第6話 春の音色に誘われて
更新遅れてすいません!
side ??
♪〜 ♪ゞ♪ヾ♪〆
(ギターの音色)
「ふぅ〜 一旦休憩♪」
ここは【聖海学園】の音楽室、そして今は放課後である。
私はクラシックギター部に所属しているのでその活動中だ。
部員は全学年で総勢5名とかなり少ない・・
週の活動予定は 月、水、金 だが、今日は火曜日なので部員は私を除いて誰もいない。
孤独な活動だと思われるかも知れないが、私はそんな気は全然しない。
ギターを弾いていればどんな孤独感もストレスも解消してくれる、そんな気がする。
むしろ活動日以外なら一人で練習できるということで思いっきり自分の世界に入り込める!
なので私は活動日以外に一人音楽室で練習しにくるのは珍しくないということ。
10分程度休み、私は練習を再開した。
「よし! 今度はアルペジオの練習だ!」
【アルペジオ】とはコードの和音を分散させて1音1音弾くというギターの奏法だ。
私はこの奏法が一番好きで一番得意なテクニックでもある。
アルペジオを弾く時はいつも自分の世界に入り込んでしまう。
周りが全く見えないのが悪いクセζ
♪ゞ ♪ヾ ♪ゞ ♪- ♪〜
私はアルペジオを弾き始めた。
♪ ♪ヾ ♪ゞ ♪〜
side 仁
「あ〜 めんどくせ〜」
今は放課後だが、六時限目の音楽の授業のときに音楽室に教科書をわすれてしまったのだ
音楽室と自分のクラスの教室とは塔をひとつ挟んでしかもその塔の最上階とあってホントめんどくさい・・・
音楽室の塔の最上階にさしかかる階段の遊び場にさしかかった時、
『♪ッ』
微かに何かの楽器の音色が聞こえた、何か身体に透き通るような心地よい音だ。
「誰か何か演奏してんのか?」
気付くとおれはその音色に吸い寄せられるように音楽室のドアの手前に立っていた・・
ギター・・かな?
それにしてもあまりにも・・綺麗な音色。
マジ誰が弾いてんだろ??今日はギター部やってんのか?と思いながらおれは閉まったドアの手前に突っ立ったままその音に聞き入っていた・・・
「ハッ!!」
気付くと数分ドア前に突っ立っていた俺。
そして次に音楽の教科書のことを思い出した
「失礼します」
おれはついに音楽室の中に入った
中にはギターを弾いている女の子が一人・・
う・・うめぇ・・
ギターとか楽器類を全く知らない俺にもそいつがどれだけ巧いかビンビンと伝わって来るほどの指使いテクニック・・・思わず見とれてしまった。
弾いてるのは確か同じ学年の東さんだっけか?
「あの〜」
とりあえず声をかけてみるがその子はまるで何も聞こえていないかのようにギターを弾き続けているなんでだ?
「お〜い!」
絶対聞こえているだろ・・・しかし東さんは目を閉じて演奏していてこっちを見ようともしないのだ、って見なし弾けるとかどんだけ神懸かってるんだか・・・
まぁいいや 、とりあえず教科書さがすか・・
えーっと どこだっけか・・ 自分の座ってた机を見渡しても見つからない、と探していと
『♪〜♪〆』
音が止まった
「あ!あなた誰!?」
「ってやっと気付いのか・・・俺は狗桜、教科書忘れたから取りにきたんだけど」
「あ〜 もしかしてコレ?」
と差し出してくれたのはまぎれもなくマイ教科書!
