第1話『3人の住民と7匹のウサギ達』
今回は、初回の話です。
まぁ、書き方はおかしな書き方でやっていこうと思います。
そして、今回の作品には一つの話しに挿絵が何回か入ります。
もし、よろしければ作者の低知能画力も笑ってやってください。
ちなみに、キャラクターはオリジナルで書いてみましたが、どこかで見た事あるような感じになってしまいましたが、ご了承ください。
さて、初回の話をどうぞ。
ここは、色々と凄いという噂のエキサイティングタウン……
それの近くにあるかなり広い草原内にある1件の建物の中。明らかにポツンと建てられていて、誰も住んでいないような物件だが、この建物にはちゃんと人が2人+キャラクター的なのが1人、合計3人の住民が住んでいる。
彼らはいつもの事らしく暇そうにしていた。でわ、この3人の事について説明しておくとしよう。
のんびりとテレビを見ている青年、彼は不藤雄一という彼は刀の扱いがよく慣れているらしい。そして、絶え間なく銃の手入れをしているのが、池谷和也で分かるかのように、彼は銃を使った行動に自信があるようだ。そして、クッキーの型でよくあるような人型のキャラクターは人形作者という名前である。
人間とキャラクターが共に共存している、この事自体が珍しい事なのだろうが、このエキサイティングタウンではそのような事は当たり前の事らしい。
まぁ、前置きはこのくらいにしておいて、話に入って行くとしよう……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
不藤雄一「あー、暇だな。何かやる事ないかな。」
池谷和也「無いんじゃね?まず、この家に来る人って大抵が宅配業者や集金でしょ?」
人形作者「言われてみればそうだよな。」
会話から分かるように彼らは暇つぶしをしている。しかし、あまり効果的には進んでいないようである。そして、3人は互いにこの状況を打破するような意見を言い合うのだった。しかし、全くと言って良いほど最善の案が出てこない。
すると、会話を始めてから数十分ぐらいが経過した時だった。
ガサゴソ……
3人「ん?」
家のどこからか音がしたのだった。それも、一度に複数の違う音が聞こえてきた。どうやら、同じ時間内に何かが同時に動いたようである。
池谷和也「何の音かな?」
人形作者「見に行くか?」
不藤雄一「誰が行く?」
他2人「あ〜、どないしよ。」
いやいや、3人で行けばいいだろうに。何故、わざわざ一人に行かせようとするのだろうか。しかし、彼らの頭にはそのような考えはなかったようでこのまま話が進んでいく。
そして、またも色々と意見を出し合う3人。その結果、最終的には……
池谷和也「じゃあさ、ジャンケンで決めようぜ?」
不藤雄一「まぁ、それなら文句なしだろうしな。」
何だろうか、3人の中に進んで見に行こうと思うのはいないようである。むしろ、見に行くのが面倒だとか嫌だという方が自然のようだった。そして、ジャンケンのルールが話される。
人形作者「じゃあ、ジャンケンで一番最初に負けた奴が負けな。」
他2人「了解。」
簡単な話、一番に勝利するか最後まで残った人の勝利という条件である。普通のジャンケンと何かと違うが面倒なので突っ込むのは止めておくとしよう。そして、ジャンケンが始まる。3人は互いが見えあうように立ちかまえる。
3人「最初は……」
普通通りにジャンケンの掛け声がされる。しかし、この後このジャンケンはおかしくなっていく。
不藤雄一「チョキ!!」
池谷和也「グー!!」
人形作者「パー!!」
彼らが掛け声の後に出したのは、この通りだった……。
3人「……。」
数秒間、この部屋内に沈黙の空気が漂った。そして、そのあと……
池谷和也「オマーラ、ちょっと待てぇ!!」
池谷の猛撃な突っ込みが入るのである。だが、彼が突っ込みのは間違ってはいないだろう。今回のジャンケンの合図「これは、お・か・し・い。」からである。
しかし、彼以外は平然と池谷の方を見る。
人形作者「ん?」
不藤雄一「何か問題でも?」
この2人は今、自分たちが何をしているのか分かっていないようなようであった。そこに彼からの猛烈な突っ込みが炸裂する。
池谷和也「いやいやいやいやいや、お前ら最初に何だしてんの?」
他2人「え?グーだけど……?」
池谷和也「嘘つけぇ、自分たちの手を見てみろ!!」
他2人「いや、グーじゃないか。」
