第69セット レッツ・人狼ゲーム!(後編)
投稿が遅れてしまって申し訳ございません。
色々忙しかったので……
今回は人狼ゲーム回後半戦です。
サクッと終わらせて、翌日に移します。
今回は沖屋さんを紹介します。
実はめっちゃ設定が重いキャラですから、僕もいいキャラで書きたいと思います。
沖屋優佳里 川崎立花高校女子バレー部3年 川崎北中出身 アウトサイドヒッター 12月26日生まれ AB型 右利き バレー歴は中1から 174センチ59キロ 3サイズB84W59H85 好きな食べ物 鯵の刺身 趣味 読書(紙派)
川崎立花高校のエースで、春高編の最大の脅威。
無名のところから神奈川No. 1と称されるエースに成長した。
1人でいることが多く、協調性がないように見えるが、本人が超がつくほどのコミュ障で、人の前に出ることが苦手な内気な性格なため。
その分、人一倍優しい健気な性格をしている。
親が非常に否定的な性格で、非自信家に育ったのもそのため。
芽衣曰く、中学時代は「ワケありがすぎる」と評するほどで、才能は当時からあったとのこと。
たまたま当時の県大会の試合を見に来ていた秋山に才能を見抜かれて、スポーツ推薦を得た過去を持っており、秋山には感謝している。
選手としては、堅実なプレーもできるため、いい具合に纏っているように見えるが、柔らかくしなやかな腕から繰り出されるスパイクはタイミングが独特で、止めにくい。
プラスでコントロールもいいので、それがナンバーワンたる所以。
霊能者がどちらが本物かを争っている中、次第に日は流れていく。
人狼側は、初日に莉子奈が追放される波乱がありながらも、冷静にツッコミができる瀬里と、駆け引きには滅法強い麗奈という磐石な体勢。
更には藍と桃華の裏切り者コンビが騙りを上手いこと活用し、場を乱していった。
4日目に瀬里が追放されたが、麗奈の立ち回りの巧さは流石の一言。
表情を一切変えずにトークを軽快に繰り出していくので、場を完全に掌握していたのは麗奈だった。
一方で市民側は、麗奈に翻弄され、猜疑心を持ったままだった。
結果的に最終日、残ったのは麗奈、蓮、藍の3人だった。
さて、最終日。
真理子が麗奈の手で始末され、この3人となった。
藍がまず手を挙げる。
現状では麗奈と藍が結託して蓮を追放すればいいパワープレイになるのだが、麗奈は正直どちらが追放されても自身さえ生き残れば勝ちなので、全く連携は意に介さなかった。
「蓮は……人狼じゃなかった。」
まあ、元より藍が裏切り者だとは麗奈は気づいていたが、ここにきてまさかの身内切りだ。
だがこれも駆け引き。
麗奈は顔にも声にも、このことを出さなかった。
「え、ってことはさ、麗奈が人狼ってこと!?」
「藍さん目線はそうなるよ。けれど……藍さん自身が人狼だったら? だけれどそれも違う、なぜなら恵那さんが初日で藍さんは白と出た。つまり恵那さんが本物だったら裏切り者。つまり私は敢えて蓮に白を出したのは蓮が人狼で、私を追い詰める算段と踏んだ。それが私の推理。」
(藍さん、天然なのか、策略なのかは分からないけど……藍さんが私に指さえ刺さなければいいし、そこは大丈夫だと思う。)
「それだったら麗奈だってそうじゃん!! てか自分が置かれた立場わからない!? もう一体だけなんだよ!?」
「蓮目線は私を人狼で疑うしかない、正直私が不利なのは分かってる。だけど私は負けないよ。絶対に。」
「はあ?? どういうことよ??」
「それは……いずれ分かるよ。人は疑うべきだって分かるだろうから。」
意味深な言葉を残した麗奈。
投票の時間になった。
麗奈は迷うことなく蓮を指し、蓮も麗奈を指す。
問題は藍が分かっているかどうかだった。
藍は蓮を指差した。
「え……藍さん、裏切り者……!?」
「そ。3日目で気づいてたよ。藍さん、瀬里さんに白を出した時から。そのタイミングで瀬里さんが追い出されて……敢えて桃華さんを噛んだタイミングで私の勝利はもう手中に入った。あとは私がたまにパッと言うくらいで立ち回れば恵那さんも追い出せるし、彩花さんに疑いを持たせることができた。それが蓮が気づけなかった理由。」
「マジか……負けたーーー!!!」
ということで、人狼チームの勝利になった。
最後は麗奈の貫禄勝ちで終わったのだった。
合宿2日目。
ウォームアップのボール繋ぎを終え、昨日と同じメニューをこなしていく両校。
その最中で夏岡と秋山がまた、話し込んでいる。
その話題というと。
「宏香……優佳里の話をしようか?」
