第2話『僕らの名前は……!!』
ようやく、ウサギたちの名前が分かる話です。
さて、今回はどのような事が起こるのでしょうか。
でわ、本文へどうぞ。
→
ここは、色々と凄いという噂のエキサイティングタウン……
それの近くにあるかなり広い草原内にある1件の建物の中。明らかにポツンと建てられていて、誰も住んでいないような物件だが、この建物にはちゃんと人が2人+キャラクター的なのが1人、合計3人の住民が住んでいる。
彼らは一件の家に人間とキャラクターが共存している状態で生活をしている。この事自体が珍しい事なのだろうが、このエキサイティングタウンではそのような事は当たり前の事らしい。
まぁ、そろそろ今回の話に入って行くとしよう……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
とある日の朝。人形作者がいち早く目が覚めた。
人形作者「あ〜、眠いわぁ。何で、起きたんだ早朝に。誰か答えてくれよ、教えろよ。」
彼はブツクサ言いながら自宅内をひょこひょこと歩き回っていた。ちなみに、私達の立場からすると、そんな事を言われても知りませんとしか返す事は出来ない。
そして、そのまま歩き回っていると、ある事に気がつく。
人形作者「んあ、何ぞこれは?」
壁とモノの間に高さ10〜15cmぐらいの小さな扉がある事に気が付いたのである。彼は不信感と好奇心のせいか、その近くに立って様子を見てみる事にした。
そして、それを始めてから数分後の事だった。
ガチャ……
その扉が開いて中から例のウサギと同じようなのが出てきた。だが、それは例のウサギ達よりも少々サイズが小さかった。そして、この時は互いに存在には気づいてはいない。ウサギは扉の前に立つと、いかにも人が朝起きてからするような体の伸ばしを行った。
その時に出た、声で人形作者が近くにウサギがいるのに気づいた。
人形作者「ん?」
彼は声のした方を見る。すると、出てきたウサギも同じように声のした方向を見る。この瞬間、互いの存在に気が付いたのだ。そして、一瞬時間が止まる。再び時間が経過しだすと……
ウサギミニA「わわわわわ……(汗)」
人形作者「おぉう!?」
小さなウサギはその場でグルグルグルグルと走り回り慌てた状態となり、人形作者はそれを見て驚きの様を隠せずにいた。そして、小さなウサギはピタッと動きを止めると、そろ〜と扉の中に逃げ込もうとした。
だが、あの人形がそれに気づかぬ訳は無かった。それに気が付いた人形作者は勢いよく飛び掛る。しかし、一回りサイズが小さいためか確保に手間を取る。
ウサギミニA「うわわわわわ、捕まる〜〜!!」
人形作者「てやんでぇ、待てやーー!!」
気が付けば、その場で逃走と確保の乱闘が始まっていた。人形作者は飛び掛ったり先回りしたりして、確保に策を講じるが、相手のサイズが小さいため、小回りを利かせられたり、モノとモノの間に入られたりと、なかなか捕まえられない。
そして、最終的に2匹目の小さいサイズのウサギが外に出てこようとしていた時に逃げ回っていたウサギが扉の中に飛び込んで、出て来ようとしていたウサギと共に扉を閉めて逃げって行ったのだった。
人形作者「逃げられたか。」
頭を抱えつつ扉を見つめる人形。しかし、ここでこんな事をしていた事など他の仲間には伝わるだろうと思い、扉の近くから離れていく事にした。
そして、時間は数時間経過する……
不藤雄一「はぁ……もう、7時か起きないとな。」
池谷和也「流石に寝すぎるのも良くないしな。」
この二人も起床した。そして、雄一は部屋を見て人形がいない事に気が付いた。
不藤雄一「あれ、池谷さ人形どこ行ったか知らないか?」
池谷和也「今起きたんだぞ、分かるわけ無いだろ?」
不藤雄一「それもそうか。」
話を終えると、彼らは寝室から出て、リビングへと向かって行った。すると、リビングには一人でテレビを見ている人形作者の姿があった。
池谷和也「何だ、先に起きていたのか?」
人形作者「あぁ、そうだが何か?」
どうやら、機嫌が悪いようである。まぁ、だいたいの予想は付くのだがな。
不藤雄一「どうした、機嫌損ねているけど?」
人形作者「あぁ、取り逃がしたからな。」
池谷和也「何だ、バードウオッチングに失敗したのか。」
人形作者「違ぇーよ、ウサギの方をだよ!!」
やはり、理由はそれだった。どうやら、あの取り逃がしが以上に彼に悔しさを与えているようであった。まぁ、確保に動いていた時の彼の状態は本気状態に近かったから分からない事は無い。
不藤雄一「ウサギって、例のあれか?」
人形作者「あぁ、サイズがひとまわり小さかったけどな。」
池谷和也「ん?よく分からない点があるんだけど?」
人形作者「だからだなぁ。」
人形作者は二人に今までの経緯を全て話した。すると、彼らはその話を納得した。そして、三人が椅子に座って向かい合わせた状態で話が続く。
池谷和也「それで、今回は何も取られなかったのか?」
人形作者「まぁ、ただ単に朝一で伸びに来ただけろうよ。」
不藤雄一「それで、話したとおりになったと?」
人形作者「んだな。」