彼らはさっきまでチョキやパーにしていた手をさりげなくグーにした。しかし、それは池谷にはバレバレの行為であった。
池谷和也「何直してんだよ、バレバレだからな?」
不藤雄一「やっぱり?」
池谷和也「分かっていたんだな、お前は。」
どうやら、確信犯のようである。
池谷和也「ジャンケンのルール知っているよな?ズルした奴も負けなんだぞ。」
つまり、池谷が言いたい事は、ズルした2人が一番最初に負けたから2人が見てこいという事である。ルールを守っていた自分は解放されたということだ。すると、人形作者が開き直る。
人形作者「待て待て、そもそも最初に一番最初に負けた奴が見に行くなんて、誰も言ってなくね?」
池谷和也「え?」
それを聞いて雄一と池谷は表情をキョトンとさせた。彼らは脳内で「何を言っているんだ、コイツは。」と、そう思っていながらそれを聞いていたのだった。そして、人形の弁論は続く。
人形作者「負けたら、見に行くんじゃなくて。負けたら、負けだという決まりだったんだよ。」
でわ、回想するとしよう。それは本の数分前の事だった……
〜回想シーン〜
池谷和也「じゃあさ、ジャンケンで決めようぜ?」
不藤雄一「まぁ、それなら文句なしだろうしな。」
人形作者「じゃあ、ジャンケンで一番最初に負けた奴が負けな。」
他2人「了解。」
〜回想終了〜
人形以外「……。」
人形作者「言っていただろ?」
池谷和也「確かに。」
これは、認めざるを得なかった。なぜなら、自分達はその言葉を聞いて了承していたという事が記憶の中にしっかりと残っていたからだった。すると、ここで話が現実に戻っていく。
不藤雄一「じゃあ、結局どうします?」
池谷和也「見に行かないという訳には行かないしな。」
人形作者「はて、どうしたものか。」
そして、考える事、数分後……
不藤雄一「よし、全員で見に行くとするか。」
雄一の提案に池谷はあきれていた。そして、その理由がこれだった。
池谷和也「何故、その提案を一番最初にしなかった?」
不藤雄一「盲点だった。」
池谷和也「嘘つけ。」
不藤雄一「嘘ですけど、何か?」
池谷和也「……。」
どうやら、「何か?」返しには上手く池谷は対応できないようである。すると、微妙な間が空いた後、人形作者がそうするように彼らを促した。彼らも先ほどの提案通りに動くことにしたのだった……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
3人は、家の中で例の音がした辺りまでやって来た。そこは倉庫だった。そして、倉庫の扉に手を当てた池谷がその扉を見て何かの異変に気付く。
池谷和也「あれ、何でだ?」
人形作者「どないした?」
池谷和也「いや、これを見てみ?」
彼が指を指したところを雄一と人形作者はじっと見つめた。すると、倉庫のカギが破損しているのが分かった。そして、雄一がある事を思い出して話し出す。
不藤雄一「そういや、この倉庫のカギは数日前に新品に変えてもらっていたはずなのだが?」
人形作者「そういや、そうだな。」
池谷和也「だろ、なのに破損しているっておかしくないか?」
彼らが不思議に思うのは当たり前だ。彼らの言うように倉庫のカギは数日前にとある業者に取り換えてもらっていて新品だった。しかし、それが破損している。さらには、カギを取り換えてからは、この倉庫はまだ一度も彼らには使用されていないのだ。
つまり、さわってもいないはずの新品である倉庫のカギが勝手に破損しているのは、明らかにおかしい事である。
池谷和也「泥棒かな?」
不藤雄一「それだったら、業者からもらった機械で撃退されているだろう?」
人形作者「じゃあ、元々建物内部ならの移動しか不可能でね?」
不藤雄一「それなら、可能なのだが、俺たち以外にこの建物に住んでいる人はいないはずだよな?」
池谷和也「いたら、流石に気づくでしょうな。」
3人「う〜ん。」
これの犯人が分からず、途方に暮れる3人。実はこの時、物陰から数匹のウサギの形をしたシルエットが彼らの様子を伺っているのだが、3人はそれに気づいてはいないようだった。
そして、そう理解した7匹のシルエット達はこっそりと彼らの後ろを通り抜けようと動き出すのである。
池谷和也「幽霊とかだろうかな?」
不藤雄一「この建物のある位置からしていそうだが、それは俺達は信じないからな。」
人形作者「うぬぬぬぬぬ〜〜……そこかぁ!!」
ブオォォォンッ!!
