1.勧誘
「なあ、和也。一緒にゲームやらないか」
休み時間、そんな風に話しかけてきたのは、同じクラスの川端慎二である。
僕はあまりその提案に興味は無かったが、話だけは聞いてみることにした。
「ゲームねえ……面白いのか? ってか、何のゲームだよ」
「テレビで結構CMやってるけど、soulStrainってヤツ。面白いぞ」
「CMか、見たことあるような無いような」
慎二は制服のポケットからスマートフォンを取りだしてロックを外し、画面を見せてくる。画面内には色々なアイコンや数字が表示……されている訳では無かった。
平面表示ではなく、フィールドやキャラクターなどをポリゴンを用いた3D表示で行われているタイプのゲームのようだった。何となく、ゴチャゴチャとしたインターフェースを想像していたのだけれども、予想を裏切られるものだった。
「シンプルな画面のゲームなんだな、これ」
「ああ、一応画面内に情報を表示するかどうか選べるんだけど、俺は可能な限り削ってるんだ」
「どうだ? 興味でてきたか?」
「いや、見せられたばっかりで興味が出るも何も無いだろ。帰ってよく調べてから決めさせてくれよ」
正直、別に面白そうだとも思わなかったので、この場で断っても良かったのかもしれない。それにも関わらずこの場で返答しなかったのは、他にすることも無かったからだ。
「そっか、分かったよ。帰ってじっくり考えてみてくれ」
慎二はあっさりと引き下がる。
いつもならしつこく食い下がってくる流れだったのだが、珍しいこともあったものだ。
僕は、とりあえずそのゲームの名前だけ覚えておいて、帰ってから調べてみることにした。
つづく