ここで、雄一がふぅ……と、息をはいて持っていた湯飲みを机の上に置いた。そして、少しだけ間が空く。すると、彼が何かを思い出したかのように「あ。」と声を出した。
池谷和也「どうした、いきなり声なんか出して。」
不藤雄一「いや、昨日ゴミが出ただろ?だから、どう処分しようかと考えていたのだが、あれを使ってみるかと。」
人形作者「あー、上田さんの持ってきた自販機か?」
不藤雄一「そうそう。」
彼ら三人は、椅子から立ち上がり例の自販機の方に向かって歩いていく。その際に、人形がゴミとなって捨てる予定になっていて箱詰めされていたモノを自販機の前に持ってきた。
池谷和也「よくもまぁ、こんなにもためたよな。」
人形作者「というよりは、知らない間に壊れていたモノが多いがな。」
不藤雄一「まぁ、原因は昨日理解できたから良いじゃないか。」
まぁ、お分かりのように原因とされているのは例のウサギ達の事である。それにしても、壊れた物の数は多かった。ちなみに、量はストーブを入れられているダンボールにギュウギュウに詰められている程であった。
不藤雄一「さてと、本当に言ったようになるのだろうか。」
雄一は要らない物の中から一つを手に取り、自販機の雑貨処理口へと入れた。すると、自販機のモニターに金属類にするか硬貨類に変換するか等の選択肢が出た。
人形作者「どれを選択してみる?」
池谷和也「まぁ、実用的なのは硬貨じゃね?」
不藤雄一「じゃあ、そうしましょうか。」
雄一はその種類を選んで確定のボタンを押した。すると、処理口にあったゴミが自販機の中に吸い込まれていく。そして、少し時間が経つと、硬貨取り出し口にお金が出てきた。
池谷和也「あ、本当に金が出来た。」
人形作者「なら、この箱の中身を全部やってみるか。」
人形作者は、一気に箱の中にあるものを投入した。幾らなんでも入れすぎは良くないのではと思うが、何もなく先程と同じように硬貨に変換されて出てきた。
人形作者「どうやら、このぐらいのダンボール一箱分ぐらいは大乗のようだな。」
池谷和也「全く、凄いモノを発明したなーあの人は。」
不藤雄一「まぁ、ちょうど買い物に行くから試してみますか。」
彼らは自販機で変換されたお金を全て財布に入れると、自宅から出て行くのであった。だが、彼らは気づいてはいなかった。自分達の話を全て聞いていて様子を伺っているモノ達が近くにいた事を。
それは、さっしの通り例のウサギのうちの一人であった。
???B「よし、あいつ等は出て行ったよ。」
???D「了解、じゃあ家の中を物色しよう。」
???F「今日は、何が見つかるかなぁ〜。」
どうやら、家に誰もいなくなるのを彼らが起きてきてからずっと待っていたらしい。そして、その機会が来たためまた彼らの家のモノを持ち帰る作戦のようである。
???A「よし、みんな散策開始だ出るよ。」
リーダー格のウサギがそう指示を出すと、あの小さな扉の中から例の7匹のウサギ達と、それに良く似たサイズがひとまわり小さいウサギ達がわんさか家の中えと出てきて、家の中を物色しだした。これは、やり方が完全に空き巣である。
ウサギミニB「よーし、探すぞ〜。」
ウサギミニC「何か変わったモノないかなぁ〜?」
そして、彼らが家を物色しだして数十分後……
ウサギミニA「ん?何だ、これ。」
サイズの小さいウサギが地面にあった機械に目を向けた。そして、近づく。すると、それを聞いた他のサイズが小さいウサギが数匹そっちへとやって来た。そして、彼らはそれをじっと見つめた。
ウサギミニD「これは、何かの機械だね。」
ウサギミニE「何のだろね?」
ウサギミニF「さぁ、分かんないなぁ〜。」
彼らは数秒間考え込む。すると、1匹のウサギがポンと手を叩いた。そして、彼が機械のそばに立ちそれを手で数回叩く。そして、こんな提案をする。
ウサギF「良い事考えたよ、これ持って帰ろうよ!!」
ウサギE「いいねぇ、何かに使えるかもしれないよね。」
ウサギD「よーし、決っまりぃーー!!」
ウサギA「ちょっと、持ってかえって良いか聞いて来るね。」
すると、1匹の小さなウサギが例の7匹のいる場所へと移動して行った。どうやら、この小さなウサギ達をまとめているのは、例の7匹のウサギ達のようである。
彼らのもとにやってきたウサギはさっきの事情を話す。7匹は少々考える。すると、他の小さなウサギ達が何匹かやって来て彼らも同じ事を話し出すのだった。
???E「そんなにあるなら、別にいくつかはもらっても大丈夫だよね?」
???D「ってか、モノを地面に置き去りにしている方が悪いしね。」
???A「いいよ、幾つか持って帰ろう。ただし全部だとバレるから、全体数の3割ぐらいだよ?」
ウサギミニ達「わーーい、分かったーー!!」
すると、彼らは自分達の見つけた位置に戻り、互いに一緒にいるウサギ達とその機械を力任せに持ち上げ始めた。しかし、この時、彼らは気づいていなかった。その機械の電源が入っていてスリープ状態であった事を。そして、もう一つ気づいていない事があった。実は、それの方がマズイ事だったのである。
それは、一体何だというのだろうか?
