恋の言葉
「あの人が好きなの?」
「うん、大好き」
「そう・・・」
私の答えに迷いはない。迷ってしまったら、すべてがおしまいだからだ。
彼は、愛は高尚なもの、恋は低俗なものと捉えているだろう。
私が向ける好意で、彼の反応は違う。
それは、愛と恋がはっきり分かれているということ。
私が使う言葉は恋だ。それは、彼にとって心地いいものとはならず、むしろ困るだろう。
そんなことをわかっていながら、人前で恥をさらして、結婚報告があっても変わらず口説き続けるのはなぜなのか。
振られて辞めることもない。好意が得られなくても問題ないのだ。
ただ好きでいて、それが変わらない。それはなぜだと思う?
恋、だけではないからだ。
好きな人に好かれたい、それよりずっと大切なものに支えられているからだ。
私があなたを好きでいること。
我が身に嫌なものが降りかかってこようとも、そこから逃げる気はない。
白い目で見られようとも、嫌がらせを受けようとも、それよりずっと大事なこと。
振られても好きでいる。結婚しても好きでいる。好かれるために好きでいるわけではない。
万能ではない。でも好かれる日常は守れる。安心して仕事ができる空間を与えられる。貴方の無事を最優先する。
地域を守る堤防だ。
嫌がっているわけではない。困っているだけだ。
彼の結婚後も、嫌がらせを受けた翌日も、彼の前に姿を見せる。
貴方を好きでいる人は、いなくならない。
貴方を最優先する人は、ずっと近くにいる。
目の前から消えても、探せばすぐ出てくる。
そういうわけで、好きなものばっかり見ていて忙しい。
他の人の小さな恥など見えぬほどに目立って差し上げよう。




