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雷帝の龍と素晴らしき世界  作者: とまとのそぼろにうどん
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コレが弟のありがたみ


…………長い夢を見ているような気がした。そして周りを見渡す。そこに広がっていたのは無の空間であり始まりの場所とのちに呼ばれる空間。

ただそこら中に虹色のもやが広がる世界。そこに俺は一人いた。

どうしているかは覚えていない。ただ気付いたらそこにいた。それ以前の記憶は全くない。

思い出そうとすると頭が痛くなる。それなら考えることはない。そしてどするか。

 


《マスター、おはようございます。あなたのサポートをする者のリースと申します。》


 

…うん、君、誰?こ、こいつ直接頭の中に…とかやってる場合ではなく、ここで重要なのは…

 


「…話し相手ができたっ!」


 

コレだけである。リースがいる限り俺は話し相手に困ることは無くなっただろう。

 


《マスター、私は究極能力アルティメットスキル万知之王リシュトスから進化した存在、神智核マナスのリースでございます。私はマスターのサポートをする者です。私は万知之王の権能、森羅万象を超える全知全能を持っています。なので答えられない質問はないとは限りません。例えばマスターの今までの記憶など。私に含まれる権能は『全知全能』『詠唱破棄』『思考加速』

『権能譲渡』『権能創造』『法則支配』『虚奪』『虚数空間』『虚無崩壊』『虚無創造』『進化改造』『統合分離』『思念伝達』『時間停止』『時空間支配』『未来予測』が含まれます。》


 

おいちょっと待て。今なんて言った?権能が多いからマジで強いのはわかるが、名前がヤバいのは『虚無崩壊』『進化改造』『時空間支配』『時間停止』『未来予測』だろう。 

時空間支配と時間停止に言おう。なあなあ、時を止めたらそれはやばいんじゃないか?

次に進化改造だ。要するに強化。うん、キチガイ。

さらにさらに未来予測。どんぐらい先まで見れるの?

 


《1秒先です。》


 

よかったまだマシだった。

で、虚無崩壊よ。そんな物騒な名前やめてくれ。

よーしもう十分だ。…と言うかもうコレだけだよな、能力って。え、ちょっと待ってリース、本当にコレだけだよね?

 


《あと二つ究極能力があります。

一つは雷神之王ゼウスです。もう一つは天空之王スカイです。

雷神之王は『雷帝操作』『電流支配』『雷熱操作』となっています。

天空之王は『天空支配』『空間支配』『天候操作』『形状変化』『空間破壊』となっています。》


 

おいおいおいおい!またやばそうなの出ちゃったって!なんだよ雷神之王と天空之王ってさ!どっちもやばいって!

だって雷神之王は多分雷を操るんでしょ?!

天空之王は天空を操るんでしょ?!と言うかなんだよ空間破砕って!ああもういいや諦めよう。それで、俺は一体どんななの?

 


《マスターは竜種と呼ばれる最上位聖魔霊です。得意とするのは雷。八属性を超えた者です。

固有スキルは『竜霊覇気』『無限再生』『人化』『強化分身』となっています。人化しますか?》


 

なってみようかな?俺は前人間だったはずだしな。そうして人の形状を取る。

 

そのまま何年もの月日が流れた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は数千年、いや数万年かもしれない。それほど長い時間この無を漂っていた。そしてある日、奇跡が起きた。

何かを感じて移動していった時である。

 


「うーん…あれ…」

「!君は誰だい?僕は…名前が無いな。これからはヴェルプラズと名乗ろうか。」


 

初めて自身以外との生命体に出会ったのである。それは俺にとってとても新鮮に思えた。

 


「君はヴェルプラズと言うんだ。よろしくねお兄さん。」

「んん?兄?うーん…ま、間違ってはいないか。それで名前が無いのなら弟、君は今日からヴェルダナーヴァだ。これからよろしく、我が弟ヴェルダナーヴァ。これからはナーヴァと呼ぼう。」

「こちらこそよろしくお願いします、プラズ兄。それでこの空間は何も無いんですか?」

「ああ、何も無いんだ。なーんにもね。」

「なら僕が作りたいです!手伝ってくれますか?」

「ああ、約束するとも。ではどうするか?構造を決めようか。」


 

弟となったナーヴァはとても優秀で数千年かかったが素晴らしい世界の構造ができ、因果などのバランスもできた。だがナーヴァによると足りないものがあるらしい。

それが、エネルギーである。創り出す世界には「魔素」と言うエネルギーが存在する。だがそれを生み出すレベルまでのエネルギーが足りない、と言うのだ。ちなみに俺のは違い、第一資料という全てを作り出せる万能物質らしいので使えないってさ。聞いたら本当は手伝ってもらうのが恥ずかしいらしい。可愛い奴め。

で、どうするか。リース先生、教えて〜!

 


《マスターにはエネルギー貯蔵庫とでもいうべき権能、虚数空間があります。その権能の空間に充満している虚無はとてつもない量のエネルギーが固まったものです。それを使えば必要量に足りると推測されています。》


 

あれ?けれどもどうやって権能をあげるんだ?

 


《マスター、『権能譲渡』で渡すことができます。これで虚数空間を譲渡すればいいかと。》


 

おっけ。それじゃああげるとするかね。

 


「ナーヴァ、エネルギーが確保できたぞ。ほら、これ。」

「え?なんですかこれ…って、虚無?!ありがとうございます!これであの退屈のない揃いし世界が完成する…」

「ああ、早く作ってみよう。楽しみで仕方がない。」


 

そうして俺とナーヴァが世界を生み出した。その後、ナーヴァは幾つもの世界を生み出した。今俺たちのいる場所である俺の作った城、天星宮を中心として。

そのまま月日は瞬く間に流れ、最初に作った世界にナーヴァは降り立った。そうして俺は一人になってしまう…訳ではなかった。

 


「プラズ様、どうしましたか?」

「ああ、フェル。お前たちがいる幸運を噛み締めていた。昔俺は一人だけだったからな。周りに他にも人がいるというのは幸せなのだ。」

「そう言っていただけて光栄です。我々は貴方とヴェルダナーヴァ様のために。」

「これからも俺たちを助けてくれ。頼っているぞ、フェル。」


 

これはフェルドウェイ。俺が生み出した天使の最高位に位置するやつだ。悪魔という天使と真逆の存在が生まれてしまったりもしたが俺とナーヴァは


「「多様性が増えた!やったー!」」


と喜ぶだけだった。だから天使は戦いつつも悪魔を黙認しているのだ。そうして退屈しない日々が流れていった。そしてナーヴァから思念伝達が。

 


『プラズ兄さん、兄さんもこの世界に来ない?ついに人類というのが誕生したんだ。多様性があって面白いよ!』

『そうか。ならば俺も行くとしようかな。』


 

こうして俺もナーヴァのいる最初に作った世界に君臨するのだった。

 

 

 

 

 

 


「ふーむ、新しい竜種か。アイツ以来だな。ちょっくら戦ってみるとするか。」

「いってらっしゃいませ、ギィ様。」

「ああ、行ってくる。」


 

どんなやつなのかワクワクがおさまらない。強いのだろうな。あのヴェルダナーヴァが


「兄さんはすごいんだ!」


というほどのものとの戦いは面白くなりそうだった。その感情の昂りに比例するようにギィの飛行速度は上がっていく。

 


(ああ、戦いが待ちきれないぜ!)


 

そうして古代に天使との対として生まれた悪魔の最初、原初の赤たるルージュのギィは気持ちを膨らませるのだった…

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