「それそれありがとう!ところで君のギターすごく巧いな!思わず聞き惚れちゃったよ!」
「それはどうも♪申し遅れたけど私、2年3組の東龍美です」
「さっきのはなんて言う曲?」
「ん〜 適当に弾いてただけだけど・・」
「・・・」
おれは唖然とした、なぜならさっきの曲はプロの作曲家の作ったものと思えるほど完成度が高かったからだ。感想としては
「すごいね・・」
の一言に尽きた。
そしてなんか失礼な気がしてすこし気が引けたが、やはり気になったのでこいつも聞いてみた。
「それと東さんさっきギター弾いてる時俺の声聞こたよね?」
言った瞬間少し後悔ζ
「・・・いや弾く方に夢中になってて気付かなかったかな?」
「ええっ!・・・マジで?」
「私ギター弾いてる時時々っというかかなりあるんだけど、周りが全く見えなくなっちゃうんだ〜ごめんね?」
「え!い、いいよそんな謝ることじゃないって!それより東さんホント上手だよねさっき適当に弾いてたヤツだって聞いててマジ感動したよ」
ベタ褒め・・・ でもすっげぇ感動したのは事実だし。
「私なんか全然まだまだだよところで狗桜くんはギター弾いたことある?」
とギターが差し出されたが俺はそんなの触ったことがない、ここは断るのがベストだろう。
「いやッ 全く触ったことないっすよ」
未知のものに触れる恐怖というやつかな、ギターに触れることすら気が引ける。
「一回弾いてみなさいよ」
・・・まじで? 狗桜仁人生初楽器です。
「東さん やさしく教えてくださいね・・・」
「まかせなさい♪」
東さんが浮かべる満面の笑み、なんか頼もしいな。
そしてギターをもってみたのだが、想像したよりも全然軽かった。
「えっと-まずは 左手と右手こんな感じ♪」
「ほぅ・・・難しいな」
左手がうまく開かないな・・・
「こう鳴せるかな?」
『ジャッ♪』
「くぅ〜」
『ガリッ』
難しいって・・・
こんなの俺が10年やり続けても弾けるようになれそうもないな。
「否 練習すればだれでも弾けるようになるから」
なんか心を見透かされた気がしたぞ?
「あ〜あのさっき俺がくる前に東さんが弾いてたヤツってどうやるの?」
「あ〜あれは【アルペジオ】って言ってこうゆうコードを1音1音弾いてくんだけど・・」
『♪〜♪ヾ♪〜♪♪』
「・・すげぇ〜」
こりゃ聞き惚れますね〜。
なんか東さん目をつぶってますし・・・まるで俺に築かなかった先ほどの様な感じだ
「あ・・・東さん?」
『♪〜♪ゞ♪〜♪♪』
「えっと・・・東さん〜東〜!」
人間はこんな簡単に自分の世界に入り込めるものなのか!?
『♪〜〆』
「おっと!ごめん、私ったらまた・・・」
「い、いや全然いいって!それにしてもすごいよな・・・」
その後も東さん指導のもと、下手くそながら夢中になって弾いていると気がつけば30分弱も時が過ぎていた。
「もう30分もたったのか!?」
「30分か、たった30分で【Fコード】まで鳴せるようになるとは・・狗桜くんなかなかやるね〜♪」
『【Fコード】っていうのは【バレー】という一フレット分を人差し指一本で全弦押さえる技術が必要なため初心者にはかな〜りつらいんですよ-』
とっても難しかった【Fコード】はじめは人差し指が痛い!