7匹のウサギ達(ひいいいぃぃぃーー!!)
すると、ここでいきなり人形作者が近くにあったブーメランをウサギ達の方に向かって投げ飛ばした。そして、戻ってきたブーメランをキャッチした。
池谷和也「急に何してんだよ、驚くだろうが。」
人形作者「よし、蚊を仕留めた。」
不藤雄一「ブーメランで?」
人形作者「んだ。」
おいおい、ブーメランで蚊を仕留めるとかどこの修行僧だと言いたくなってくるが、言わないでおこう。だが、人形はこんな行為をしたのだが、彼はウサギ達に気付いていて投げたわけではなかったようだった。
ウサギA(危ないなぁ、何をするのさ〜。)
ウサギB(当たったら、怪我するよあんなの。)
彼の突然の行為にウサギ達も驚きを隠せてはいなかったようである。しかし、そのような話をヒソヒソし終えるとすぐさま、彼らに気づかれないように移動を再開する。それと、同時に……。
人形作者「ふんがぁぁーー!!」
ブンッ!!
……ガシャーーン!!
7匹のウサギ達(のわあああぁぁぁーー!?)
人形作者が、近くにあった椅子を彼らのいる場所辺りにバックスローした。これも、彼らは上手く回避した。そして、人形作者を睨みつける。
ウサギC(アイツ、さっきからポンポンと!!)
ウサギD(僕らを殺す気なの!?)
ウサギE(あれだけでも、黙らせる?)
ウサギF(駄目だよ、気づかれたら意味ないよ。)
ウサギG(そうだよ、あんなのには構う必要ないよ。)
彼らは再び移動を再開する。この時、人形作者は雄一と池谷にさっきから何で物を投げまくるのかと、尋問されていた。そのため、今度こそ上手く行くと思われたが……
人形作者「ぬぅぅぅおぉぉぉーー!!」
またも、人形作者が彼らのいる方向に向かって今度はボウリングの玉を投げつけた。
7匹のウサギ達「え!?」
ブォンッ!!
……ガコーン!!
7匹のウサギ達「うわあああぁぁぁーー!!」
それは、見事にウサギ達に命中し、辺りにあった物をもすっ飛ばしていた。まさに、違う意味のストライクである。それを知っての上か、彼は「グッ!!」と手を握り締めてガッツポーズをしていた。
池谷和也「いや、グッ!!……じゃねーから!!」
不藤雄一「しっかし、派手に飛ばしたなぁ……。」
人形作者「まぁ、気配がしたからな。」
他2人「気配?」
どうやら、人形作者は気づいているようだった。あの7匹のウサギの存在に。人形作者は、彼らの存在に気づいていない2人に存在を教えるためにある方向を指差した。
池谷和也「ん?煙が立っていて何も見えないけど?」
人形作者「まぁ、暫し待たれよ。」
彼の言うように、暫し待ってみると立っていた煙が晴れてきて、7匹のシルエットが見えてきた。それを見ておもわず目を凝らす雄一と池谷の2人。
7匹のウサギ達「けほっ、けほっ……。」
不藤雄一「おいおい、アレは……」
池谷和也「ウサギでね?」
そして、徐々に煙が晴れていく。先程まえ薄っすらと見えていたシルエット上の生物達がくっきりと彼らに見えてきた。さらに、煙が完全に晴れると彼らの全体像が目に入ってくるのだった。
不藤&池谷「あー、ウサギだな。」
7匹のウサギ達「!?」
ここで初めて彼ら全員が互いの顔を見る。そして、数秒間の沈黙が続く。そうなってから、数秒後……
7匹のウサギ達「うわあああぁぁぁ!!見つかったーー!?」
ピュ〜〜〜ン!!
