゃないの?」


「...そんなガッカリした顔、しないでよ...」


 小さく呟いた声はラウスには届いてなかった。


「ん?何?」


「ううん、ローゼリア様ならあっちで休んでるよ。...ねぇ、ラウス、少しだけ話せない?」


「どうしたの、リノア。そんなに点数が低かったのショックだった?」


 わたしが少しだけ元気が無いのを幼馴染であるラウスにはお見通しらしい。


「点数は、関係無い!!た、ただ...気持ちを...」


「気持ち?」








「わたし、ラウスが...好き...」


 意を決して出した言葉は最後の方には小さくなってしまった。

 ラウスの顔を見るのが怖くてわたしは俯いてしまった。わたしの気持ちを伝えた事でラウスに嫌われるのだけは嫌だったから。


「...その好きは僕がリノアを幼馴染として好きとは違うんだよね...?」


 いつの間にかわたしより高くなってしまった幼馴染がわたしの頭上から優しい声音で話しかけてきた。


「...えぇ。わたしは、ラウスの事を異性として好きなの。お父様に【リノアはラウス殿下のお嫁さんになるんだぞ。】って言われ続けてて、最初は気にもしてなかった。でも、一目惚れしちゃったんだ。ラウスに...。」


「...そっか。リノアは僕にとって大切な幼馴染であってそれ以上でもそれ以下でも無いんだ。気持ちは嬉しいけど...」


「わかってるよ!ずっとラウスを見てきたんだよ?分からない訳が無いよ。」


 ラウスの言葉をわたしは遮った。後に続く言葉を聞きたくなかったからだ。わたしは正直に想いを告げただけ、だから謝られるなんて嫌だ。


「...そう。」


「ただ、わたしはラウスが好きなんだ。それだけ伝えたかった。最初はラウスを奪ったローゼリア様が憎かった。でも、ローゼリア様とお話したりする内にわたしもローゼリア様が好きになっていった。その気持ちに素直に慣れなくてローゼリア様にライバル宣言したりしちゃったんだ。そんなわたしに嫌な顔せず向き合ってくれた。」


【だから!】とわたしは俯いていた顔を上げてラウスを見る。


「だから、ローゼリア様を泣かせたら許さないからね!ちゃんと守ってあげてね!」


 きっとわたしは過去一番に良い顔をしていると思う。

 ラウスに長年の想いを告げられる事が出来て凄く気持ちが晴れやかなのだ。











 ラウスがローゼリア様の元へと走っていった後ろ姿を見て、わたしは反対方向へと足を向けた。



「これ」


 ふと、後ろから声を掛けられた。


「...え?」


「そのままだと皆の所へと戻れないだろ?」


 そう言ってハンカチをわたしに差し出してくれるが、彼は何を言っているのだろう?

 こんなに気持ちが晴れやかなのに何処でハンカチを使うと言うのだ?


「何を、言って...」


 受け取ろうとしないわたしに痺れを切らしたのかハンカチを顔に押し当ててきた。


「ちょっ!何、を」


「...格好良かった。自分の気持ちをちゃんと伝えた君は格好良い、な。」


 そう言うと彼はわたしの頭をポンポンと撫でてくれた。そして、わたしは気が付いたのだ。ハンカチが濡れていることに。


「わ、わたし、泣いて...」


「そういえば、ソフィア嬢が美味しいケーキを用意していたぞ。早くしないと無くなってしまうぞ!」


 早くと言葉では急かすくせに一向にソフィア様達の元へと行こうとしない彼はわたしの涙が引っ込むのを待ってくれているのだろう。


「...ありがとう、エリック殿下」





ここまで読んで下さってありがとうございます。


出産と慣れない育児で中々更新できず申し訳ありません。これから徐々に更新出来ていければと思っております。

感想を下さった方々ありがとうございます。

とても暖かいお言葉に胸がいっぱいになりました。

時間は掛かってしまうかもしれませんが、更新はしますので引き続き読んで頂けたらと思っております。


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