第6セット 紅白戦への特訓開始と世にも珍しい男子マネージャー
この回は知崎くんを喋らせますwwwちなみに彼はこの話のあと、めちゃくちゃ可愛がられます(物理)
あと、春希のお茶目な部分が最後に出てきますのでお楽しみにwwww
「おはようございます………って、あれ? 知崎くん??」
体育館に来た麗奈が見たのは小柄な男子の姿。
そう、知崎大幾だった。
彼は麗奈の双子の弟・太我の親友で、元バレー部だった。
余程の理由がない限り男子バレー部がいくら無かろうと、わざわざ女子バレー部に入部したいなんて思わないはずだ。
大幾は決して上手いわけではないが、バレー愛は高いので、それが影響したのだろう。
「え?? 麗奈ちゃん、あの子と知り合い??」
「弟の友達。」
「え!? 麗奈ちゃん、弟いたの!?」
「双子の、だけどね。太我がしょっちゅう知崎くん家に遊びに行ってたからさ。それで覚えてる。」
さやかの反応に相変わらずサラッとした表情でサラッとした答えを返した麗奈。
そして大幾が二人に寄ってきた。
「あ、あの! 今日からマネージャーをすることになりました! 知崎大幾です!! よろしくお願いします!!」
「……知崎くん。」
「ハ、ハイイイイイイイ!!」
「……別に……畏まらなくていいから。同学年なんだから。そういうのは先輩に言うべき。」
「れ、、麗奈ちゃんそういうの嫌いなの……?」
「好みではないね。……てか他に私たち以外の一年生いるの?」
「ああ、それなら部室に……」
「わかった。ありがと。」
そういって、二人は部室へ向かっていった。
まあ、もっぱら着替えるだけなのだが。
「おはよーごっざいまーーーすッッッ!! ……って3人だけかい!」
ノリのいい挨拶と共にさやかはセルフツッコミをかました。
部室にいたのは3人の一年生だった。
「なんか、すごいの入ってるね。いい意味で。見学会の時こういう人先輩でいなかったよね?」
「アハハ……うん、バレーは初心者。あ、私、岡倉さやか!よろしくー。」
「い、、一年生か……。てか中学No. 1セッターまで一緒ってどういうことよこれ。」
「一般受験で普通に受かった。」
「いやそうじゃなくてさ……。」
「別に、注目されている選手が強豪校に行くとは限らないでしょ? その例が今ここにいる何よりの証拠。」
「度胸ありすぎじゃない? てか噂通りの無表情だわー。あとこんな真顔で盛大にボケかまされるとやりにくいんですが、私たちとしては。」
「……褒めてるの? それ。」
「うーん、どうだろ。」
相変わらず無表情でサラッと受け流す麗奈に微妙な反応をした部室にいた3人。
そして自己紹介をする。
「ああ、自己紹介まだだったよね。私は『松尾蓮』。リベロだよ。」
「浪川真理子。最高到達点3メートルなのが自慢だよ。」
「金田芽衣。川崎北中出身です。」
3人自己紹介をし終わった後、麗奈はあることに気づいた。
「………あれ? 川崎北中って、橋誉と県大会の決勝で当たってるよね? 私の代で。」
「あー……うん、当たった。」
「その時ブロックアウトが上手い人いるなーって思ってやってた。それ金田さんなの?」
「結果ぼろ負けだったけどね。てか川崎北中のこと覚えてたんだ。私のことうろ覚えだったけどさ。」
「やっぱりか。……まあ、そう言ってくれると助かる。私としても、武器が分かっている人の方が組み立てやすいから。」
この時部室で着替えている麗奈以外の4人はこう思ったことだろう。
生粋のトスバカだと。
こうして練習が始まった。
一通り練習メニューを終わらせて、スパイク練習に移った。
夏岡がボールを投げ入れ、桃華と蓮がレシーブをし、セッターの瑠李と麗奈に返していく。
それをスパイカー達が打つという練習だった。
正確な桃華のレシーブと共に瑠李がトスを上げる。
それを莉子奈はストレートにボールを打つ。
スパーン! という音が体育館内にこだまする。
夏岡はどんどんボールを入れていき、桃華、蓮とで交互に回していく。
一方で大幾はボールを夏岡に投げ終えたら次のボールを渡していく作業を黙々とこなしていった。
瑠李自体もトスは一級品だが、麗奈と比べるとどうしても少しブレている。
瑠李と麗奈のトスの違いをわかりやすく例えると、麗奈はスフレのような柔らかく繊細なトス、瑠李はカカオの含量の多いチョコレートのような優しさが欠けたトス。
どちらが気持ちよくスパイクを打てるかと聞かれたら麗奈と誰もが答えるだろう。
それくらい、二人のトスには明確な差があった。
こうしてスパイク練習を一通り終え、全体の練習が終わった後、BチームはAチームに勝つために特訓を開始した。
Bチームのメンバーには、恵那と彩花が入ることとなっている。
だが、問題はサーブ役だった。
ミドルで回そうにも、恵那のローテーションではさやかが打つことになる。
練習になるかどうかは未知数だったし、麗奈としても、恵那の動きを見て覚えさせる必要があった。
