第6話
自輪の更新は来週の水曜予定です。
「じゃあ二つ目に行くよ。二つ目は神様の命令は絶対だよ。これは犯してはいけない罪より、生きるために守ったほうがいい事だね。命令に逆らうこと自体は可能だけど逆らうとその後神罰が来る可能性があるからね。」
「神罰って何ですか?」
「読んで字の如く、神様が行う罰則だね。」
「その神罰は命令に逆らわなければ大丈夫なんですか?」
「んー神罰の判定基準は全部神様だから何とも言えないかん。命令を聞かなくても下さない神様も居れば、何もしていないのに何となくとかで下す神様も居るからね。」
「じゃあ対処法はないんですか?」
「無くはないよ。神様の中にも位があるんだけど、高位になればなるほどその神罰は周囲への被害も甚大になるからめったに使われなよ。でも低位になればなるほど神罰の発動に制約が付くんだ。だから神罰が所構わず降ってくる事はないかな。」
軽々しくは下されないけど、下される判定は神様次第って事か。
「じゃあ神罰を下す判断を神様がしたらそれはもう不可避なんですか?」
「場所と神様の位によるよ。主神クラスは滅多に神罰を下す判断をしない代わりにされたらほぼ不可避だね。でも神罰を下す神様より高位の神様に助けて貰えれば防げるよ。この一帯なら土地神様が最上位だから主神クラス未満の神様からの神罰なら土地神様の庇護下なら防げるよ。
土地神様の庇護下なら安全だけど、主神クラスは防げないと…
でもまぁ主神クラスなんてそう簡単に会えないから問題ないだろう。
「次のルールはさっきの事を踏まえてなんだけど、神様と一対一で会ってはいけないよ。」
これは流石に意味が分かる。
「神様の逆鱗に触れた時神罰の防ぎ様が無いからですよね。」
「正解。神様と会うときは土地神様か土地神様の使いと一緒に居る時じゃないと危険だからね。」
「土地神様の使いって何ですか?」
「それは私が説明しよう。私の使いは大まかに二つ。一つ目は直属の眷属。私が力を分け与えた私より下位の神だ。二つ目は臨時の使い。私が力を分け与えた点は同じだがこちらは期限付きの一時的な力の付与のため神じゃなくても問題が無い。動物や人間にも付与できる。」
「もし突発的に神様に出会ってしまったらどうしたらいいんですか?」
「神に自然に会う確率なんて低いけどその時のために緊急の連絡手段を教えとこう。この護符を手に持って私の事を呼べば繋がるから。」
「ありがとうございます。」
「それじゃあ私はここで失礼するよ。また今度失礼するよ。」
「さよなら神様。」
「お疲れ様です。」
そう云って神様は帰っていった。来た時と同じ様に音もなく消え帰った。
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「じゃあいい時間だし私たちも帰ろうか。また明日学校終わりに部室に来てね。私は部室の鍵を返してから帰るから先に帰ってていいよ。」
「分かりました。お疲れ様でした。お先に失礼します。」
こうして僕の部活が決まった。そして日常も終わった。これから始まるのは平凡とはかけ離れた非日常的な生活だ。