第89セット 変化が生み出したもの
今回はVS平塚大北戦です。
………いやー、ホントに忙しくて、なかなか更新できなくて申し訳が立たないです………(そのせいでブクマが3、4件ほど剥がれ落ちた。。)
ただ、準決勝あたりから盛り上がりを見せたいと思いますんで、よろしくお願いします。
小田原南は、春高予選を順調に勝ち進み、ベスト8まで駒を進めていた。
そして準々決勝の相手は、インターハイ予選でも戦った「平塚大北」だった。
一度知っている相手とはいえど、夏から新チームになっている………ということだったので、事実上はまったくもって新しいチーム、ということになる。
主将挨拶で、莉子奈が顔を合わせた時から戦いは始まっていた。
「あれ、枝里………キャプテンになってたんだ?」
「そう、ですね………やれるのが私くらいしかいなかったもので。けれど………今回は負けませんよ、莉子奈さん。」
新主将になった枝里は、そのオーラを纏っており、更なるパワーアップをしているようであった。
しかしその顔付きは、何処か余裕のある、リラックスをした穏やかな表情をしている。
(やっぱり強敵だな、枝里………何か隠してるのか、それとも………本当に余裕なのか………良い試合になりそうだね、これは………)
対峙しただけで、莉子奈は警戒心を強めていた。
曲がりなりにもJOCのメンバーだった枝里だ、強敵なのには間違いはない。
莉子奈は先にサーブを選択し、お手並み拝見と行くことにしたのであった。
だが、集合の時、夏岡が奇策を打ち出した。
「最初はBチームで行く。但し、麗奈はフルで出ること! 瑠李はピンチサーバーとして待機!! これで行くよ!」
戸惑いを隠せない小田原南のメンバーだったが、違和感をいち早く察していた莉子奈がこう問いただした。
「何をしてくるか読めない………ということですか?」
「そうだね………向こうは新チームになったんだ、インハイでやった時とは別のチームだと考えて良い。ただ鮫島の警戒だけは絶対に怠るな。何をしてくるか、まずはBチームで様子見をして、私と麻衣、大幾で情報を整理する、その作戦だよ? 大丈夫だ、君たちならやれると私は信じている。さあ、行ってこい!!」
全員返事をして、コート内で挨拶を交わしたのであった。
メンバーは以下の通りだ。
小田原南
FL 芽衣:アウトサイドヒッター 168センチ
FC さやか:ミドルブロッカー 189センチ
FR 麗奈:セッター 160センチ
BR 彩花:アウトサイドヒッター 161センチ
BC 恵那:ミドルブロッカー 165センチ
BL 真理子:オポジット 163センチ
リベロ 蓮 152センチ
平塚大北
FL 枝里:アウトサイドヒッター 184センチ
FC 山石李衣:ミドルブロッカー 168センチ
FR 古葉櫻子:オポジット 171センチ
BR 真田玲:アウトサイドヒッター 166センチ
BC 田中舞香:ミドルブロッカー 170センチ
BL 樋浦充希:セッター 158センチ
リベロ 岩田瑞樹 158センチ
サーブは彩花から始まることになるのであった。
笛が鳴り、彩花はジャンプフローターサーブを打ち出し、樋浦の方向に飛ぶ。
嫌な位置を的確に突くサーブ、岩田はなんとか処理をし、樋浦に繋げた。
樋浦はトスアップの体勢に入ったが、ここで前回と違うところが1つ。
なんと山石が躊躇いもなくAクイックに入っているのだ。
流石に勘の良いさやかでも、反応に遅れてしまった。
アッサリと先取点を取られてしまい、会場からも響めきが走っていた。
だが、ベンチにいた麻衣、夏岡の2人は冷静だった。
「やっぱりコンビバレーで来ましたね………夏から練習しているようなコンビですね。まだ粗いですが………意表を突くには十分でしょう。」
「エースバレーじゃ勝ち上がれない、その反省をチームが全体として受け取った結果だ。だけど………ウチはもっと曲者揃いだ。Bチームといえど、ね。」
麻衣は冷静に分析をし、夏岡も見解を述べていたがウチの方が強い、と言わんばかりの沈着さだった。
そしてコートに立っている麗奈も同じだった。
「さやか、みんな、いつも通りでいいよ。兎に角先入観は全部捨てて。そうじゃないとズルズル行くだけだから。」
「了解!」
変化が生み出したものに、小田原南は平常心を保っていた。
だがここから、ノーガードの“コンビバレーの殴り合い”になるということは、誰の目から見ても予想が出来なかったことであった。
次回はセット終了、2セット目でフルメンバーで来た時のレギュラー陣の対応力を見せたいと思います。




