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高校生はよくはしゃぐ

追いかけっこ、ハンカチの運命はいかに!!

「ちょっと〜!待てええっ!!!!」


小さな花が咲いてる中、走る(逃げる)2人を追いかける長身の人。

はたから見れば遊んでいるガキである。もちろん注目を浴びていた。


「いやあああっ!助けてマミー!」


「おまっ!母親どんな呼び方してんだっ!」


こんな状況でも七宮にツッコミをいれる七條。忙しい奴らである。


「ああっ!北館が見えたよ七條くんー!!」


「めっちゃ戻ってきちゃったじゃねえか!!」


「もう疲れたよ七條くんー」


「知るか!俺も疲れたっつの!」


へとへとな2人はまだ走り続ける。雪のように白い、やはり広大な校舎、北館が見えた。


すると、七條の新品なシューズが小石に当たる。


「!?」


七條は普通に転けた。


「わっ!?消えたっ!?七條くんんんんっ!???」


いきなり隣にあった気配が消えて振り向く七宮。

すかさず七條に駆け寄った。


「うるせえよっ!」


「何してんのっ!だからイジメられちゃうんだよ!!」


「だからイジメられてねーっつってんだろ!!怒るぞおい!少しは心配し」


「大丈夫ですかっ!?」


心配してくれたのは七宮ではなくて、いつの間にか七宮の隣にいた、長身の人であった。


((やばいいいい!!!!!!!))


2人は絶望した目になった。


「…」


「…」


しばし沈黙。


七條は思った。


(終わった…!なんでこの人普通に心配してくれたんだよ!真顔で言ってんじゃねーよ!怖えよ!もう生きて帰れない…!!)


七宮は思った。


(どうしよ…!なんで隣にいるの!?てか、七條くんが転けるからいけないんだ!七條くんのせいだああ!…もう生きて帰れない…!!)


((殺される!!!))


「あの…顔色悪いですけど、本当に大丈夫ですか?」


長身の人が沈黙を破った。

2人に、異様に低い声が響いた。


「うあっ…はいい…大丈夫です…よ」


勇気を出して、七條は間抜けな声で応えた。


「そうですか、よかったです。あの、ハンカチのことですけど」


相変わらず真顔な長身の人は切り出した。


((殺されるううううううっ!!!))


2人は死を覚悟した。


「あれ、私のなんで、返してくれませんか?」


「うわわわ、はいっ!只今っ!」


七宮は急いで右手に持っていたハンカチを渡そうとした。


「あ、あれ…?」


風が、3人の髪を揺らした。


「ハンカチ…が、ない…」


小さな花も揺れていた。

追いかけっこは長身の人の勝ち!!!

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