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第1話:柴望具博士の苦悩

 桂木かつらぎ ひかるはサイボーグだ。

 ジリジリとけたたましいくらいの目覚ましが鳴り響く。

 目を覚ました光は、目覚まし時計の音を停止させ、ベッドから起き上がった。

 光は着替えを済ませ、リビングに移動した。

「おはよう、光」

「おはよう」

 食卓には朝ごはんが用意されていた。

 光は席に座る。

 今日の朝食はご飯、納豆、卵、味噌汁だ。

 光はご飯に卵をかけると、納豆を混ぜて食べ、味噌汁を飲む。

「光、さっき柴望具博士さいぼうぐはかせから連絡があったわ」

「柴望具博士から?」

 柴望具博士とは、生死の境を彷徨う光を助けるため、サイボーグに改造した科学者である。ちなみに名は美智子みちこ

「なんでも、光に頼みたいことがるみたいよ。行ってきなさい」

 ご飯を食べ終えた光は、出かける支度すると、柴望具博士のいる研究所へと足を運んだ。

「柴望具博士!」

 白衣を着た端正な顔立ちをした女性が、研究用の機材で何かを作っていた手を止め、光の方を見る。

「来たわね、光くん」

「それで、頼みたいことって?」

「実はね、あなたの身体には変身機能が組み込まれてるの。それを利用してある人物に会ってほしいのよ」

「どういうことですか?」

「この間、街を歩いてたらナンパされて、今度デートしようって誘われたんだけど、正直、乗り気じゃないのよね」

「デートすればいいじゃないですか」

「デートするくらいなら研究に時間を費やしたいわ」

「そう。俺が博士に変身すればいいんですね?」

「飲み込みが速くて助かるわ」

「どやって変身するんですか」

「アップデートするから右耳のディスクドライブ開いて」

 光は右の耳を展開し、ディスクドライブを出した。

 柴望具博士がディスクを差し込む。

「なるほど」

 光はディスクを取り出して柴望具博士に返却した。

「で、デートはいつなんですか?」

「今日よ」

「わかりました」

 光は柴望具博士そっくりに姿を変えた。

「待ち合わせ場所はどこなんです?」

「ハチ公前よ」

「そうですか。それじゃ、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 光は柴望具博士の姿でハチ公前に向かう。

 ハチ公前にはふくよかな醜い顔の男が一人立っていた。

 彼の名は石動いするぎ なかば

(うわ、柴望具博士の苦手そうなタイプ……)

「あ、柴望具さん!」

 石動が光に気づき、合図をした。

「待ちましたか?」

「いや、来たばかりだよ。あ、よかったらこれ」

 光は石動からドリンクをもらった。

「ありがとう。で、今日はどこへ行くんですか?」

「映画でも見ようと思って」

「なんの映画?」

「行ってのお楽しみ」

 二人は映画館へ向かう。

 チケットを買い、劇場に入った。

 光にとってはつまらない映画だった。

(石動さんはこういうのが趣味なのか)

 映画を見終わり、外に出た。

「柴望具さん、面白かった?」

「え? お、面白かったですよ」

「よかった」

(面白くないなんて言えない)

「お昼時だけど、お腹空かない?」

「そうですね」

「近くに、私のイタリアンがあるから、スパゲティでも食べる? お金は俺が持つよ」

「いいですね、スパゲティ」

 二人は近くのパスタ店へ向かう。

 が、しかし、店は休業だった。

「お休みか」

「仕方ないですね」

 二人は帰路に就くのだった。


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