だったら大幾にその役を任せるか?そう考えていると、春希がやってきて話しかけてきた。
「サーブ役でよかったら付き合おうか?練習に。」
「……河田先輩、いいんですか??」
「いいよ、私は全然。莉子奈とか特にそうだけど、ああいう感じだしさ。みんな。」
「感謝します。」
「よし……それじゃあやろうか。大幾、ボール拾いよろしく!」
こうしてエースの春希の胸を借り、コンビネーション練習に取り組んだ。
サーブを打っていく春希。
敢えてさやかを後ろのローテーションに配置して、動きを覚えさせることにする。さやかの枠のリベロには蓮が入っている。
Bチームの初期ローテの配置はこうなっている。
FL 金田芽衣
FC志崎恵那
FR倉石麗奈
BR加賀美彩花
BC岡倉さやか(リベロ松尾蓮)
BL浪川真理子
となっている。
蓮は基本的にバックセンターのローテーションの時に入ることになっている。
そこから相手の得点から自分の得点になった時に一つ回していくのがバレーボールの基本的なルールだ。(連続得点時にはローテーションは発生しない。)
蓮がレシーブをし、麗奈がトスを上げ、それを芽衣が打っていく、という流れになった。
精密機械のようなトスが芽衣に上がり、クロスのコースに目掛けて打ち抜いた。
これを状況に応じてローテーションを回しながら繰り返していった。
これを見ていた春希は、というと。
「やっぱ……麗奈のトス上手いなあ。私のスパイクのタイミングも一瞬で掴んでたもんなあ。そりゃ一回合わせたら分かっちゃうか。タイミングが。」
「え、ええ……。僕もあのトスを側から見てきたので……。本当に……綺麗なトスですよね……。」
サーブを打ちながら大幾と会話している春希。
それだけにフワッとしたトスをする麗奈には玄人ウケする見応えがあった。
「ホラ……来るよ。」
春希がそう言ったのは、麗奈とさやかが合わせた時。
彩花から上げられた正確なレセプション。
それに通じるかのように、麗奈がジャンプトスをし、さやかはそれに合わせた。
Aクイックだ。
さやかの動きはまだぎこちない部分はあって、いかにも初心者のスパイクの入り方だったが、それを感じさせないのは、麗奈のトスの精度もあるのだが、何より190センチ近い長身を誇り、手足も長いさやかの身体的特徴と身体能力の高さが窺えた。
ムチのようにしなった腕を振り下ろしたさやかのスパイクは、初日とは比べ物にならないくらい、竹を割ったような、パコーン!! という気持ちいい音が鳴った。
そのクイックは、アタックラインの丁度位置するところに打ち込まれていた。
これにはチームメイトが驚愕した。
「えーーー!! 初心者でアレだけ打てるの!? さやか!!」
真理子がいの一番に大声を出して驚いた。
「え……そんな凄いの??」
初心者が故のキョトン顔を炸裂させたさやかに対し、周囲の反応は上々といったところか。
……麗奈以外。
「いやスゴイって!! いくら大きいといってもアソコまで打てる人いないよ中々!!」
「うん、自信持っていい。」
「いやー、照れるな〜。麗奈ちゃん、これからもガンガン上げてって!」
これに麗奈は冷淡ではあった。
「……それを決めるのは私だから。あと、さやかのスペックならこれくらい出来ていいと思う。」
「アハハ……あいっかわらず辛辣……。」
これにはさやかも、その他全員も苦笑いを浮かべていた。
春希は一方で。
「……大幾、お前……可愛いな……。」
「え! ななななな、、、なんですか!? 急に!!」
突然の逆ナンパにテンパった大幾だった。
「アハハ、やっぱその反応も可愛いなあ、顔もだけどさ。」
「そ、そんなこと言ってないでサーブ打ってくださいよ!!」
明らかに春希は大幾をからかっていた。
「……困ったらさあ…おねーさん達に頼んなよ?? なんでもしてあげるから……さ?」
ニヤッと悪戯に笑った、春希の意味深な言葉に、大幾の顔は一気に紅潮した。
サーブを打ちながら光ったのは春希の母性だった。こうして自主練習の時間は過ぎていったのだった。
そして自主練習の様子を上のエントランスで見ていた人物がいた。
「……へえ……。結構いいじゃん。噂より全然。」
そう呟いた、麗奈によく似た顔の男子。そう、太我だった。
「……姉貴も楽しそうで何よりだな……。昔はこんな顔してやってなかったしな…。あと、あのデカイやつ、初心者って話だけど、マジですげえな……。俺は頑張ってもあそこは永遠に無理だしな…。てか大幾のヤツ、何デレデレしてんだか。」
大幾に少しばかり本音を漏らした太我は、自主練習が終わる頃には立ち去っていった。
実は大幾はドMです。この言葉にM男は歓喜してくださいwww
春希の言ったセリフは、、回収されることはありませんww本編ではwww
次回から登場人物を紹介していきます。初回は麗奈です。




