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【90】

 あれから数ヶ月経ったある日、隣国であるアーステル国から公爵令嬢が訪問するという知らせが届いた。


「エルがお相手するの?」


「うーん、そうなるかな?後は、エリック殿下がこの国について案内するらしいよ。ウィリアム殿下の話だとね。」


「え?それは...大丈夫なのかしら?」


 エリック殿下といえば今まで色々と問題があったし剣の腕は素晴らしいがそれ以外が壊滅的なのだ。まぁウィル様からお叱りを受けてから授業もちゃんと取り組んでいるみたいだけれど。


「最近の殿下は色々と変わられたみたいで公務にも積極的に参加しているんだって」


「そうなの」


 あまり公務に参加するエリック殿下など想像もつかないが、エリック殿下の心の中で何かが変わったのだろう。

 良い方向へ変わったみたいで安心した。


「そのアーステル国の公爵令嬢はどんな方なの?」


「彼女は僕と幼馴染でもあるんだ。まぁ彼女よりも弟の方が僕は仲が良いのだけどね。ロゼが令嬢の鏡だとすると彼女は全く令嬢っぽく無いんだ。と言ってもアーステル国は獣人の国だから貴族っていうのがあまり無いんだ。王族は別なんだけどね。」


「と、言う事は平民に近い考え方という事?」


「うーん、そんな感じかな?獣人によっては貴族として恥じないようにマナーを学ぶものもいるけれど、それは極僅かでほとんどが騎士の心得を学ぶ者が多いんだ。だから、アーステル国は孤立しているってのもあるんだよね。」


「私達、人間の国は貴族としての誇りがあるからマナーがなって無いと白い目で見られてしまうものね。最悪、戦争にだってなりかねないもの。」


「うん、だから彼女がこの国に来るのが少し心配ではあるんだ。何かやらかさなければ良いんだけど。とりあえず、陛下やウィリアム殿下、エリック殿下には僕の国について話しておいたし先に謝ってもおいたんだ。」


 僕のいない所で粗相したら対処出来ないからね。と困ったような顔をした。


「まぁエリック殿下も何か仕出かすかもしれないからお互い様じゃないかしら?あ、そのご令嬢は何の獣人なの?私、とても楽しみなのよ。」


 話題を変えようと公爵令嬢はどんな獣人なのか聞いてみた。


「彼女は猫の獣人だよ。だから気分屋なんだ...」


 遠い目をして“ハハハ”と乾いた笑いを発したエルに本当に問題がおこらなければ良いのにと願わずにはいられなかった。




ここまで読んで下さりありがとうございます。

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