ウサギミニB「よーし、もう少しで持ち上がるぞ。」
ウサギミニC「僕らの方もだよ。」
ウサギミニH「でも、僕らと同じぐらいの大きさなのに結構重いよね?」
ウサギミニI「まぁ、機械っていうのは、全部超重たいんじゃない?」
いいや、そんなはずは無い。確かに家具みたいに一人や複数で持っても重い物もあるが、逆に軽い機械類だってある。そして、彼らが持ち上げようとしている物は、間違いなく家具よりは軽い物体である。さて、何故そんなにも重く感じるのだろうか。それは、すぐに理解できるハメとなる。
彼らは何とか頑張ってそれを持ち上げた。すると、各グループがそれらをある程度、物を回収していた7匹の近くまで持ってきた。
???G「みんな、それどうしたの?」
ウサギミニD「これがさっき話していた機会だよ?」
ウサギミニB「見るからに使えそうだよねー。」
7匹のウサギ達が彼らの成果に関心をしたその時だった。
ファンファンファンファンファンファンファンファンファンファン……
全員「な、何だ!?何なんだ、この警報は!?」
突然鳴り出した警報に対して、あたふたと慌てふためくウサギ達。彼らはこの警報の原因を慌てつつ探していた。すると、その時であった。
機械数体「侵入者発見……侵入者発見ッ!!」
彼らに持ち運ばれていた機械が彼らの手を一斉に振りほどき空中へと飛来したのだ。
ウサギミニC「うわわわわ、あの機械、空飛んでるよーー!?」
ウサギミニG「あの機械は、一体……?」
そのような事を口に出している時、とある1匹がこんな事を悟った。
???B「よくよく、耳を澄ませば、あの機械達から聞こえてこない?」
???F「え?警報が?」
その場にいる全員は、機械達に向かって耳を澄ます。確かに、この警報はそれらから出ているようであった。しかし、彼らはそれの原因が分からないようである。
ウサギミニH「でも、どうして警報が?」
ウサギミニB「侵入者発見とか言っていた気が……。」
???F「ま、まさか!?」
機械数体「ご理解、お疲れ様。」
どうやら、そのまさかのようである。
機械数体「排除、開始!!」
シュワァァァーー!!
ウサギ達全員「うわあああああぁぁぁぁぁーー!!」
いきなり機械から高熱光線が発射されてきて、逃げ惑う彼ら。複数の機械達はお構い無しに彼らに光線を発射していく。ウサギ達はそれを必死で回避して逃げ回る。
ウサギミニE「うわ〜〜ん、焼かれちゃうよーー。」
ウサギミニG「焼きウサギになるなんて、嫌だよーー!!」
そのような言葉を言いつつも攻撃を避けまくるウサギ達。そして、家の中を数時間逃げ回る。すると、彼らの向かう方角から今彼らを攻撃しているモノとは別の機械が数機現れて、同様に高熱光線を繰り出す。
ウサギ達全員「ひゃあああああぁぁぁーー!!」
それらの攻撃も避けるウサギ達。しかし、この時彼らの前後には無数の機械が浮遊しており彼らは完全に挟み込まれている状態であった。
そして、その状態で無差別的に機会は辺りに攻撃を繰り出す。ウサギ達はあたふたしながらも、攻撃には一切当たらない。それ以上に凄い事は機械の攻撃が家具などにあたっても全くもってそれらに何も影響を与えない事である。
そして、彼らが逃げつつけてから合計2時間ぐらい経過した時である。
ジュウウウゥゥゥーー……
ウサギミニX「うわぁーー、体が焼かれるーー!!」
ついに、1匹の小さいウサギが機械の攻撃に当たってしまったのだ。そして、その場に倒れこんだ彼を攻撃を与えた機械が捕獲する。他のウサギ達はそれを見て声を上げるが、すぐに助ける行ける状態では無い。捕獲された小さなウサギは無理矢理にでも機械を振りほどこうとする。しかし、なかなか体から機械が放れない。
ウサギミニX「放してよ、この放せってば!!」
機械X「無意味な抵抗を確認。……黙らせる。」
ジジジジジジジジジジッ……
ウサギミニX「あべべべべべべべべべべ……!?」
あまりにも抵抗が激しかったのか、機械の流す高圧電流によりそのウサギは体が痺れて抵抗が出来なくなってしまった。それを見た他のウサギ達は一斉にその機械に飛び掛る。そして、ポカポカポカポカと機械を叩きまくる。
それが数十秒間続くと、ウサギを捕獲していた機械がボンッ!!と音を立てて爆発し、その場に墜落した。そして、捕獲されていたウサギが開放されたのだ。
ウサギミニX「ふぅ、助かった。」
ウサギミニR「何なのさ、いきなり攻撃をしてきて捕獲だなんて。」
ウサギミニU「やる事が非道するぎよ!!」
いや、まずは自分達のした事を振り返ってみてはどうだろうか?それが原因で今の戦いが起こっているのだから。
機械A「防犯機械1機の撃墜行為を確認。」
機械B「目標全体の警戒レベルを上昇。」
機械C「警戒レベル1→2に上昇。」
機械D「全て捕獲する。」
すると、機械の周りに青色のオーラのようなモノのごく一瞬だが浮かび上がった。それを見ていたウサギ達は流石にマズイと悟ったのだろうか。ウサギ達は「わーー!!」と叫びながら、負傷している小さなウサギを数匹が担いだ状態で一斉に玄関の扉を開けて、家の外へと逃げたしたのだった。