しかしちょっと大きめの指と並以上ある握力が幸いして並以上のスピードで習得できたのだ。
これで早くもc-d-e-fの四つのコードを習得した、東さんですらここまで早く習得できなかったらしいので著とだけ自信がついた。
やはり音が鳴らせるようになると嬉しいものだ。
『ジャ♪』
「ギターやってみるとけっこうおもしろいね〜」
「でしょ〜? だんだん弾けるようになってくるとどんどんはまってくよ きっと♪」
『ガラガラガラッ』
音楽室に何物かが侵入してきた様子。
「ん!?」
「か・・・楓!?」
「あら・・・探しましたよ狗桜さん、どこにもいないと思ったらこんな処にいらしたのですね」
「しかも3組の東さん・・・でしたか? 狗桜さんとは女性の方と二人、ここで何をやってらしたんでしょうか・・・」
目をうっすらと細め怪しい目つきでこちらを見てくる。
「あなたは卯月さんでしたっけ?狗桜くんは教科書取りに来てそのついでにギターをちょこっと弾いてもらったけだよ」
「では狗桜さん実はギター弾けるのでんですか?」
「いや、ギターに初めて触れたのも今日が初めてだ」
「そうでしたか、そこの東さんは弾けるんですか?」
「一応ギター部員ですから・・」
東さんちょっとナメられたと思ったかナントギターを握った。
『ジャラ〜ンッ♪ ジャッ♪ ジャカ♪ ッ ♪ ジャン♪ ジャカ♪』
ストロークめちゃくちゃ速やい・・・
【ストローク】とはコード弾きの時の腕の振りの事。(東さんにさっき教えてもらったばかりの知識)
おれは個人的にあの神懸かったアルペジオを聞かせてあげればいいのにと思ったが、ストロークでも巧すぎたのだ。
「部活ではこんな感じで弾いてますよ♪」
そして挑発的な笑顔を浮かべる。
「なかなかやりますわね・・・」
「東さん、ここの音楽室には琴か横笛はおいてありませんか?」
「あるけど・・・わかった、準備室にあるからとりに行って来るね・・・ちょっとまってて」
そう言って東さんは駆けていく。
「わかりましたわ」
楓は怖いくらいの笑顔だけどなぜかその笑顔は見たものを凍りつかせる・・・氷の微笑みとでもいったところだろうか。
「これでいいかな?」
東さんがもってきたのは立派な琴だった。
「ちょっと傷んでいますが・・・しかし軽く弾くには十分ですね」
「楓って琴弾けるの?」
「幼いころに少し習っていた程度ですけどね。」
といいながら卯月さんは手慣れた手つきでほんの数秒で音の調整をやってのけた。でも普通調律って道具使うんじゃなかったか?
道具無しでそれをやってのけるなんて楓・・・すごいなオイ!演奏も期待できそうだ。
しかし琴はギターと違って腕を動かす方向が決まっているので手を動かすのが大変そうに思えた。
「やはり弦楽器といえば日本古来の伝統楽器、琴でしょう。ギターにも全然負けてないかと」
そう言って卯月は爪を手に取り第一弦に爪をかけた。
『タッ♪〜♪ヾ♪ゞ♪ζ♪-♪ッッ♪〜ヾ♪ゞ♪〜♪』
東さんが言うにはテンポ200らしい【狂ってるほど速すぎ】
「・・・」
もはや琴じゃない。
「あなた方には古来の琴演風のままだと伝わらないと思いロック調に改良してみたのですよ」
「・・・」
無言で楓を見ている東さんだが予想外のできごとに口を半開きにしている。
「あららだんまりですか?負け犬の遠吠えはみっともないですよ」
無言で東さんが席を立ち準備室に消えてと思ったらすぐでてきた。
エレキギターを首にかけアンプ(スピーカ)を片手にもちながら・・・
「楽器を変えればいいというわけではないと思いますよ?」
俺は女性がエレキを弾くところを見るのははじめてだが東にはとても似合っていた。
その後東は静かにアンプとギターをコードのようなもので接続していった。
『ギュィィーン♪ギュン♪キ-ジャン♪〆』
パワフルな音だ・・・
俺は東の奏でる激しいロック調の音1音1音の虜となっていた、楓は目を細めていたので満足しているのではなく対抗心を燃やしているのかもしれないがな・・・
・・・30分後
東も俺も・・・たぶん楓もエレキの演奏に満足し、おれらは音楽室の楽器を片付け、すでに校門の前に立っていた。
「凄いかっこよよかったぞ東、今度エレキも教えてくれよ」
「また今度ね、でも部活ある日はクラシックかフォークギターしか使えないから部活無い日にきてね〜、それと家あっちだから」
そう言って俺達とは逆のほうへ駆けて行った。
「わかった、じゃまた今度よろしく頼むよ」
「じゃあね〜」
こんなかんじで俺の一日は終わったが家に帰ってからきずいた事がふたつ。
ひとつは左手の指『人差し指、中指、薬指』がジンジンとしていたこと、 もうひとつは学ランの左ポケットにピックが入っていたこと。
まぁ明日あたり学校で返しにいけばいいか・・・ベットそんなことで考えながら俺は自身の睡眠欲に従い意識を手放した。




