わかりやすい奴とわけわからん奴と
まだまだ続く体育館への道!
「なっ…!」
七條は更に顔を真っ赤にした。
(なんだこいつ!わざとかっ!?)
「面白いな〜!もしかして中学のころはイジメられてたんじゃないの〜?」
ニヤニヤが増した七宮。悪意しかない。
「んな訳ねえよ!普通でした!!」
反論する七條だが、顔は真っ赤。
「そーうーかーなー?うひひっ」
「そーゆーお前はどうなんだよっ!」
「友達いっぱいいたよ〜。イジメられてる七條くんとは違って!」
「だからイジメられてねえよ!しつけーよ!」
完全にからかわれている七條であった。
すると突然、七宮に何かが当たった。
「あ、すまん」
「いえいえ…?」
七宮が降り向くと、身長180㎝くらいある長身の男性…いや、スカートを履いている人がいた。
七宮が見とれている間に、その人は行ってしまった。
「七條くん…あれって…」
「…女?…か?」
2人そろって言葉を失っていた。
「い、いやいや!女の子だよね〜!」
「だ、だよな〜」
「スカートだったし!」
「ちょっと顔立ちがいかつい奴なだけだしな!」
「ハスキーボイスなだけだよね〜!」
「ベリーショートなだけだしな」
しばし沈黙。
((男だよね…!?))
2人はそう思いながら、何事もなかったかのように、道を歩いた。
可愛らしく咲いている花に、桜の花びらが小さく居座っていた。
男…!??