もちろん、機械が彼らを見逃そうとする訳が無い。機械達は彼らの後をゆっくりと追いかけていく。
ウサギ達「うわあああーー、外まで追ってきたぁーー!?」
機械達「逃がしはしない。」
そして、彼らはこれから自宅の周りをグルグルグルグルと追いかけっこ状態を繰り返す。しかし、何故同じルート上でしか逃げないのだろうか。それには、ちゃんとした理由があった。
自宅の外は草原となっている。その草原とは広大である。そのためどこへ逃げようと高低差が無い限りは、全て見通しが良い状態であるため、隠れるのには適していないようである。 強いて、言えば、草むらやら木の陰などに隠れたりするしかないであろう。まぁ、今後は自然状態なども変わってくるのではないだろうか。
そして、もう一つの理由は、近くあるタウンとの距離感である。その距離とは歩きで30分以上は掛かる距離である。そんな方向に向かって逃げていれば、確実に途中で捕まってしまうのだろう。仮にタウン内に逃げられたとしても、彼らの事を知っている者など一切いないであろうし、今までやってきた事を話すと即御用モノである。そのため、タウンに逃げる訳にはいかないのだ。
よって、自宅の周囲をグルグルグルグルと逃げ回る鬼ごっこ状態となっている訳である。
???F「くそ、あいつらしつこいよ!!」
???C「まぁ、僕らもずっと同じルートを逃げているからね。」
???G「早く言ってよーー!!」
どうやら、それには気づいていなかったようである。
???E「じゃあ、早く他の策を考えないと!!」
ウサギ達は上手く逃げられる作戦を考えつつ、走り続ける。だが、そんなものはなかなか生まれない。そして、そのまま逃げ回る事、数周目……
???B「ん?」
???D「どうしたの?」
???B「あそこに空の箱がいくつかある。」
ウサギミニ達「本当だーー!!」
???A「よし、あの中に隠れよう!!」
彼らはそこへと辿り着くと即座に箱の中に入って姿を隠した。こういう事には慣れているのだろうか、誰も体をつっかえる事も入り損ねる事も無く、全員が複数の箱の中にしっかりと納まり、一番上にいたウサギ達が箱の蓋を閉めて、それが拓かないように中でしっかりと握っていた。
機械達はウサギ達がその中に隠れたとは知らずに、箱の前を通り過ぎていった。そして、それを察知したのか、その直後、彼らは箱の中からゆっくりと出てきて、周囲の安全を確かめるのだった。
???B「よし、奴等はいないみたいだ。」
???A「うん、今の間に逃げよう!!」
彼らが逃げようと一斉に動き出したその時だった。
ウサギミニZ「うわぁ!?」
1匹の小さなウサギが足元にあった小石につまづいてその場に転んで怪我をしてしまったのだ。ウサギ達は何が起こったのかと、即座にそちらを見る。すると、皆さんも転べば今までにこうなる時期があったであろう行動を、この状態でそのウサギはとってしまう。
それは……
ウサギミニZ「うわーーん、痛いよぉーー!!」
その場で大声で泣き叫んだのだった。その泣き喚いている声はかなりの大きさであった。すると、ウサギ達が近づいていき、彼の心配をする。それのお陰かそのウサギはすぐに泣き止んだ。しかし、これが原因で再び彼らに恐怖が訪れる。
機械達「目標、再補足。」
ウサギ達「あ゛……。」
機械達「排除開始!!」
ウサギ達「に、逃げろーー!!」
再び機械とウサギ達の追いかけっこが再開したのだった。どうやら、見つかった原因は例のウサギの鳴き声が原因だったようである。
???D「くそー、ぴったりと追跡してくるよーー。」
???C「このままじゃ、追いつかれそうだよ!?」
ウサギ達は後ろから追いかけてきている機械達を警戒しつつ、逃走劇を続けている。しかし、その行為自体が彼らの逃走劇に終止符をうつ事になるのだった。
???A「とりあいず、家の中に非難しよう。」
???B「そうだね、そうしよう。」
彼らは自分達が助かる方法を見つけ出すと、機械達を警戒しつつ、走るスピードを上げていく。もちろんではあるが、彼らと機械との間は徐々に開いていく。
???A「よーし、ここまま逃げきッ……痛て!?」
しかし、逃げている最中に先頭を走っていたウサギ達のリーダーが何かにぶつかりしりもちをついてしまった。すると、彼にぶつかり後ろのウサギ達もドミノ倒し状にパタパタパタパタと倒れていき、全員がその場にしりもちをついた状態となったのである。
???F「どうしたのさ、いきなり倒れたりして。」
???A「何かにぶつかったんだ、さっきまでは無かった何かに。」
さて、そのさっきまで無かった何かとは、一体何なのであろうか。それをウサギ達が気にしていると、ぶつかったモノのある方向から声が聞こえてきた。
???「そりゃあ、さっきまでは無かったはずだぜ?」
7匹のウサギ達「え?この声って……。」
