第55セット 覚醒の片鱗・セット奪取への道標
第2セット終盤まで来ました。
果たして小田原南は逃げ切れるのか、そして麗奈の胸中は如何に。
ちなみに物語は本当に序盤です!!ww
今回のトピックスは、「何故今作のキャラは『巨乳』が多いのか」です。
「何故巨乳キャラが多いのか」
単純に僕自身が巨乳好きだ、というのはあるんですが、女子バレーボーラーって、「巨乳の選手が案外多い」というイメージでは皆さん無いでしょうか。
僕は、あくまでも持論でしかないんですが、大胸筋にあると思っています。
腕を振り上げたり、打ち下ろしたりするのに大胸筋が引っ張られることで、筋繊維を傷付け、そして修復されることによって、筋肥大が起こるのです。
また、レシーブでも腕を引きつけるので、大胸筋は少なからず使います。
では何故、麗奈は貧乳なのか。
答えは簡単、麗奈は手首だけで正確なトスを挙げることが可能だからです。
つまり大胸筋はほぼ使っていない、プラスで体幹が強いので、そういう華奢で貧乳の格好なんです。
また、ジャンプ力の高い選手は、ヒップを大きくしています。
真理子がいい例ですね。
真理子は深く沈み込む助走なので、大臀筋を使うため、それが強力なバネになるんですよね。
僕も現役時代は、ハムストやケツが今より一回り大きかったんで、それなんじゃないかな、と思います。(隙自語)
あとは皆さん期待しているであろう、おっぱいの揺れ。
これは今作では一切ありません。
何故か。
僕が中学高校とバレーをやってきて、一度も見たことが無いからです!!
これも考えました。
「筋肉量と脂肪とのバランスが丁度いいから揺れることがない」んじゃないか、僕はそう考察しています!!
あと、日本人女性は真上に跳べる選手が少ないというのが僕の印象です。
それもあるのではないのかな、と僕はそう思います。
20-16と、逃げ切り態勢に入った小田原南。
だが、ここで由希は、エースの詩穂にボールを託し、詩穂は強烈なバックアタックをコートに捩じ込む。
3点差まで追い縋られてきた。
由希がジャンプフローターサーブを放った。
高速で伸びてくるサーブ。
桃華はなんとかカットし、瑠李に繋げた。
瑠李はさやかに託し、Bクイックを挙げた。
麗奈ほどでは無いにしろ、瑠李もトスは速い。
さやかは渾身のパワーでストレートに打つが、ブロックに跳んでいた夏帆がワンタッチを取り、小田原南コートに返る。
莉子奈が「オッケー!」と言いながら、潜り込んでオーバーハンドで処理した。
瑠李とさやかの目が合う。
まるで共鳴していたかの様に。
さやかは今度はAクイックに入った。
((決まるまで……何度でも!!))
さやかは高い打点からクイックを叩き込んだが、沙織も負けてはいない。
必死にワンタッチを取り、ボールは後ろに逸れ返る。
咲良がジャンプして、ワンハンドでボールを取った。
しかし、取るのがやっとだったため、短い。
クイックは使えない。
由希はアンダーハンドトスで夏帆へと挙げた。
夏帆は少しネットから離れたトスを、助走して跳び上がる。
夏帆の左腕から強烈なクロススパイクが放たれた。
重いスパイクを、瑠李が膝を床スレスレまでに突き出して、胸でレシーブした。
が、勢い的にもアウトになりそうなレシーブだった。
諦めかけたその時、救世主が現れた。
さやかだった。
跳び上がって、腕を目一杯伸ばしていた。
「しまっ……」
夏帆も慌ててジャンプしたが、時すでに遅し。
さやかは手首を使って、ボールをコートへ叩き落とした。
さやかは渾身のガッツポーズを取った。
「さやか、助かった。」
「なんのです!!」
瑠李が声を掛けて、さやかも眩しい笑顔で応えた。
2点差と4点差では、精神の持ちようが両者違ってくる。
2点差になれば小田原南が焦るし、4点差なら大和碧南が焦りを禁じ得ない状況だ。
実際にそうなってもおかしく無い状況だが、大和碧南には其れは見られず、寧ろ開き直りすら心境としてはあった。
第2セットを落としても問題無し、という風な顔だ。
瑠李はエンドラインより後ろで息を一つ吐いた。
笛が鳴り、瑠李は両手挙上型のジャンプフローターサーブを放つ。
ストレートのサーブが詩穂に襲いかかる。
詩穂は身体を左に向けてカットする。
由希は少し溜めてジャンプし、詩穂へトスを挙げた。
詩穂に焦りはない。
脱力されたジャンプから強烈なバックアタックを放った。
さやかの左腕側を通過したボールは、レシーブの良い莉子奈の腕を弾き飛ばした。
飛んでいったボールはアンテナに直撃した。
これで再び3点差。
小田原南メンバーは再び気を引き締め直した。
詩穂を止めない限り勝てないと。
が、現実は無情だ。
さやかで決めきることが出来ず、逆に詩穂に攻め立てられ、1点差まで詰め寄られてしまった。
夏岡はタイムアウトを取り、メンバーを集めた。
「一回切り替えよう! 焦らない、いいね!?」
返事をした後、メンバーは水を口に含む。
瑠李はコンビネーションを確認する。
