【85】
誤字報告ありがとうございます。
「ロゼちゃん!やっと来たわ。さぁ色々聞かせてもらうわよ。」
エリーナ様と話し終えた後にソフィア様が部屋で待っているとウィル様に言われたのでやってきたのだが...
「...え、えーと」
「昨日の話を詳しく聞きたいわ」
「あ、それで」
ソフィア様をはじめ、ウィル様も着いてきたエルやアレン、アンナも聞きたそうにウズウズしていたのだ。
「...信じてもらえるかは分からないのですが。」
と、前置きをして自分には前世の記憶があり、猫を助けて死んだ事やこの世界がゲームであるということをなどを話した。ゲームというのでは伝わらなかったので小説という事にしといた。
「なので転生者であるエリーナ様がヒロインである。と主張していたのは理解出来ていたのです。ですが、私も転生者だった為に色々とストーリーが変わっていたので彼女も混乱したのかと。」
『かといって許される行為ではありませんが。』と付け加えた。
「そうね。でも、ロゼちゃんは前世の記憶があったのね。それも違う世界の...不思議な事もあるのね。でも何だか納得だわ。ね、ウィル様」
「あぁ、そうだね。年下なのに落ち着いていたり賢かったりしたからね。なんか、納得だよ。」
(ここまで受け入れてくれるなんて思いもしなかったなぁ。気味悪がられるとかするんじゃないかと思ってたけど、良かった。)
ソフィア様もウィル様も普通に受け入れてくれて安堵したのだが、エルは何か考えるかのように黙ったままだ。
アレンとアンナは『ロゼ様(お嬢様)がどんな方であろうと一生お仕えするのは変わりありません。』と言ってくれた。
「前世の記憶があるなんて可笑しいと言われるかと思いましたわ。」
「そんな事、思うはず無いわ。ロゼちゃんが昨日、つらい過去をエリーナ様に話していて詳しくは理解出来なかったけれどそれを知っているエリーナ様に嫉妬してしまったの。ふふ、可笑しいわよね。」
「ソフィア様...」
「今もロゼちゃんの過去を聞いても半分位しか理解出来ないのも悔しいのだけどね。」
「私...ここに、生まれて、良かったです。」
自分の瞳が潤んでいるのが分かるがここで泣くのは恥ずかしいので我慢する、が難しい。
「ロゼちゃん...」
ソフィア様が席を立ち抱き締めてくれると我慢していた涙が溢れ出してしまった。
涙がおさまるまでソフィア様ずっと私の背中をさすって抱き締めてくれていた。
私が落ち着いた頃、ソフィア様とウィル様にお礼を言ってエル達と屋敷へと戻った。
ここまで読んで下さりありがとうございます。