彼らがそっちを向くとそこには、用事を終えて自宅に帰って来ていた人形作者の姿があった。
人形作者「全く、また何かをやらかしてくれたようだな、ウサギ共。」
何かを知っているかのように、人形作者は彼らを問い詰める。不思議な事にこの時は例の機械達は機能が停止していた。だが、ウサギ達はそれに気が付いていない。
???A「僕らは何もやってないよ!!」
自分達のした事を知られていまいとシラを切る。すると、家の中から雄一と池谷が姿を現し人形作者のもとへとやって来た。池谷の手には明らかにウサギ達には記憶に残っているであろうモノが持たれていた。
池谷和也「知らない事は無いだろ?オマーら、この防犯機械を1機破損させたようじゃないか。」
???C「そんなの知らないよ!!」
不藤雄一「それが、知らないとは言えないのさ。この機械の記憶メモリーを見てみると、お前達がやったという証拠が画像として残っていたからな。」
???B「嘘だ、そんなのあるわけない。」
どうやら、あくまでもシラを切り続けるようである。呆れた雄一はため息をついて、池谷にそれを彼らに見せてやるように指示を出す。池谷は、モニターを起動させて、そのシーンを流した。そこには、日時や情景などが綺麗に記録されていた。
ウサギ達「うぅ……」
どうやら、認めざるを得ないようである。先程まで威勢よく否定し続けていたが、弱気になるしか他ならなかった。そして、雄一達はこの画像により、機械を破損させた以外の事も分かっていた。
不藤雄一「機械を破損させた以外に、家の中を派手に散らかしてくれたみたいなのだが?」
???F「そ、それは機械から逃げている最中に!!」
ウサギミニ達「そーだ、そーだ。」
不藤雄一「あ、機械を破損させた事は認めたな?」
ウサギ達「あ……。」
証拠を見せられた上に上手く誘導にのせられるウサギ達の図である。しかし、それを振り払うようにウサギ達も対抗する。
???G「だいたい、モノをそこら辺に無防備で置いているお前達が悪いんじゃないか!!」
池谷和也「いや、それを盗みに来るお前達の方が確実に悪だ。」
冷静に池谷からの秒殺返しを受けるウサギ達。
???E「っていうか、防犯機械がいるなら、いるって言ってくれないと危ないでしょ!!」
人形作者「相手にばらしていたら、防犯グッズの意味が無いだろうがーー!!」
こりゃまた、冷静に返される。
???A「うぅ、ああ言えばこう言う。」
不藤雄一「そっくり、そのままお返しします。」
もはや、水掛け論みたいになって来ているような気さえして来る。すると、ここでようやく最後尾辺りにいたウサギが機械が停止している事に気が付く。そして、ヒソヒソとそれをみんなに伝言形式で伝えていく。雄一達はその事については、気づいてはいない。
そして、何故かここからの話は雄一達三人は目を瞑って彼らに反しだす。これは、ウサギ達にとって最大のチャンスである。
池谷和也「だいたいだな、オマーら家具がほしいならタウンに言って買って来い。」
不藤雄一「もしくは、自分達で材料を集めて作れば良い。まぁ、程度によるけど。」
人形作者「それをする際に規則さえ守っていれば、よほどの事をしない限り起こられないぜ。」
ウサギ達は彼らが説教的な話をしている最中に、そろ〜りそろ〜りと、足音を立てずに彼らの横を通過していき、雄一達の家の扉の方へと進んでいく。そして、後数10メートルに差し掛かった時だった。
人形作者「……分かったかッ、あれ!?」
彼ら3人が話を終えて目を開けたのだった。もちろん、さっきまで目の前にいたウサギの集団が姿を消しているのに気づかない者は一人もいなかった。そして、辺りを見回しながら話し出す。
不藤雄一「あいつら、どこに?」
人形作者「熱弁中に、逃げよったか。」
辺りを見回して見ても、なかなか彼らの姿が見つからない。そんな時、池谷が自宅の方向を見て指を指した。
池谷和也「あ、あそこにいる。」
不藤雄一「え?」
雄一と人形作者は、同時にそっちの方向を見る。すると、ウサギ集団がそろ〜りそろ〜りと自分達の家の中に逃げ込もうとしているのが見えた。
不藤雄一「あいつら、いつの間に?」
池谷和也「熱弁中に足音を忍ばせてとは、やってくれたな。」
彼らは、ウサギ達のこういう時に働く知能に関して呆れた様子であった。だが、このまま逃げられては聞きたい話も聞けないし、取られたモノも帰っては来ない。そこで、人形作者がある行動を取る。
人形作者「ゴルアアアァァァーー!!貴様ら、逃げるなぁぁーー!!」
ある行動とは、ただ単に大声で彼らに向かって叫んだだけである。それを聞いたウサギ達は、ビクッ!!と体が伸び、一瞬動きが止まる。そして、ふと我に返った時にパニックとなる。
ウサギ達「見つかったーー!!」
ウサギ達はパニック状態に関わらず、全力疾走で家の扉へと走っていく。すると、池谷は例のランチャーを何処からとも無く取り出し、とある場所に照準を合わせた。
池谷和也「はーはっはっは、逃がすかよーー!!」
≪ロケット・ランチャー≫
ドシュウゥゥゥッ!!