彼らはパニック状態になったのだろうか。もの凄い慌ててこの建物内を走り回った。床の上や壁を走ったり、天井を走ったり、空中を走ったりと、明らかに漫画でありそうな光景が目の前で繰り広げられる。
池谷和也「なぁ、これ色々と凄くないか?」
不藤雄一「あぁ、どこの漫画の光景だよ。」
人形作者「まぁ、これも小説の世界の話なんだがな。」
彼らのパニック状態を見つつ、冷静にあのような事を暴露する3人。そして、彼らを見続ける事数分後。7匹のウサギ達は何故か元の咳き込んでいた位置に再び集結し、互いの顔を見て落ち着いたのかと思いきや……
7匹のウサギ達「うわわわ、どうしよう〜〜!!」
そのように叫びつつ、そこを中心にあたふたあたふたと走り回りだした。これには、3人も何も言えないほど対処方法に困り果てていた。そして、ここで池谷がふと思う。
池谷和也「そういや、何であのウサギ共は慌てているんだ?」
不藤雄一「見つかったとか、言ってなかった?」
人形作者「どうやら、見つかったのが原因のようだぜ?」
人形作者は彼らの持っている物を指差した。無意識的に2人はそっちの方を見る。すると、彼らの視界に入ってきたのは、自分達の家にあった家具であった。
池谷和也「あいつ等、ウチの家具を体の後ろの隠していたのか!!」
7匹のウサギ達「あ……。」
この語尾に「バレた。」と付けたそうな感じの声を彼らは漏らした。そして、さっきまであたふたしていた自分達の動きをピタッと止めたのである。
人形作者「こぉんの、泥棒猫がーー!!」
不藤雄一「いや、ウサギな?」
冷静に突っ込みを入れるが、彼の声は人形作者には届いてはいない。彼は、そのままウサギ達に向かっていった。すると、ウサギ達は悲鳴を上げつつ、家の扉を開けて外へと逃げていく。
人形作者「待てや、コルアァァーー!!」
家から飛び出て草原を走るウサギ達、少し遅れて彼らを追いかけに出る3人。そして、家を出るとすぐさま人形作者は両手を腰辺りに構えてエネルギーを集中させる。
それが、溜まり切ると一気に粒子状の光線を発射した。
人形作者「くらえやーー!!」
≪サンダー・スクリュー≫
ギュオォォォンッ!!
ウサギD「うわあああ、何か撃ってきたーー!?」
ウサギF「避けないとッ!!」
スドーーンッ!!
7匹のウサギ達「うわあああーー!!」
彼らは体を前方へと倒し攻撃を何とか回避する事に成功した。しかし、その避け方が彼らを逆に追い詰める。彼らが、顔を上げると自分達は3人に囲まれていたのだった。
不藤雄一「流石にもう逃げられないだろう?」
7匹のウサギ達「うわわわわわ……。」
池谷和也「大人しく、取った物を返してもらおうか?」
池谷は、威嚇するかのように彼らに愛用のランチャーの銃口を向ける。それを見て、彼らはおびえるが、そんな状況にも関わらず、彼らは取った家具を自分達の背中の後ろに隠している。そして、池谷の言葉には大きく首を横に振ったのだった。
池谷和也「よし、分かった。こいつ等、撃ちのめして良いか?」
池谷は、ランチャーのモードをロケット砲に変えてレバーを引いていつでも発射できるようにして、顔だけ雄一の方を向ける。すると、彼は軽くため息をついた。
不藤雄一「コイツは気が短いから、認めたほうが身のためだと思うけど?」
ウサギB「だ、誰が認めるもんか!!」
不藤雄一「言っておくが、人形が放った攻撃は実力で回避できたのではなくて、少々狙いを人形がずらしていただけだ。」
ウサギC「つ、つまり……。」
人形作者「そうさ、あれはただの威嚇だ。家具をすんなり返させるためのな。」
不藤雄一「けど、そうしなかったから、こうなっているのさ。」
草原の真ん中で、家具についての揉め事が続く。
不藤雄一「とりあいず、取った物を返しな。そうすれば、池谷も撃たないだろうし。」
