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Your mine  作者: ティア
3/4

最終話

「耀・・・」

小夜の口がそう言葉をつむいだ。

「ごめん・・・盗み見するつもりはなかったんだけど・・・」

「も、もう!やだな!いるなら、いるって言ってよ!」

小夜はやはり恥ずかしいのか、顔が真っ赤になっている。

小夜が近寄ってきて、俺の肩をバンバンと叩く。

「それで・・・聞いてたんでしょ?」

「あ、あぁ・・・」

「返事、は・・・?」

言葉に詰まる。

好き。確かに好きなのは変わらない。

でも・・・何故だろう。

さっきの悲しそうな遼の顔が頭に浮かぶ。

「俺、は・・・」

「どう・・・なの?」

すき、というこの二文字がうまく言えない。

伝えたいのに、伝えられない。

「私にエンリョ、しなくてもいいんだよ・・・嫌いなら、嫌いって言ってよ・・・そのほうが私も諦めがつくし・・・」

やばい。小夜は勘違いをし始めてる。

「俺は・・・小夜が・・・」

「私が・・・?」

「・・・俺も好きだった」

言った。言えた。遼への罪悪感が消えたわけではないが、小夜を傷つけたくなかった。

「ほんとに・・・?」

「うん」

「やったぁ!」

小夜は今までにないほどの顔で笑った。

こんなに嬉しそうな顔を見たのは始めてだ。

こんな顔に自分がさせたのだと思うと、なんだかこっちまで嬉しくなってくる。

「じゃあ、これからも改めてよろしくね!」

「おぅ」

小夜を諦めてくれた遼や、こんな俺に好意を寄せてくれた由宇には本当に悪いと思う。

でも、俺は小夜がいてくれれば、どんなときだって笑っていけると思うんだ。

ごめんな、遼、由宇。

そして、これからよろしくな、小夜。

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