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リノア視点

リノアの視点になります。

「ねぇ、ラウスはローゼリア様が好きなのか?」


 わたしは疑問に思っていた事をラウスに聞いた。


「っ!?ばっ!お、お前、な、何、いきなり」


 ラウスは飲んでいた紅茶を口から出しそうになったのを何とか堪えたようだ。


「んー?だってわたしといる時よりラウスはローゼリア様といた時の方が楽しそうだからさ」


 それは本当に複雑なのだ。

 わたしは小さい頃からラウスと一緒にいた、幼馴染なのである。お父様には小さい頃から『リノアは将来ラウス殿下のお嫁さんになるんだからちゃんと学ばなきゃいけないよ。』と言われていたからだ。


 わたしだってそれが当たり前だと思ってた。

 ラウス殿下と年が同じなのは、爵位的に考えるとわたししかいない。他の国からお嫁に貰うとなるとそれは王太子であるラウスのお兄様だろう。


 だからわたしは将来、ラウスのお嫁さんなんだって思ってラウスに接していた。最初は政略結婚だからと思ってたけど...いつからだろう...ラウスの事が好きで好きで仕方なくなったのは。


「まぁロゼといると楽しいね」


 彼女の事を思っているのだろう。少し頬を赤らめて微笑むラウスは、わたしが初めて見る顔だった。


「...そんな顔、知らない。」


「ん?何?」


 私の呟きが聞こえてなかったみたいで聞き返してきた。


「別に。ねぇ最近エリック殿下とローゼリア様が一緒にいるらしいよね。知ってる?」


「...あぁ。噂で」


 先程までの嬉しそうな顔から一変してラウスの背後からドス黒いオーラが見えるような気がする。


「そ、そう。でもそれ真実みたいだよ。エリック殿下とローゼリア様が図書室で仲睦まじく一緒に勉強してたみたい。」


『まぁユリアス様やルーカス様も一緒だけど』なんて事は言わない。言ってやらない。


「...僕もう行くよ」


「え?何処に?わたしも一緒にい...」


「ロゼを探す。」


「な、なんで...今はここでわたしの相手してよ!」


 ずっと好きだったのだ。

 あぁ、そうだ...わたしは、出会ったその瞬間にラウスに惹かれたのだ。

 純粋な笑顔で『初めましてリノア嬢』の言葉と共にわたしの手を取ってくれた彼に一目惚れした。


「うーん、でも僕はロゼといたいんだ。それにリノアの相手はエリック殿下だし。」


「嫌!嫌よ、ラウスが良い。小さい頃から一緒にいてラウスが途中この国に来てからは会えなかったけど...帰ってきてから人が変わったように剣の鍛錬や勉強ばかりで遊んでくれなかったじゃない!その後は留学しちゃうし...。」


 寂しかった。寂しかったのに何でラウスは気付いてくれないの?


「ごめん、それには答えられないや。」


「...剣だって強くなったんだ。ローゼリア様みたいに淑女では無いけれどラウスを護れる程に強くなっている!」


「わたしは...わたしは...」


 それ以上は言えなかった。


「...わたしも、ついてく」


 ラウスは先程までの勢いが無くなったわたしを不思議に思いながらもわたしがついて行く事を許してくれた。




ここまで読んで下さりありがとうございます。


4月中に終わらせる予定だったのですが(汗)

もう少しお付き合い下さい。

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