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見つめているだけ

作者: ヒガンバナ

その足に縋り付いて

泣いて許しを乞うほど

もう若くもない


相手の過ちに目を瞑り

自ら謝罪するほどの

想いももうない

 

2人の間に漂う空気に

甘さがなくなったのは

いつからだろう


苛立つことさえ煩わしくなって

諦めることを覚えたのは

いつからだろう


悲しいのか

空いのか

切ないのか

やりきれない想いが

ゆっくりと身体を包む


戻りたいほどの情熱も

叩き壊してしまうほどの熱情もない


積み重ねた歴史が

ただ静かに崩れてくのを

息を殺して

瞬きもせずただ見つめるだけ

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