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第1話 春の香に誘われて

教室に着き俺は適当な席に座りクラスメイトがそろうのを待った

ザワ!?


ん? なんか騒がしいな・・・俺は顔をあげて周りを見るとクラスメイト達が一点を見つめていることに気づいた。あるものは呆然と一点を見つめ、又あるものは食い入るようにその一点を見つめていた。

その視線をたどるときれいな黒髪が背中まで伸びたかわいい女の子が立っていた、なるほど・・・・・皆が固まるのも理解できる、それほどかわいいのである。

見つめられている女の子はというと、少し困ったような笑顔をしていた。確かにクラス中の人間に見つめられたら戸惑ってしまうのも理解できる。

その女の子はおれの隣の席に座るとこっちを見て微笑んだ。

かわいい・・・ん?

ここである疑問が浮かんだ、なぜ俺に微笑みかけるんだ?

その疑問の答えを求めようと隣を見るがすでに彼女は自分の荷物の整理のため視線を机へと移していた。

それから俺は特にすることもないので少しの間窓の外にとまっている鳥を眺めていた。

木の枝にとまる鳥を18羽まで数えたところで教室の扉が開き見慣れない白衣を着た女性が入ってきた。

女性は教壇のところまであるいて行くと口を開けた。


「あぁ〜初めまして、この学級の担任をすることになった春日カスガ 由香ユカだ。さっき始業式の時に紹介してもらったように今年からこの学校に勤めることになったんで・・・まぁよろしく」

新しく来た教師?今日の始業式でそのようなことがあったか定かではないが、きっと寝ていた時に新任教師の紹介があったのだろうと一人で納得し教師の次の言葉を待つ。


「あぁ? なにしてるんだおまえら。 さっさと自己紹介しな、言われなくてもそれぐらいできるだろ?」

何と俺達の担任は不良だった。これからの一年間がたまらなく不安になったが皆戸惑いつつ自己紹介を始めた。

みんな最初こそ戸惑っていたものの自分の名前・趣味などを窓側の席から順に話していった、

俺自身も窓側に座っていたのでめんどくさいと思いながらも自己紹介をした。


「狗桜 仁だ。 趣味は寝ること、よろしく」

俺はそれだけいうと座りながら隣の女の子がこちらを向きながら笑みをこぼしていることに気づいた。

その顔はすぐに自己紹介をしてるやつのところにむけられたが確かにこちらを見て笑っていたのは事実だ、かるく恥ずかしくなったぜ。

次々と自己紹介をしていくと隣の席の女の子の番になった。


卯月ウヅキ カエデです。 趣味は・・・料理です。 一年間どうぞよろしくお願いします」

そういうと彼女は丁寧に頭を下げた。

彼女の第一印象としては育ちのいいお嬢様って感じだな、ただ趣味をいう時に少し迷っているように見えたが気のせいだろうか。

そのあとも順に自己紹介をしていき全員の紹介が終わるころには始めてから結構時間が経ていた。


「ん・・・あぁやっと終わったか。じゃあ教壇の上に配布物おいとくからそれ取ったら帰宅していーぞ。じゃあな」

そう言うと俺達の先生は教室から出て行った、廊下からなにかきこえたがきっと幻聴だろう。

俺は教壇の上から数枚のプリントをとると鞄に突っ込み帰宅する準備を整え教室を出ようとした、すると背後から


「狗桜さん昇降口まで御一緒しませんか?」

と隣の席の女の子・・もとい卯月さんが声をかけてきた。昇降口までとはまた微妙な距離だ。


「別にかまわないが何か用か?」

声をかけてきたのだから何か用があるのだろうと思い用件を聞き出そうとしたが


「用はありませんよ。ただ狗桜さんとは席が隣なので友好を深めようかと思いまして」

とかわいらしい笑顔をしながら言ってきたので軽く赤面しながら共に昇降口までの距離を互いのことを話しながら歩いて行った。

昇降口につくと卯月は


「すいません 迎えが来ているのでここで失礼いたしますね」

と言うと校門のところに止まっている車へと小走り出かけて行った。

う〜んそれにしてもかわいい子だったな、と思いながら自宅へ帰るべく歩き始めた。



Side 楓

「フフフ 面白い方でしたね」

私は車の中で今日出会ったクラスメイトの少年のことを思い出していた。

あの少年・・・狗桜さんは私が初めて見た時から表情をコロコロと変えるので見ていてとてもおもしろい方でした、特に先生の話を聞いているときなんて、不安そうな表情をされたかと思うとすぐにあきらめたような顔をなされたり表情豊かな方でした。あのような方と御一緒できるなんてこれから一年間とても楽しくなりそうですね。

そう考えていると自然と笑みがこぼれてきた。


本当に・・・楽しくなりそうですね♪

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