池谷は迷いも無く、ロケット弾を発射した。それは、大きくホーミングをし、自宅の扉の数メートル前に落下し、大爆発を起こすと同時にウサギ達を吹き飛ばしたのだった。
ウサギ達「うぅ……。」
ロケット弾の一撃をあびて、地面にはいつくばるウサギ達。その近くにランチャーを担ぎ近づく池谷。そして、扉の前には雄一と人形作者が立っていた。これで、もう彼らに逃げ場は無くなってしまった。
池谷和也「さーて、覚悟しろよ?」
???E「こ、こいつやっぱり鬼だ!!」
???F「この鬼人間!!」
池谷和也「止めろよ、ウサギ共ちゃんと名前があるんだからな?」
???A「そんな事を言ったら、僕らにだって名前はあるよ!!」
それを聞いて雄一達三人は驚きの表情を見せた。どうやら、名前が無く、ウサギであるという事だけだと思っていたようである。そして、たまらず聞いてしまう。
人形作者「お、お前らに名前あったのか!?」
???B「あるよ、失礼なーー!!」
不藤雄一「そうだったのか。」
???G「知っていないのなら、教えてあげるよ。」
3人「いえ、結構です。」
7匹のウサギ達「聞いてよ!!」
もはや、この会話はコントにしか聞こえてこない。
池谷和也「だって面倒だしな。」
7匹のウサギ達「面倒でも聞いてもよ!!」
不藤雄一「そこまで、言うなら聞いてやるから、落ち着きな。」
7匹のウサギ達「よし。」
人形作者「なら、早いとこ自己紹介してくんなさいな。」
ここまで会話が進むとウサギ達の自己紹介が始まるのであった……
プラウサー「僕の名前は、プラウサー。みんなをまとめるリーダー的な存在さ。」
マイウサー「僕の名前は、マイウサー。プラウサーをフォローする副リーダー的な存在さ。」
ピラウサー「そして、僕は、ピラウサーだよ。」
パチウサー「僕は、パチウサーっていうのさ。」
ロルウサー「僕は、ロルウサーだね。」
チェリウサー「僕は、チェリウサーっていうんだよ。」
ルリウサー「そして、僕は、ルリウサーさ。」
3人「ほ〜う。」
7匹のウサギ達の自己紹介は、以上であった。ちなみに、前回から見ていただいている人のために言っておくと、上から順に???A〜???Gというキャラクター名に当てはまります。
さて、ここで終わりだと思っていると、彼らはまだ話を続ける。
プラウサー「そして、僕らの後ろにいて、僕らよりも少し背が低くて、シッポに宝玉がついていなくて、シッポが尖ってなく丸まっていて、方耳がペタンってなっている、このみんなはミニウサーって言うのさ。」
ミニウサー達「よろしくねー。」
3人「お、おう。」
何故だろうか、ミニウサー達の事だけ、かなり詳しくプラウサーは言っていた。まぁ、気にしないでおくとしよう。
ちなみに、ミニウサーはウサギ達以外では判別手段が無いため今まで通りに語尾にAなどが付けられるようである。……これは、あくまでも表記される時だけの話です。
以上で、彼らの話は終わった。
……と、思いきやまだ残りがあったようである。
プラウサー「そして、この全員合わせて、僕らの名前は……!!」
ウサーズ一同「ウサギのキャラクターチーム『ウサーズ』だ!!」
3人「…………………………はい。」
ようやく、自己紹介的なモノが終わったらしい。ウサーズ全員は、キッチリとポーズをとっていたのだが、彼らの反応は、語尾の後に「そうですか。」と付けたい様な感じで「はい。」であった。もはや、長すぎてどうでもいいやという思いが強いようである。
ちなみに、補足をしておこう。ウサーズとは、7匹のウサギ達が揃っている状態がそうなのであって、7匹とミニウサー全員が揃っているのが、ウサーズでは無い。まぁ、ウサーズとミニウサー全員をまとめる時には、ウサーズ一同と書かせていただきます。
さて、話を戻すとしよう。
ピラウサー「あれ、どうしたの?」
チェリウサー「何だか、しーんとなってるよ?」
ルリウサー「きっと僕らのチーム名の可愛さに気を取られt……」
3人「それは無いッ!!」
秒殺である。すると、他のメンバーが問い続ける。
パチウサー「じゃあ、どうしてそうなっているのさ?」
池谷和也「いや、何かダサいチーム名だなって。」
ロルウサー「っんな!?」
人形作者「明らかに自分達の名前からチーム名を考えたかのような感じだよな。」
マイウサー「う、うるさいよ!!」
ミニウサー達「いじめるなーー!!」
不藤雄一「後ろの集団、はもってるよ。」
プラウサー「そんな事より、僕らは自己紹介をしたぞ。お前達はしないのか?」
確かに、そう言われてみればそうである。前回に池谷が一方的にいたぶりまわしていた時にも、雄一達は自分達の名前をウサーズ達には告げてはいなかった。
それを思ったのか、ため息をつきながら、まずは雄一が口を開く。
不藤雄一「俺の名前は、不藤雄一だ。この家の住民で主でもある。」
池谷和也「僕の名前は、池谷和也。この家の住民だ。」
人形作者「俺の名は、人形作者だ。この2人と一緒にこの家に住んでいる人型の人形ロボットだ。」
3人「以上ッ!!」
彼らもウサーズの7匹同様にざっくりと自己紹介を終了した。それを聞いてウサーズとミニウサー達はコクコクと頷いていた。そして、何やら思いついたらしい。
