第二話・衝撃の事実
俺は今、究極的にヤバイ場面にいる。
俺はその日、偶然、学校の裏庭の焼却炉にごみを捨てるために焼却炉に向かって歩いていた。
その角を曲がれば、もう焼却炉が見える、というところで誰かの話し声がして、俺は反射的に足を止めた。
ゴミ箱を音を立てないように地面に置いて、声の主を探した。
会話している人物たちを見て、俺は愕然とした。
話しているのは、他の誰でもない小夜と遼だった。
この雰囲気から言うと、多分、遼が小夜に告白しているのだろう。
タラシの遼も意外とありきたりなところで告白をするんだな・・・。
いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない。
遼ほどの美形ならもしかしたら小夜が告白をOKするかもしれない。
俺は中断させたいのに、飛び出していけず、様子を見守るしかなかった。
本当に微かだか、会話が聞き取れた。
「気付いてる、よな?俺の気持ち・・・」
「うん・・・」
「分かってて、返事くれないってことはやっぱり返事はNO?」
「・・・ごめん」
「謝んなよ。予想はしてたからさ。やっぱり、お前、あいつ・・・耀が好きなんだろ?」
はっ?!
んなわけねえだろうが、バカ遼。
だが、小夜の返事は思いもよらないものだった。
「うん・・・そうだよ・・・」
は?!ウソだろ?!マジで?!
「やっぱな・・・でもどこがいいわけ?あんなやつ。確かに良いヤツだけどよ、外見だけなら俺の方がかなり良くねえ?」
・・・うるせぇ。
「私は人を容姿では選ばない。耀は、・・・優しいし、ちょっと頼りないけど面白いし・・・一緒にいてすごく楽しいんだ」
「ふぅん・・・そっか。じゃあ、まあいいや。そんじゃな」
「あっ・・・ごめん、耀・・・。これからも友達で・・・いてくれる?」
「あったりまえだろー」
そう言うと、遼はヒラヒラと手を振りながら、こっちへ歩いてきてしまった。
小夜はまだ一歩も動いていない。
まずい。
でも足が動かない。
すると、遼の目が俺の姿を捉えた。
遼はふっと笑うと、俺の隣まで来て、俺の肩に手を置いて、
「良かったな・・・」
と言った。
その笑顔が、どこか哀しくて。
今まで遊び呆けていた遼が今回、小夜には本気だったことが分かった。
遼はそのまま、どこかへ歩き去ってしまった。
俺は気まずくなって、その場から立ち去ろうと顔を上げた。
そのとき、小夜と俺の視線が絡み合った。
初の連載の第二話です。
連載と言ったわりにはもう次話あたりで最終話を迎えそうな感じです。
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