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【10】

 晩餐は私の好きな物でテーブルが埋まっていた。料理長達が本当に張り切ってくれたのだ。料理長達はもちろん、使用人達からもお祝いの言葉を貰えた私は幸せでいっぱいになった。


「お父様お母様、そして皆さん今日は本当に素敵な誕生日になりました。ありがとう!」


 皆にお礼を言って抱き着いていく。

 そして、皆にお礼を言い終わったら「おやすみなさい」の挨拶をして、エルの手を握りアレンに声掛けてエルの部屋へと向かった。


「ここがエルのお部屋よ。1人で眠れる?大丈夫?」


 私は心配で今日、1人でエルを寝かせるのが気掛かりであった。でも、エルは「大丈夫」だという目をして頷くだけだった。


「本当に?今日ぐらい一緒に寝ても良いのよ?ううん、今日だけじゃなくてもいつでも一緒に寝ても良いわ!」


 そう言ってエルを見てもふるふると顔を振り1人で寝るというジェスチャーしかしない。


(...こんなに寂しいと思うの私だけ!?せっかく弟が出来たんだから一緒に寝たかったのにな~でも、エルが1人で大丈夫というなら仕方無いわよね。)


「そう...でも!本当に寂しくなったらちゃんと私の部屋へ来るのよ?良いわね?」


「ロゼ様、そんなに心配せずともエル様は大丈夫そうですよ。ロゼ様が寂しいなら僕が一緒に寝てあげましょうか?」


 アレンがなんだか嬉しそうに私へ近寄るとエルが物凄い勢いでアレンの服を引っ張る。


「...はぁ、そんな怖い顔をせずとも主人と一緒に寝るなんてことしませんよ。」


(ん?怖い顔?エルが?...見てみたいけどこっちからだとアレンが邪魔で見れないんだよね、)


「エル、寂しくなったり怖い夢見て心細くなったら私の部屋に来てね!絶対よ!...じゃあ、おやすみなさい。」


 エルに抱きついて私とアレンはエルの部屋を後にした。





「アレン、メリー呼んできて。寝る支度をお願いしたいから」


「かしこまりました。では、僕はこの辺で失礼しますね。」


「えぇ、今日もありがとう。ゆっくり休んでね。」


「はい、ありがとうございます。おやすみなさい。」


 アレンは私の部屋から出ていった。少し経つとメリーが来て、寝るようの服を準備して着替えさせてくれた。


「それでは、お嬢様おやすみなさいませ」


「メリーありがとう。おやすみ」


 ゆっくり目を閉じて深い眠りへと入っていった。











 コンコン...コンコン


「...ん、...」


 コンコン


「...?...なんか聞こえたような...」


 ...コンコン...コンコン


「叩く音?...誰かしら...誰!?」


 問いかけても声が聞こえずノックの音だけが部屋に響く。


「...誰なの?」


 少しだけ扉を開けるとそこにはエルが立っていた。


「まぁ!エル!どうしたの?」


 声を掛けると勢いよくエルが抱き着いて来た。そして、顔を埋めてくる。


「...もしかして、怖い夢でも見たの?」


 コクン


「そう、なら一緒に手を繋いで寝ましょ!そしたら怖い夢なんて見ないわよ。」


 私の顔を見上げてエルは頷く。

 2人でベットに入り向き合うように手を繋いで眠ったのだった。



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