池谷和也「まぁ、考えるよ。」
ウサギG「いやだ、これはもう僕らのだ。」
ウサギA「そうさ、僕らが触れたんだから今の所有者は僕らだ!!」
すると、雄一は大きくため息をついて、頭に手を当てる。これは、完全に呆れている状態である。
不藤雄一「お前ら、所有権は分かっているのか?所有権っていうのは、確かに新たに他の人が物を持てばその人に権利は移る。」
ウサギF「なら、問題ないよね?」
不藤雄一「ただし、それは前所有者が許可した時のみに限定される。例外なのは、買い物で手に入れる事ぐらいじゃないか?」
ウサギE「何が言いたいのさ!?」
人形作者「つまりは、その家具をやると俺達は言っていないのに、自分の物だと言い、気づかれない間に持ち去るってのは、盗みと同じだと言いたいんだよ。」
ウサギB「僕らは、ただ単に自分達がほしいものがお前達の家にあったから、持って帰ろうとしただけだ。お前達に気づかれたら、面倒だからな。」
不藤雄一「それを、盗み行為と言うのだがな。」
ここまで話していると、雄一の隣にいる池谷がもう我慢の限界のような感じで引き金を引こうとしていた。それを感じた雄一が彼らに語りかける。
不藤雄一「なら、泥棒は認めないと?」
ウサギC「当たり前さ、僕らは泥棒じゃない。」
ウサギE「そんな真似もしない。」
池谷和也「その口が言えるんだよ、もうすっ飛ばすから覚悟しろ!!」
7匹のウサギ達「あわわわわわわ……。」
池谷が完全に引き金を引こうとした時、雄一がそれを止めた。
池谷和也「おいおい、邪魔する理由は無いだろ?」
不藤雄一「いや、まだ彼らには聞きたい話がある。」
人形作者「おう、それは俺も同じだぜ?」
池谷和也「なら、さっさと済ませろよ、終われば撃つからな?」
人形作者「へいへい。」
雄一と人形作者が彼らに近づいた。ウサギ達は一歩後ろに下がった。しかし、その移動のせいで自分達の背中がぶつかり合い、その場に腰を落としてしまった。そして、ガクガクしながら、よって来た2人を見つめる。
不藤雄一「なぁ、お前達に聞きたい事がある。」
ウサギA「な、な、な、何さ!?」
人形作者「お前達は、いつから家に住み着いていやがった?」
ウサギA「す、数日前からさ!!」
人形作者「それにしては、気づかなかったが?」
不藤雄一「どこの部屋に潜んでいたんだ?」
ウサギA「そんなの、教えるわけ無いでしょ?教えたら、攻撃してくるじゃないか!!」
どうやら、返事の仕方的に、彼らの家に住み着いている事に関しては否定していないので、そこは正解のようである。しかし、場所までは言えない、そういう感じの話し合いとなった。
不藤雄一「そうか、聞きたい事は以上だ。」
雄一と人形作者は彼らの元から徐々に去っていった。そして、彼らが十分に自分達の家の中に逃げられるように退路まで開けたのだ。
すると、彼らは目をキラキラさせて、すぐに立ち上がった。
ウサギC「僕らを見逃してくれるの?」
不藤雄一「あぁ、そうだな。」
人形作者「少なくとも、俺達はな?」
7匹のウサギ達「どういう事?」
すると、雄一は池谷の方に目線を向けた。7匹のウサギ達もそっちの方に目を向けたすると、ランチャーの銃口が明らかに自分達の方に向けられていたのだ。どうやら、池谷は許していないようだった。
彼は許さないというよりも、何かと気に食わないのか分からないが、とりあいず、もう彼らを撃ちのめす以外には考えていないようだった。
池谷和也「さ〜て、話も終わったから制裁を加えてやりますか。」
そして、ついに池谷は攻撃を開始した。
≪誘導性・ロケット砲乱射≫
ランチャーから発射された無数のロケット弾が彼らを追尾していく。必死に逃げる彼らだが、この機動性には適わなかったようである。
ズトーーーン!!
