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【99】

 数日間あった試験も終わり、結果が廊下へと張り出された。


 そして、点数が書かれた答案用紙も帰ってきた為リノア様が先日宣言した言葉がどうなったのかウィル様達がとても楽しそうにしていたのでいつもの個室に集合となった。


「やぁロゼ、学年一位おめでとう。流石だね。」


「ウィル様、ありがとうございます。ウィル様もおめでとうございます。」


 そう私は今回も学年首席である。お祝いの言葉をくれたウィル様も同じなのだ。


「...エリック殿下は、どうでした?」


 今回の試験で一番の気掛かりがエリック殿下だった。試験当日、目の下に真っ黒なクマを付けていつもより早く登校して来た彼は私の話をちゃんと聞いてくれて試験に挑んだ。


「ローゼリアのお陰で赤点は避けれた。結構良い点数を取れた。」


 嬉しそうに私にお礼を言うエリック殿下は今までのツンツンした感じは無く前よりも取っ付きやすくなっている。


「まぁ順位は中の下って所だったね、確か。鍛え直さなきゃいけないか。」


「ひぃっ」


 余程試験前夜の勉強が怖かったのだろう、不敵に笑うウィル様を見ると青ざめていく。


(頑張って下さい。エリック殿下)


「ロゼ、ロゼ」


 隣に座っていたエルが嬉しそうに私の裾を掴んで尻尾をバタバタと振っている。


「どうしたの?エル」


「ロゼ学年一位おめでとう!そしてね、僕も学年一位だったんだ。ロゼが教えてくれたからだよ。ありがとう!」


「まぁ!おめでとうエル。でも私が教えたのは昨日だけよ。学年一位になったのはエルの実力よ。」


 流石はエルだ。賢いとは思っていたけれど学年一位になるとは思いもしなかった。


「ううん、ロゼの教え方が凄く上手だったから自分でやってもどうしても分からなかった問題がロゼに教えて貰ってからスルスルと解けたんだ。」


「私が役に立ったなら光栄だわ。」


「確かロゼの学年はロゼが一位でルーカスが二位だったよね?ユリアスは?」


 ウィル様がここにいた皆の順位が知りたくなったのか聞いてきた。


「俺はちょうど真ん中でしたよ。」


「ユリアス様は何もしてなくても割と良い点数取るのよね。小さい頃から要領だけは良かったもの。ずるいわ!」


 プクッといつものように可愛らしく頬を膨らませて幼馴染であるユリアス様を見るソフィア様。照れたのかユリアス様は頬を掻きながら苦笑いしている。


(あんな可愛い顔で見られたらヤバいよねぇ。それで無くてもユリアス様にとってはソフィア様は初恋の相手なんだもの。)


「...で、だ。リノア嬢、君はどうだったんだい?先日の宣言通りになったのかい?」


(あぁ〜だから皆の順位を聞いてたのね。この話に持ってく為に...そこまで知りたいのね...ウィル様。)






ここまで読んで下さりありがとうございます。

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