新入生は偉業を成す
みんなもっと笑えよ〜
とかいうネタこそつまらないものが多い…!
これも、そんな感じだよね!☆
体育館の沈黙を破ったのは、マイクの前にいた教師。
「えー、何の真似ですか。青山先生?」
舞台上でハゲた頭がよく光っている教師である。
そしてよく見ると、その教師は高い台に乗っていた。
「おい。あれってあん時の…」
七條が小声で七宮に言った。
「あのハゲチビ…!」
「あ、えっと、盛大なる遅刻でーす!」
青山先生は大声で応えた。
と、ここにきて生徒達がコソコソ笑い始めた。
「みなさん静かに!訳が聞きたいのは山々だが、とりあえず隣にいる生徒2人は何ですか?青山先生?」
ハゲチビは青山先生ばかり責める。
「この生徒達は、私のクラスの、七コンビです!」
「ええっ!ちょっと!何言ってるんですか!」
小声で七條はツッコむ。
「七コンビは、新入生にして迷子になったのはもちろんのこと、名の知らぬ生徒にハンカチを探してあげるという、遅刻を覚悟した偉業を成したのです!」
自信過剰なくらいに語る青山先生。
隣では小声で応援されていた。
「もっと言ったれっ!」
「おい七宮!?やめろ!?」
「だから、彼らの遅刻を、なかったことにとは言いません」
「なんで〜!?」
「当たりまえだろ」
「梨原学園だけに、梨を七つ、彼らにお仕置きとして、皮むきさせて下さい!」
「「!?」」
一同、あ然。
だが、ただ1人、その頼みに応える者がいた。
「却下。後で3人とも学園長室まで来なさい、以上。自席に座りなさい」
ハゲチビは、こう応えた。
「うわわ…先生!」
七條はとても不安になった。校長室ならともかく、学園長室とは格が違うと感じたからだ。
「大丈夫、これでいいんだ。お前らの席は丁度空いてるあそこだから、座れ」
青山先生は不敵に笑った。
それを不思議そうに見つめる七宮と、それでも不安な七條に、青山先生は手を振って、教師軍団の所へ行ってしまった。
仕方なく、2人は空いている席へと急いだ。
「えー、では、部活動紹介を始める。生徒会長、後は任せる」
(でもなんとか、ここまで着いたな…疲れたけど。しかも呼び出しくらったし、入学早々目立っちゃったな…)
舞台に上がってくる、数々のユニフォームを着た先輩達を、七條はぼんやりと見ていた。
すると隣から小声で話かけられた。
「七條くん、自首しろとか言いながら、自分が自首しなくちゃいけなくなったね!」
笑顔で七宮は言った。
「お前もだろ?少しは反省しろよ」
「楽しかったから、また今度やろう!」
「断固拒否!!!」
梨っておいしいよね!(2回目)