7匹のウサギ達「ぎゃあああぁぁぁーー!!」
見事に、全弾命中したようであった。その威力は凄まじいモノだったのだろう。もの凄い大きな爆発音が辺りに鳴り響き、彼らを攻撃し、そして辺り一体を焼き払っていた。ちなみに、その攻撃に撃たれたウサギ達はその辺りに伸びていた。
不藤雄一「全く、もう少しぐらい手加減とか出来ないのか、お前は!!」
池谷和也「え〜?だってさ、未知の相手に手加減はいらないし、オマーらなら、防ぐって分かっていたからさ〜?」
人形作者「お前、殺人鬼かよ……。」
池谷和也「いやいや、どんな方法を使ってでも目標を鎮圧しただけだよ。」
これは、殺人鬼というよりは軍人の端くれと言った方が過言ではないような気がしてきてならないな。まぁ、そんな事はどうだって良い。問題は例のウサギ集団である。どうやら、まだ意識はあるようであった。何故、そう言えるかというと、彼らは伸びつつも倒れている場で何やら会話をしていたからである。
ウサギC「あいつ……鬼だ。」
ウサギF「酷い奴だよ……。」
ウサギG「非道だよ、あれは……。」
スドーーン!!
7匹のウサギ達「うわあああぁぁぁーー!!」
彼らが池谷の陰口を叩いていると、もう一撃がウサギ達に加えられた。もちろん、攻撃を加えたのは殺人鬼と言われていた池谷である。そして、攻撃が命中後、7匹はその場に倒れこんだ。
7匹のウサギ達「痛いよ〜〜……。」
池谷和也「オマーらが悪いんだよ、罪を認めないし、陰口をたたくから制裁しただけだっての。」
7匹のウサギ達「だって、本当の話じゃなっ……」
スドーーン!!
7匹のウサギ達「ぎゃあああああ!!」
池谷は台詞を最後まで言わせる事なく、そして何の躊躇もなく再び彼らにロケット砲をお見舞いする。もはや、彼らの体にはそれによる焼き跡のようなモノや傷が無数に出来ている状態だ。
今やウサギ達は、ピクピクというようにしか体が動かせないほどのダメージを追っているようでもあった。それを見た池谷が獲物を捕らえるかのような表情で、ランチャーを背負って彼らに近づいていく。
池谷和也「さ〜て、覚悟しろよぉ?どういてもうたろうかなぁ〜。」
7匹のウサギ達「ふえ〜ん、助けてよぉーー(泣)」
短い両手を縦にブンブン振りおお泣きして命乞いをするウサギ達。池谷は表情を変える事無く、彼らにどんどん近づいていく。
人形作者(あー、駄目だあれは何とかしないと。)
不藤雄一(もう無理だろ、自分の行動が正しいと思い込んで行動している野蛮人の状態だよ、これは。)
もはや、この二人も止める事に関しては諦めていた。むしろ、殺人鬼だという事を強調しているかのようにも思える語り合いでもある。
こんな事をしている間にも、池谷とウサギ達との距離感はどんどん縮まっていく。そして、数十秒後には彼のランチャーがウサギ達の目の前にまで迫っていた。
池谷和也「さぁ、この距離なら避けられないよな?」
池谷の構えているランチャーの銃口がキラリと光る。もうその輝きからは不穏な空気しか感じられない。
もはや、ウサギ達は声も出せない。その状態で互いの体にしがみつき合いそして、顔をブンブンと横に振って撃つのを止めてほしい事を強調しているようである。
だが、彼がそんな事に構う事は無かった。
池谷和也「そうか、そんなに撃たれたいんだな。」
他全員(このゲス野郎がぁーー!!)
これぞ敵同士で意見が合う瞬間でもある。だが、あえて否定しておこう。この場合だとゲス野郎よりも、ゲスの極みの方が良いのではないだろうか?……まぁ、この際はどうでもいいのだがな。
池谷和也「じゃ、お前らもここでジ・エンドだ。」
まだこれだけしか出てきていない彼らに対して、長年の因縁があるかのように言う池谷。そして、そのままゆっくりと引き金を引いていく。いつ発射されるか分からないという恐怖がウサギ達を襲う。そして、今に発射されそうになったその時……!!
ドーーンッ!!
