春の花はひらひら舞う
北館への道は結構あったりなかったり。
南館から北館へ行き、体育館通路へ行くと、本日の会場へ行ける。
2人は北館への道を歩く。
「校舎の道スゴイよな、花が咲いてて」
七條は無意識に話していた。
校舎の道と言っても、北館への道は外にある。設備は万全であり、小さな花が可愛らしく咲いている。ゴミも落ちていない。
(やべ!何言ってんだ!こいつとはまだ合って1時間も経ってないんだぞ)
少し焦っていた。
「そうだねー、水やり大変そう」
しかし七宮は普通に返してくれた。
(よ、よかったー。変なやつだって思われてないよね?)
「でも、七條くんもすごいね!初対面なのにこんなこと喋るなんて!」
満面の笑みで七宮は言い放った。
(うわ!最悪だ!!完全に変なやつだって思われたよ!もうこいつとは話さない!)
七條は顔面蒼白になっていた。
それからは、2人は無言で北館への道を歩いた。厳密に言うと、七宮は独り言を言っていたが。
すると、桜の木が見えた。
「あ、ここって北館の近くだ!見てよ七條くん!桜の木ロードだよ!」
キラキラした目で七宮は桜を見ている。
「おう。綺麗だな」
さっきまでの複雑な気持ちは吹っ飛んで、桜に見入っている七條。
桜の花びらが、緩やかな風にのって舞っている。
太陽の傾きもあってか、少し幻想的に見えた。
「こんな綺麗な場所に通えるんだね〜!」
「そうだな…」
七條は僅かに微笑んだ。
北館まであともう少し。
さっきの迷子センター、なぜカフェみたいだったかって?
…思いつきだよ☆