「? あー、そういえば聞いてなかったね。中学時代、無名だったのが神奈川No. 1のエースに成り上がった。涼子の指導の賜物っていう風に聞いてるけど?」
夏岡がそういうと、秋山はまたタバコを蒸し、一息つく。
「……みんなそう言うよ。けれど……アイツがそうなったのはアイツが死に物狂いで努力したからだ。……何故か分かるか?」
「……まあ、明るい子じゃない、寧ろ暗い子だなー、とは思ってるけどね? それがどうしたんだい?」
「そう、その暗さだ。暗すぎるが故に……その『才能』を見抜けなかったんだ。川崎北中の指導者は。」
「え……ちょっと待って、涼子、何言ってるのか分からないんだが??」
夏岡は意味が全くわからずに、秋山にその意図を改めて聞く。
「実は……アイツをスカウトした時は色々と問題があるヤツでな。優佳里自身はいいヤツだし、素直で健気なヤツだ。問題があったのは川崎北中の指導者だけじゃない、優佳里の周囲に問題がありすぎた。それに尽きる。」
「……よほど重い話なんだろうね……」
「ああ……ドン引きするぞ? アイツは今でもああいう、人前に出られない性格なのは変わってないさ。だけど根底にあったのは……『試合に出たい』、そういう想いを知ったからさ。その理由は……」
夏岡が固唾を飲む。
秋山はタバコをまた一つ吸い、こう言った。
「……御宅の金田から詳しく訊けばいいだろう、内部事情は。……アイツは中学時代、一試合も試合に出てないんだ。」
「……ハァ!?!?」
夏岡は今まで以上の大声を出し、驚愕した表情を見せた。
秋山は表情を変えずにタバコを吸う。
「……3年前、か……私がまだ赴任したばかりで……県大会のスカウトに行った時だ。その時私がまだコーチだったのは宏香も知ってるだろう?」
「あ、ああ……」
夏岡は一つ咳をし、落ち着きを取り戻した。
「今の3年生の代が一年生として入ってくる頃には監督は確約されていた時期だからな……何せ母校の監督の立場だ、プレッシャーはあった。だからこそ有望な選手を見つけて育てるのが使命感としてあったんだ。……試合前のウォームアップで……優佳里のスパイクを観た衝撃は忘れられなかった。……身体の使い方が恐ろしく上手く、しなやかで柔らかかった。それでいて強烈なスパイクをぶち込むんだ、脳裏に焼き付くのも当然だろ?」
「そりゃあ……そうか……」
「その後で試合になった時に驚いたよ。……ちょうど、相模原東との試合、準決勝だったからね。優佳里がコートに立ってないんだ。リザーブで構えていて、な。」
「……え……??」
「ビックリするだろ? アレだけのスパイクの持ち主が……宝の持ち腐れになるんだから。しかもコートに立っている誰よりも凄いのを打っているにも関わらず、だ。レシーブに欠陥があるのか? 最初はそう思った。でも違った。レシーブも上手いんだよ。驚くほどに。名鑑を見て3年生って知って更に驚いた。かといって学校の成績が悪かったわけでもないし……謎が謎を呼んだんだ。その理由はスタンドで応援している下級生に聞いたからね。」
「……じゃあ、まさか……性格が暗いから干されていた……!?」
秋山から聞いた話から推察し、夏岡は悪い意味で寒気がした。
秋山はまたタバコを吸い、その問いに答えた。
「ああ。そのまさかだ。川崎北の監督に……『暗い性格』=『協調性が無い、使えない』と判断されていたんだ。しかもアイツは『3年生』というだけでベンチに入っていた、それを知った時……私は大激怒した。今までの人生でアレ以上の怒りは無い。今でもコミュ障は治っちゃいない、それでもマシになったレベルさ。……あの時……試合が終わって、アッチのチームミーティングが終わった後、私は川崎北の監督に猛抗議したんだ。『何故アレだけの選手を試合で使わなかったんだ』……ってね。」
秋山は懐かしそうに優佳里と出会った想い出を話した。
「……そういうことか……涼子が本気でキレたら……どうなるかは予想できないけど。」
「アレだけ選手のために怒ったことはないよ。しかも自分のチームの管轄外の所に内政干渉するようなモノだからね。でもそうせざるを得ないほど……あの時は怒りで我を忘れていたよ。」
秋山は、優佳里をスカウトした秘話を語っていく。
それは夏岡の指導にも大きな影響を与えることとなるのだった。
次回は優佳里さんの過去を語ります。
アマチュアの指導者をめっちゃdisる内容になるかもですが、自らのエゴで有望な選手を潰すケースが多いのが現状です。
秋山の指導者の信念も見えるかと思います。




