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吃音に気付いたのは4歳くらいだったと思う。
小さい子に『ぼく、お名前は?』
って聞く、何てことない光景。
私は『ぼ、ぼぼぼ、ぼくのなっなまっっなまえは…』
と言葉について詰まることが日常茶飯事だった。
近所のおばさんにも
『焦らなくていいからね』と、よく言われた。
自分が周りと違うのに気付かされた。
ハッキリ記憶にあるのが、保育園にあがる時、親戚に『鞄何がいい?』と電話があったこと。
その時電話に変わった私は、『ウインスペクターがいい』と言いたかったが…
きちんと言えなかった。
でも親戚は優しく『わかった。それがいいのね』と言ってくれた。
私はウインスペクターをワクワクしながら待った。
数日後…
親戚から届いたのは違う鞄だった。
4歳の子供がそんな感情をハッキリ記憶してたり、感じるわけないと思うだろうが…
私はすごく傷つき、泣いた。
もちろんそれは、子供によくありがちな
“欲しかった物と違う”
という、思い通りにならない感情で泣いたのではない。
言葉がでなくて…
伝わらなくて…
悔しくて…
泣いた。




