第75セット 橋誉の後輩たち
今回はまあ……2年生編でカギになってくる麗奈の一個下の代の子たちが出てきます。
で、今回は樫崎さんです、紹介。
樫崎琉菜 川崎立花高校3年女子バレー部副主将 川崎北中出身 元JOC神奈川県代表 9月25日生まれ AB型 バレー歴は小4から アウトサイドヒッター 右利き 181センチ 67キロ 3サイズB86W60H86 好きな食べ物 フルーツ全般(魚介アレルギー持ち) 趣味 スノーボード(父が北海道出身のため帰省した際によくやっている)
優佳里の裏でレギュラーを張っている選手で、実績は十分なのだが、秋山からは割と冷遇されがち。
宇月曰く、表で彼女をリーダー的に見せられるように上手く使っているとのことで、宇月に苦手意識がある。
また、優佳里をバレーに誘った張本人ではあるのだが、高校に入ってから注目されたり期待されたりしている方が優佳里なため、嫉妬心を抱いている。
プレースタイルは長身に似合わぬスピード型。
広範囲に動くことができるため、宇月曰く色々使いやすいとのことである。
バレーに関しては真摯的に取り組むのだが、厳しくしすぎるため、後輩からは煙たがられている。
後輩だった芽衣も、一番怖い先輩だったと回述している。
そんなこんなで合宿四日目。
午後の部の最終日だ。
いつものようにトレーニングを行うのか、と思いきや……何やら廊下には別の学校のジャージが。
しかし、ざわついていた。
それは何故かというと……。
「ちょ……え?? なんで橋誉のジャージが???」
そう、麗奈の母校・橋誉中だった。
何故来たのか、というと……。
と、ここで秋山から集合がかかった。
「今日は橋誉中が胸を借りたい、っていうので……合同練習も兼ねて3チームに分かれて練習試合を行いたいと思います。幾ら強豪中とはいえ、224センチで慣らせたいということでしたので……負けたら腕立て30回です。男子も来てますので、男子は男子で行ってください。」
全員が返事をして、持ち場を離れた。
しかし、高校生側には懸念材料が。
急造チームであるということだ。
プラスで疲労がこの3日半で溜まりに溜まっている。
上手く噛み合わなければ敗北は必至だった。
しかもトレーニングで組んだグループで分かれるとのことだったので、不安は尽きない。
ちなみに陣容はこのような形になっている。
A B C
瀬里 莉子奈 韋蕪樹
瑠李 桃華 恵那 (ピンチサーバー)
春希 真理子 彩花 (レシーバー)
藍 芽衣 麗奈 (怪我明けのため、ピンチサーバー)
蓮 春奈 さやか
優佳里 宇月 瑆
ほむら 西巻ともり 琉菜
他数名 他数名 安奈
吉良珠希
諸影梨央奈
と、このように適材適所ではあるが、なにせ急造チームもいいところ、噛み合うかは別問題であった。
と、ここで橋誉中が入ってきた。
大きな掛け声とともに、全員が体育館に一礼した。
そしてウォームアップを開始した。
対する橋誉中は、Aチームだけが来ているとのことで、他は別の高校相手に練習試合を行なっているとのことであった。
既に全中出場を決めているだけあり、中学生とは思えないオーラを纏っていた。
麗奈はその間に、安奈と春奈と共に挨拶に出かける。
橋誉中監督・小倉忠文に。
御年54歳の名将であり、神奈川のバレーボール界では知らない者はいない、名伯楽である。
厳しい教師が多い橋誉の中でも特に厳しいとされており、恐れ慄かられる存在である。
実際太我や大幾が距離を置く、関わりたくないと評するほどなのである。
挨拶に行ったのはいいのだが、麗奈以外は緊張の面持ちをしていた。
「……なんだ、倉石……お前はワラナンに行ったのか。」
「ハイ。」
「ハッ……生意気な野郎だな、相変わらず……ほんで? 手はもういいのか?」
「……全治を計算したら今日から行けますんで。今日はよろしくお願いします。」
「……お前、かしこまるヤツじゃねえだろ……まあいい、道場と高山は……インハイ行くんだろ? だったら成長した姿を見せろよ。」
「「ハ、ハイッ!!」」
3人は挨拶を済ませて去っていった。
連合軍AチームVS橋誉中の試合が始まる。
ボールは高校バレーより一回り小さい4号球を使用する。
ちなみに橋誉のスタメンはこのようになっている。
FL 牧乃恵留 アウトサイドヒッター 172センチ 主将
FC 高橋ひかり(たかはしひかり) ミドルブロッカー 180センチ
FR 仁藤泉水 セッター 170センチ
BR 馬淵嘉奈子 アウトサイドヒッター 176センチ
BC 大沢しょう子ミドルブロッカー 177センチ
BL 民橋切音 オポジット 169センチ
リベロ 芹澤箏子 159センチ
キャプテンの乃恵留を中心に、去年よりは低めではあるが、バランス良く纏っているチームであり、ブロックの良いひかりと「世代最強セッター」との呼び声高い泉水の3人が核を担っている。
今回は麻衣が審判を務めることになった。
笛が鳴り、両チーム握手を交わす。
チームキャプテンは、ほむらが務めることに、連合軍Aチームはそうなった。
サーブは連合軍チームの優佳里からだ。
「……いいのか? 涼子……チーム毎でやるならまだしも……なんで連合軍でやらせたんだ?」
「……まあ観たら分かるさ……この3日でわりかし絆が深まってる。たかが3日……って思うだろ? でもされど3日さ。いずれ宏香のところも国体に送る選手が出てくるだろうしな。その時のための“慣れ”さ。これに順応出来なきゃ……国体に選ばれる資格はない。」
「そういう意図、か……」
「……さて……私の方もお手並み拝見だな。神奈川最強と神奈川の最も勢いに乗るチームと……そして中学最強を恣にする橋誉と……どう化学反応が起こるかを、な……」
そして試合展開は秋山の思い通りに上手いこと融合するのであった。
優佳里のサーブをリベロの箏子が少し乱されながらカットし、泉水に繋げた。
泉水はコートをチラッと見てブロックを確認する。
(なるほどね……だったら乃恵留で様子見かな。)
泉水は膝を曲げてオーバーパスのようなトスを挙げた。
トスの先はエースであり、主将の乃恵留。
乃恵留は左手を高々と掲げたフォームだ、出所が少し見えにくい。
瑠李と瀬里がブロックに跳ぶ。
が、しっかり着いたブロックだったが、二人が衝撃を与えたのはここからだった。
乃恵留が振り下ろした右腕から繰り出されたボールが瑠李のブロックを弾き飛ばしたのである。
そして蓮も取れないくらいに奥に行き、壁に大きな衝撃音が鳴り響いた。
圧倒的パワーであった。
「……これ、春希越えてるんじゃない……?? なんてパワーなの……」
瑠李を驚愕させるほどのパワー、これが全中優勝メンバー唯一の2年生レギュラーだった牧乃恵留の破壊力を目の当たりにし、連合軍Aチームは一層気を引き締めたのであった。
次回は引き続きAチームVS橋誉。
登場人物紹介はほむらさんです。