空から何かが降ってきた。
???「よう、今日も売り出しに来たぜ?」
人形作者「おぅ、誰かと思えば。」
不藤雄一「上田さんじゃないですか。」
空から降ってきたのは上田何作という天才発明家である。彼は定期的に彼らの家に(様々な方法で)やって来て自分の製作品を売りに来ている商業人である。まさか、今回はこのタイミングで来るとはな。
まぁ、これにより池谷の照準は狂い、ウサギ達が落下の時に発生した煙で姿が見えなくなっていた。よって、彼らは撃たれてはいない。そして、煙が晴れた頃には「逃げろーー!!」と叫びながら、雄一達の家の中に走りこんで行っていた。
池谷和也「ちっ、逃げられたか。」
残念そうにランチャーを収縮してポケットにしまう池谷。
上田何作「ん?どうかしたか?」
池谷和也「いえ、特には。」
上田何作「そうか。なら、俺の作った作品を見てくれよ。」
そして、彼らとの戦い的なモノは終わり、ここからは上田さんの商売の消費者と彼らはなる事となった。上田さんは、黒い幕を商品の紹介台の上に被せて数秒間待つと、それをバサッとどけた。すると、さっきまで何も無かった机の上にいくつかの商品が並んでいた。
でわ、いきなりですが、始まります。
上田何作「どうも、上田何作の発明品公開コーナーです。今回紹介するのは、以下の商品です。」
一、硬貨金貨雑貨変換全自動自動販売機(こうかきんかざっきへんかんぜんじどうじどうはんばいき)
二、超高速長遠距離無限電波自動発生機能付糸電話(ちょうこうそくちょうえんきょりむげんでんぱじどうはっせいきのうつきいとでんわ)
三、高電線感知装置付監視機械
三人「漢文かぁーー!?」
上田何作「この三つを紹介するぞ?」
人形作者「スルーするー。」
上田さんはこういうような感じの人らしい。そして、若干上手く行ったネタも軽くスルーするというね。すると、ここでほとんどの人が思うであろう事を池谷が口にする。
池谷和也「っていうか、作品の名前はもう少しどうにかならなかったんですか!?」
上田何作「……と、言いますと?」
どうやら、理解していないようである。こういう時は池谷の誘導(?)トークの出番である。
池谷和也「だから、あれだと漢文みたいで長いから言いにくいし、読みにくいんですよ。」
上田何作「ほうほう。」
池谷和也「それで、もう少し短い名前にならないんですかという事ですよ!!」
上田さんは少しの間考え込む、そして返事を返す。
上田何作「なるよ。」
三人「なるんだ。」
上田何作「暫し、待たれよ。」
上田さんは先程の商品名を書かれていたプレートを片付けて他のプレートにマジックで商品名を書いた。そして、それを彼らに提示する。
一、物々交換自販機
二、無限電波糸電話
三、高性能監視装置
人形作者「おー、これは……。」
不藤雄一「か、かなり省略されたな。」
これを見て呆然とする三人。しかし、それに関係なく上田さんは話を進めていく。
上田何作「−で、買ってほしいと言っても性能を教えないと駄目だから説明していく。」
三人「は、はぁ。」
もう彼らは臨機応変に話について行くしかなかった。さて、商品の紹介をしていくとしよう。……ちなみに、商品は全て作者がテキトーに考えたものですので、存在はしないはずです。
一、物々交換自販機について
この自販機は、正式名称から分かっていただけるかのように、硬貨や金貨や雑記を返還する力を持った自販機である。まぁ、構造的には雑記を金貨か硬貨に変換して、それらをどのように使うかは所有者の自由らしい。この方法で作られたお金でも実際に買い物は出来る仕組みになっている。
二、無限電波糸電話
名前の通りにどこにいようが、必ず電波がMAXの状態を維持できる糸電話。何故、普通の携帯電話として作らなかったのかは、不明である。そして、正式名称にある超長距離というのは最高で地球一周半分の距離にもなるらしい。
三、高性能監視装置
これは、監視カメラやセンサーなどの防犯グッズの全てがまとめられている商品。まぁ、何が凄いかと言えば、この中には瞬間移動やどんな空間でも探索できる機能を備えた遠隔操作型の小型カメラがセットでついているようである。
上田何作「以上が、軽い説明だ。」