どれが行けて、どれが決めきれていないのかを30秒の間に入念に確認していった。
タイムアウト終了後、全員の表情が引き締まっていた。
「……みんな、分かってるみたいですね。」
麗奈は呟く。
「ああ。大幾の取ったデータを見て判断していた。みんな……逆転されまいと思ってるだろうね。」
麗奈は冷静に戦況を語る。
「私だったら……ここは敢えてさやかを使わない。私だったら韋蕪樹さんで行きますね。今日一番決めているといっても過言ではないですから。」
「同感だね。……このローテは攻撃力のある3枚が揃ってる。けどさやかを警戒されていて、向こうは春希に集めると思っているはず、つまり……韋蕪樹へのトスが最もハマる場面だ。」
麗奈、夏岡の2人は韋蕪樹に挙げることを予想し、戦局を見守った。
沙織のサーブが放たれる。
韋蕪樹がレシーブし、Aパスで瑠李へと繋がった。
と、ここで夏岡と麗奈は信じられない、といった表情でその光景を目にした。
春希、さやか、韋蕪樹の3人がクイックに同時に入っていたのだった。
しかも、前方向だけに。
「と……トリプルクイック……!?」
リザーブにいた瀬里が驚嘆の声を挙げた。
面食らっていたのは、対峙している大和碧南が最もそうだろう。
博打も大博打。
しかもトリプルクイックなど、殆どお目にかかれない大技だ。
瑠李は迷うことなく高速トスを遥か奥へと挙げた。
韋蕪樹だった。
夏帆も必死で食らい付いてブロックに跳ぶが、正面すぎた。
こうなれば韋蕪樹なら決められる。
ターン向きクロスで、ロングBクイックをコートに叩き落す。
夏帆の右を抜き、由希も弾いた。
これで22-20とし、さやかはサーブに下がっていった。
「……韋蕪樹で来ると思ったけど、まさかトリプルクイックとはね……」
ベンチで座り、畏怖の念も込めて、夏岡はニヤリと笑っていた。
「……セオリー度外視のトス……タイプは違うでしょうけど、小田原南の本来の姿の様にも見えますね……」
麗奈は氷嚢を持つ左手をギュッと握りしめた。
怪我を負っているとはいえ、自分も負けていられないと。
さやかがサーブに下がるが、夏岡はピンチサーバーを出さない。
「……ここはさやかの“可能性”に賭けよう……本人もキツいだろうけど、ここは信じるしかない。」
夏岡は真っ直ぐにコートを見つめている。
絶対モノにしたいセットだったからこそ、さやかの“急成長”に賭ける選択をした。
麗奈もこれに頷いた。
さやかは一つ息を吐く。
フローターサーブを放ち、それはコートに入った。
咲良がレシーブし、由希にAパスを繋いだ。
由希は夏帆へのライトセミ時間差を託した。
夏帆はストレートへ打ち抜き、莉子奈はさやかと前の奥行きが被る様に走り込んでレシーブをした。
「莉子奈さん!」
「私のことはいいから! アンタは次!」
綺麗に上がったレシーブを瑠李はジャンプトスをする。
と、その時、高めの声が瑠李の耳、いや、コート内全員に響き渡った。
「持って……こぉぉぉぉぉぉい!!!!」
さやかだった。
一瞬目をさやかの方に見張る。
瑠李は左の口角を上げる。
誰もがさやかに挙げると思っていたトスを、瑠李は春希に平行トスを託した。
さやかに目が行っていた大和碧南の全員は、完全に虚を突かれた。
「信じてたよ……瑠李!!」
ノーブロックになったところに、春希は思い切りボールを叩きつける。
これで23-20。
瑠李の強かさと、それまでのさやかの目立ち具合がそうさせたのだ、完全に流れを掌握した。
さやかは尚もサーブを放つ。
詩穂がカットし、由希に繋げる。
詩穂がバックレフトから助走態勢にもう入っていた。
由希はやや低めのトスを挙げる。
高速バックアタックを詩穂は放ち、脚の長いスパイクがさやかを襲った。
ポジショニングが多少甘かったが、さやかは必死になってレシーブで食らいつき、詩穂のスパイクを挙げた。
が、真上に上がりすぎたことで短くなる。
瑠李は二段トスで春希へと挙げた。
春希も渾身のスパイクを放つが、茜里に弾かれる。
藍はこのリバウンドを、さりげないオーバーカットで取り、走り込んでくる瑠李に合わせてAクイックに入った。
瑠李はこの場面をさやかに託した。
さやかはアタックラインを踏まないよう慎重に跳び上がった。
とはいえ、長身で運動能力も高いので、躍動感があった。
ブロックは3枚来ている。
いつものさやかなら、お構い無しに力づくで打ち抜いていただろう。
が、ここでさやかは、フェイントを選択した。
完全にタイミングを外された大和碧南。
後ろに構えていた咲良は、自慢のスピードを持ってしても間に合わず、24-20となり、小田原南がセットポイントを奪取した。
リズムも流れも、このセットはモノにしたようなものだった。
次のサーブのターン、由希はAカットされたボールを詩穂に託したのだが、藍がブロックポイントを決めて、25-20。
小田原南がセットポイントを奪い取り、フルセットまでもつれさせたのだった。
さやかの冷静さ、全日本級。
次からは第3セットに突入します。
お楽しみくださいませ。