ミニウサーA「じゃあ、お前達は『ライバルズ』だね。」
3人「はぁ!?」
意味不明な呼ばれ方に思わず、声を上げてしまう3人。ライバルズ、何だろうかウサーズ達が思った感じをそのままチーム名にされた感が半端無いネーミングである。
ピラウサー「え?嫌なの?」
人形作者「いや、もう嫌と言う次元を通り越している。」
ルリウサー「どーゆーこと?」
池谷和也「簡単な話、超面倒に思えてきているのだが?」
ウサーズ一同「こらぁーー!!」
人形作者「あー、うるせぇな。」
すると、雄一は大きくため息をつき、話の内容を例の件について戻す事にした。
不藤雄一「それで、今日は何をしでかしてくれた?」
ウサーズ「げっ、覚えてた。」
不藤雄一「当たり前だろう!!」
いきなり、現実に戻されて、思わず体を一歩後ろにずらすウサーズとミニウサー達。それほど、戻られては嫌な内容であるらしい。
だが、お構い無しに雄一は何をしたのか、言うように何度も質問をする。
すると、この空気に耐えかねたのか、ミニウサー数匹が口を開く。
ミニウサーT「し、知らないもん。ぼ、僕らは何もしてによ?」
ミニウサーQ「そ、そうだよ。あ、怪しまれる事なんて何も無いよ。」
明らかに下手な嘘のつき方である。この時、雄一達は内心「嘘をつくの、へ・た・く・そ・かッ!!」と思っている程、簡単に見抜かれていた。しかし、ウサーズとミニウサー達はそれには気づいてはいない。もう、鈍感なのか天然なのか、それとも、ただの馬鹿なのか分からなくなってくる。
そして、彼らに向けて返される言葉はこうだった。
不藤雄一「そうか、それで何を盗んだんだ!?」
もはや、この質問を変える気など彼らにはもうとうも無いようである。ウサーズ一同は、再び後ろに一歩下がった。
ミニウサーV「あ、あいつらまだ聞いてくる。」
ミニウサーL「やってないって、言っているのに〜。」
人形作者「そんなら、証拠を出せい。」
ここで、根本的な提案が出された。証拠と言う言葉を聞き、戸惑うウサーズ一同。すると、プラウサーが両手を上へと挙げたのだ。反射的に他の全員がそれを真似する。
プラウサー「この通り、僕らは何も持っていない。」
確かに、この時彼らは家具に見えるようなモノは何一つ所持はしていなかった。では、話の初めの方に家具をあさっていたが、その時に回収したモノはどこへと消えたのだろうか。もちろん、機械達に追われていた彼らは、自分達の住処へ繋がる小さな扉に誰一人入ってはいなかった。つまりは、誰一人として住処へ戻ってはいないのである。
不藤雄一「まぁ、見た感じそのようだわな。」
チェリウサー「なら、見逃してくれるよね!?」
池谷和也「いや待て、何も持っていないのは本当か?どこかに隠しているんじゃねーの?」
ウサーズ一同(ギクッ!!)
どうやら、当たりのようである。しかし、それを池谷や他の2人に悟られないように彼らはそれを隠し通す。しかし、池谷から思いがけない一言が出るのだ。
池谷和也「じゃあ、1匹ずつ撃ちのめしてみますか!!」
ウサーズ一同「はぁ!?」
彼らは何を言っているんだコイツ。と言わんばかりのような反応を見せた。池谷が嫌なのかと聞くと、反論こそはしないが彼から目を背けて、ミニウサー数匹がこそこそと喋りだす。
ミニウサーP「ねぇねぇ、あいつ僕らを撃ちたいだけなんじゃ?」
ミニウサーK「それ以外、ありえないよね。」
ミニウサーY「でも、それをされると色々と困るよね。」
池谷和也「何をごちゃごちゃと言ってるんだ?」
ミニウサー達「何でもない!!」
しかし、ここで一つ気になる事がある。撃たれたら困るという事が、自分達が痛い目に遭うという意味であれば納得がいく。だが、彼らは色々と困ると話していた。それ以外にも何かマズイ事があるのだろうか。
池谷和也「話す事が無いなら、オマーら撃ちのめしてやるよ。」
池谷は、お構い無しに持っていたランチャーの弾をリロードしてウサーズのいる方にそれの銃口を向けた。そして、その直後に不穏な感じしかしない銃口のキラリという光がここにいる全員の視線に入った。
そして、池谷はランチャーのモードをロケット弾発射から、ガトリング砲発射へと切り替えた。……おいおい、どう改造したらそれになるんだよ。
そんな事は、これを作った張本人にしか分からない事である。
池谷和也「さ〜て、一斉にお陀仏にしてやんよ。」
池谷はランチャーのスコープを覗き込む。スコープには、既にウサーズとミニウサー全員がロックオンされていた。それを見て彼はニヤリと笑う。
人形作者「アイツも、そこそこ悪だよな。」
不藤雄一「まぁ、本人は気づいていないし、あれが正しいと思っているから。」
この二人も池谷の言動には少々呆れている面もあるようであった。まぁ、言ってもそれは否定されて受け入れられないだけという事が今まで続いていたので、指摘する事はもう諦めているようである。
池谷和也「さ〜て、冥土への土産だ。全弾、受け取りな。」
ウサーズ一同「あわわわわわわわわわわ……(焦り)」