池谷和也「うん、最初の奴が一番好評になりそうだよな。」
確かにそうである。まぁ、実際に存在すればの話になるのだがな。そして、他の商品も使えそうといえば使えそうである。しかし、彼らには最初の商品が印象に残っていたようである。それについての質問が始まる。
不藤雄一「上田さん、自販機についてですが、あれは雑記を硬貨や金貨にした後に不意に戻ったりはしないのですか?」
上田何作「戻る事は一切無いよ、金になったモノは金のままで、貴金属になったモノは貴金属のままだ。」
人形作者「それで、元の雑貨はどうなるんだ?」
上田何作「雑貨は、自販機のデータベースに保存されて、それを使える状態まで自動的に修復されたら、自販機内で複製されて、自販機がそれを販売する形になる。」
池谷和也「リサイクルですな。」
とりあいず、何ともまぁ凄い発明品なのだろうか。これ以外に何も言えない。
不藤雄一「それで、いくらしますか?」
彼らはもはや買う満々である。すると、上田さんは電卓を叩き値段を提示した。
上田何作「この三商品を合わせて、合計は一万九千八百円だ。」
人形作者「おぉ、一九八!!」
池谷和也「これは、お買い得だな。」
しかし、ここで問題点が生じる。これほどの作品をその価格で提供するのだ。赤字になったりはしないのだろうか?すると、彼らの言葉が止まると上田さんがそれについて説明するかのような話をした。
上田何作「まぁ、自販機に関しては維持費をもらうよ。ちなみに、維持費は雑貨を金貨や硬貨に変えた時に自動的に一割がこっちに送られるようになっているからな。」
三人「了解〜。」
一割だけの分け前でやっていけるのかと突っ込みたくなるのだが、それは置いておくとしよう。それで、結局どうなったかというと、彼らは何の迷いもなくそれらを購入し、家の中へと運んで行ったのであった。
そして、それを見届けた上田さんは、片腕を天空に向けて伸ばした。すると、彼の体がブワッと空に浮かび、彼は空の彼方に消えて行ったのだった……
製品を家に運んだ後、彼らは……
池谷和也「すっかりと忘れていたけど、あいつ等この家のどこに住み着いているんだろうな?」
人形作者「さぁな、家の中の全ての部屋を探したが、それらしい場所は無かったな。」
不藤雄一「あぁ、念のために天井裏も見てみたが、以上は無かったな。」
どうやら、例の7匹のウサギ達の住処を探しているようだった。しかし、彼らの話から分かるように見つかっていないという状態である。その後も彼らは同じ場所を行ったり着たりの散策を数十分間程度続けたが、それらしき場所は見つかりはしなかった。
池谷和也「くっそ、見当たらないな。」
人形作者「もう何回ここを通った事か。」
彼らは玄関近くをうろついていた。そして、それと同時に途方にくれている状態でもあった。
不藤雄一「まぁ、また出てくるかもしれないだろうから、その時に突き止めれば良くないか?」
人形作者「そうだな、例のあれも設置できているしな。」
池谷和也「じゃあ、もう夜も遅くなってきたし、寝ますか。」
そして、彼らは寝室へと向かって行くのであった……
それから、少しして彼らが完全に眠りについた頃、玄関から入って正面にある壁際の辺りからウサギ型のシルエットが動くのが見えた。それは、壁際の物陰から家の中を見渡しているかのようにも見える言動を見せていた。
だが、もちろん彼らはそれの事を知ってもいなかったのである。どうやら、例の7匹のウサギ達は本当にこの家のどこかに住み着いているようであった。
さて、これからあの3人の住民と7匹のウサギ達の生活はどのようなストーリーを描いていくのだろうか……。
やはり、挿絵のキャラクター、何度見ても何かのキャラクターに似ている気がしますよね。←しかし、全く分からない。
ちなみに、棒人間の二人が不藤と池谷だと挿絵でお分かりいただけたでしょうが、人形作者とはどれかというと、1枚目の挿絵のセンターに出ていたウサギもどきみたいなキャラクターじゃないのが、人形作者のイラストです。
こんな低画力ですみません。しかし、作者はこれで全力なので、許してください。
でわ、次回作をお楽しみに。
でわでわ……