男女の友情
彼の元には多種多様な相談がそれこそわんさかと来るが、その中で一番多いのはやはり恋愛相談。配信を始めてから不動の一位だ。
ずっと恋愛相談に乗っていると、まあ惚れた腫れたのドロドロがいくらでも耳に入る。実際に見たこともある。そらもう数えきれないほど。
特に多いのが恋人の異性関係だった。
『カケデラさんは男女の友情ってあると思いますか。うーん…あるとは思いますけど、正直懐疑的ではありますね。あとあまり良い顔しない人のほうが多いと思います。ここにもたくさん来ますからね、男女関係のあれこれ。』
『恋人相手の男女関係で多い相談というのが、まず浮気。その次が恋人周辺の人物からの嫌がらせですね。特に後者は男性相手なら女友達と自称している人が、女性相手なら男友達と自称している人からが多いです。相談に乗っている感じから言って、彼氏の女友達が、というのが多い感じがしますね。それはもうほんと嫌というほどあります。』
『友人と称しながら、相手にべたべた触り、彼女彼氏が知らない話ばかりを振り、とにかくマウントを取りたがる人っているんですよ。そういう人たちがいる以上、男女の友情は成立しないと思ってしまう人が多いのは仕方のないことです。これは、粉をかけてくる友人側の問題だけでなく、彼氏彼女にそんな嫌がらせをしていることに気付かない恋人側にも大いに問題があります。』
『恋人、果ては結婚して夫婦になったのなら、自分の周囲にいる異性にはとにかく気を付けた方がいいです。前から自分を狙っていた友人が恋人に嫌がらせでマウントなどをする可能性は多いですし、それに気付かず放置や鼻の下伸ばしてたら愛想は尽かれますよ。』
『昔の相談にあったんですが、男女の友人だと称して彼女の見えないところでいちゃいちゃべたべたし、挙句の果て彼女を彼氏が振り、その女友達と交際を始めたというまあなんともふざけたことした人がいましてね。相談者は振られた彼女さん。もう男女の友情なんて信じられないという彼女に、私は信じなくていいと言いましたから。だって彼女は被害者。平気な顔で略奪する女とそんな女にまんまと引っかかった男など彼女の人生に必要ないですからね。』
『男女の友情を成立させたいのでしたら、潔癖なほどその関係に気を使わないといけない。二人っきりで会う、ボディタッチ、パートナーを仲間外れにする、そんなことをしないように神経を尖らせないといけない。それが出来ないのなら男女の友情は成立しません。恋人の疑心暗鬼を誘発させるような関係性など何も健康的ではありませんからね。』
『あと一応言っておきますが、いくら好きな相手でも友人を称するなら先ほど言った嫌がらせは絶対にやめておくべきです。夫本人は大丈夫でもその母である姑が酷すぎてもう結婚生活を続けられないと離婚した話はあります。ということは、恋人は平気でもその周囲が耐えられないとパートナーが離れていく可能性は十分にある。時に友人と縁を切らなければいけない時だってあります。友人だと称するなら、相手の幸せを祝えて本当の友人ですからね。』
『友達が好きだ、でも言う覚悟はない。しかし友達の恋人に嫌がらせをすれば待っているのは絶縁です。好きなら下手なことはせず、諦めるか玉砕覚悟で言いに行くか、自分で自分にケリをつけなさいってところですかね。恋愛だろうと友情だろうと人間関係には変わりない。誠実な対応が出来ない人からは人が去っていくのは道理ですから。』
カケデラ的男女の友情観を聞き、青ざめた視聴者はちょこちょこいた。まさにカケデラが言っていた嫌がらせを、友人が恋人にしていたことを思い出したからだ。
そこで動けたのなら破局はなくなるだろう。まあ問題は言われているのに気付いていないタイプ。
ま、そんな人、パートナーなどいなくて十分。恋人を気遣えないような人になど恋愛する資格はない。
本当に男女の友情を成立させたいなら、誠実ある対応を。人間関係の基本である。
カケデラ
人生相談系動画配信者。
男女の友情には懐疑的。彼自身は男女の友情を成立させられるが、相談内容の多さから出来ない人が多すぎるので無理かなぁと思っている。
彼氏の女友達がマウントしてきますどうしたら…という内容が結構あるので、それ本当に友達か?と思っている。多分、友達じゃない。
ちなみに例に出した相談者さんは、その後良い出会いがあったので報告に来てくれた。え?元彼氏たち?相談者さんを裏切ったことが周囲にバレて孤立したらしい。さもあらん。