ウサーズとミニウサー達は、あたふたあたふたと自分達のいる周辺を走り回る。これは、回避行動ともなりうるし、射撃者からしては、ムカつく行動でもある。しかし、池谷は自分が獲物と認識したものには、何があっても諦めようとはしない性格のようである。まぁ、諦めを知らないに近い人間なのだろうな。
池谷和也「さよなら〜〜。」
ウサーズ一同「うぅぅぅぅぅ……うわあああーー!!」
池谷が引き金を引こうとしたその時、この空気とランチャーで撃たれる事に絶えられなくなったのか、ウサーズとミニウサー達は隠し持っていた家具を何処からとも無く辺り一面に放り投げた。その数は、約70には近かっただろう。
3人「なっ!?」
雄一達は、予想していたよりも多く取られていた事に驚いていた。そして、その隙に彼らは全力で自宅の中へと逃げ込んで行き、例の小さな扉の中へと入って行った。ちなみに、3人は投げ散らかされた家具の量に見とれていて、扉に入って行ったところまでは見てはいなっかたのであった。
そして、3人が家具を集め終えて、周囲を見ると当たり前だが、ウサーズとミニウサー達の姿が消えていたのだった。
池谷和也「くそ、逃げられたか。」
地面を蹴って本気で悔しがる池谷。
人形作者「まぁ、家具は帰って来たから問題なくね?」
不藤雄一「それよりも、家の中に逃げていったという事は、本当に家のどこかに住み着いているようだな。」
雄一がそう言い終えると、彼ら3人は自宅を眺めた。そして、謎の沈黙が数秒間続いた末、ふと思い出した。自分達が朝に話していた内容を。
不藤雄一「そういえば、朝……あのウサギが小さな扉から出てきたとか言ってなかったっけ?」
人形作者「おう、家の中にある小さな扉から出てきたな。」
池谷和也「じゃあ、そこがあいつ等の住処へと繋がる扉なんだな?」
人形作者「そうなんじゃね?」
すると、彼らは迷うこと無く、自宅の中へと戻りそれを探した。人形作者は朝、そこから出てくるのを見ているので、簡単に扉を見つけた。そして、2人をその場に呼ぶ。
人形作者「ほれ、これが小さな扉な?」
池谷和也「どいてみ、僕が開けてみよう。」
池谷は、人身満々のようにドビラを押したり退いたりスライドさせたりと試みるが、全くもって効果が無かった。
不藤雄一「これ、俺達じゃ開かないとか?」
池谷和也「素手が駄目なら、ランチャーだ!!」
他2人「マジかよ!?」
池谷は、迷い無く発砲する。雄一と人形作者はそれを緊急的に回避する。ロケット砲は見事に扉にのみ命中した。しかし、扉は無傷であり、開いてもいない。
不藤雄一「やはり、俺達では開かないのでは?」
池谷和也「なら、せめて穴ぐらいは開けれるだろ?」
すると、池谷はポケットからドリルを取り出した。そして、コードをコンセントに指し込み、それを起動させる。そのまま扉に差し込もうとするが……
ガキンッ!!
ドリルの部分が弾き飛ばされた。
人形作者「池谷、もう諦めろ。」
池谷和也「そうしますか、成功すると思ったんだけどなぁ。」
不藤雄一「まぁ、そのうち何回も向こうから出てくるだろうから、その時に聞けば良いだろう。……覚えていればな。」
そして、この事から彼らはこれ以上の無駄な追跡は止めて、今日はゆっくりと過ごすことにしたのであった。
ちなみに、ウサーズ達はというと……
パチウサー「ふぅ、今日は収穫ありだね。」
ルリウサー「そうだね、あいつ等があんな策に嵌るなんてね(笑)」
ミニウサー達「あはははははは!!」
彼らは、複数の家具を目の前に並べてワイワイ笑っていた。どこにこのような家具があったのだろうか。あの時、奪った家具は、全て放り投げたのではなかったのだろうか。
しかし、そのような疑問が浮かべられるのは、ほんの一瞬だけであった。なぜなら、彼らが家具を入手した方法はすぐに彼らの口から理解できたからだ。
ロルウサー「ホントに上手く行ったよね、要らない物を囮にして、ほしい物だけを持って買えるって作戦。」
チェリウサー「うん、これは良い作戦だよ。」
ピラウサー「でも、出きれば持っていた物を全部持って帰りたかったなぁ。」
お前達は盗賊かよ。まぁ、そうは言っても彼らにこの言葉は聞こえてはいないだろう。そして、彼らは今後の作戦のようなモノを練り始める。
マイウサー「よし、今後はこの表に書いてある事を目標に頑張って行こう。」
ミニウサー達「おぉーー!!」
プラウサー「よーし、みんな今日は解散。自由にしていいよーー。」
どうやら、何かの会議だったらしい。それが終わった後、彼らは持ち帰ってきた家具を自分達の生活用品として使い、有意義な時間を過ごすのであった……
えっと、ウサーズのポーズを決めているシーンに関してですが、方耳が曲がっているのが、ミニウサーなのですがそれ以外に7匹いると思います。内容的にお分かりでしょうが、彼ら7匹がウサーズなのです。
ウサーズの見分け方は、シッポの宝玉の色しか無いので、挿絵では分からないでしょうが、ご了承ください。
まぁ、後にウサーズとミニウサーの違いの比較がされるでしょうので、彼らの見方の違いについては、それで極力「あー、そうですか。」的な感じの軽い理解をしてあげて下さい。
でわ、次回作をお楽しみに。
でわでわ……