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第54セット 姉弟子と妹弟子

激戦の中での瑠李とさやかの築き上げた関係性。

それを紹介出来たらと思います。


今回のトピックスは、小田原南女子バレー部の「実は」、を紹介します。


麗奈→実は、男装趣味

さやか→実は、腕相撲がめちゃくちゃ強い

莉子奈→実は、ギターを弾ける

瀬里→実は、サッカーだけ左利き

瑠李→実は、親の再婚前の姓は「川島(かわしま)

春希→実は、少女漫画コレクター

藍→実は、方向音痴

韋蕪樹→実は、将来の夢はバンドでメジャーデビューすることである

恵那→実は、猫アレルギー

桃華→実は、毎朝牛乳を飲んでいる

彩花→実は、超がつくほど腐女子

蓮→実は、ヒキガエルより蛇派

真理子→実は、特撮が好き

芽衣→実は、太我のことが密かに気になっている

大幾→実は、オバケが苦手

夏岡→実は、利き酒が出来る

 さやかが前衛に上がってきたタイミングで、夏岡が動いた。


莉子奈に変えてワンポイントブロックで瀬里、藍のピンチサーバーで芽衣を投入した。


サーブに入った芽衣は、ボールを両手で床に突き、息を整えた。


瑠李がここで瀬里に声を掛ける。


「瀬里、()()()()()()()、ブロック。」


「おっけ、わかった。」


2人の密約がこの後ゲームを大きく動かすことになった。



 芽衣はジャンプフローターサーブを放つ。


サーブは咲良に飛ぶ。


咲良はオーバーカットでレセプションをし、Aパスで由希に繋げた。


由希はBクイックを選択したが、ライトに付いていた瀬里がこれにワンタッチを取り、大和碧南のコートに返った。


これを佳奈が処理して再度由希に繋げる。


沙織はAクイックに入る。


由希は、レフトにトスを挙げた。


速く鋭いトスだ。


とはいえ、詩穂、沙織の2枚に対しては、両サイドでリードブロックで対応している。


瑠李が囮になって沙織に飛び、さやかと瀬里の2枚で詩穂に対応した。


2枚揃うブロックだったが、詩穂はお構いなしに瀬里に向けてスパイクを打ち抜く。


瀬里はワンタッチを取り、ボールは小田原南コートの奥に飛ぶ。


芽衣が走り込んでアンダーハンドで高々と上げた。


瑠李は2人をチラリと見る。


瀬里がタイミングを合わせてクイックに入る。


さやかは()()()()()()()トスを待つ。


瑠李はどこを選択したのかというと。


さやかへのレフトへのトスだった。


サードテンポでフワッと挙がったトスを、さやかはタイミングを合わせて助走を取った。


ブロックは3枚来ている。


だがさやかはそんな事はお構い無し。


長い腕を目一杯伸ばして、由希の上からスパイクを捩じ込んだ。


夏帆も取りきれず、19-14となった。



 その後のサーブのターン、由希は詩穂のライトへのトスを挙げ、瑠李のブロックを弾き飛ばして15点目を奪取した。


ここで瀬里は莉子奈と変わる。


芽衣は桃華とスイッチした。


ここからが怖いターンになる。


()()()()()()()()()()だからだ。


会場に緊張感が漂う。


莉子奈はさやか以外の全員に後ろに下がるように指示する。


詩穂がボールを高々と上げ、跳び上がってジャンプサーブを放った。


あまりの強烈なサーブに春希は後ろに弾き飛ばしてしまい、サービスエースを奪われた。


詩穂はガッツポーズを取り、雄叫びを上げた。


これで19-16となり、ジリジリと詰め寄る。


プレッシャーがのしかかって行く中で、再度笛が鳴った。


詩穂は強烈なジャンプサーブを韋蕪樹に放ち、韋蕪樹は横に滑りながらサーブを処理したが、強すぎて大和碧南コートに返った。


これを咲良はオーバーハンドで処理する。


由希はこの勝負所で姉へのバックアタックを選択した。


ライトからの強烈な一撃は、さやかの高いブロックをも弾き飛ばした。


が、これは桃華の射程範囲内。


桃華はオーバーハンドで処理し、瑠李に繋げた。


瑠李は春希へのバックアタックを選択した。


春希は待ってました、と言わんばかりに迷う事なくバックレフトからジャンプした。


が、春希が打ち抜いたところに由希が待ち構えていた。


ブロックされたボールは真下に落ち、エースが止められての失点で2点差まで詰め寄られた。


夏岡はここで1回目のタイムアウトを取った。



 「落ち着け! 触れないことは無いんだ! 気を引き締めて、今まで通りやろう! いいね!?」


これに全員返事をする。


瑠李はさやかと目を合わせる。


次、挙げるよ、というアイコンタクトを取る。


そんなこんなでタイムアウトの30秒が経過した。



 みたび詩穂のジャンプサーブが襲いかかる。


桃華が正面でなんとか取ったが、Bパスになる。


ここで瑠李が選択したのは、さやかへの縦のAクイックだった。


この2ヶ月、2人がBチームにいる間に磨き上げてきた至極の技だ。


それが今、全国を賭けた大舞台で発揮されようとしていた。


さやかは、視界に入ったボールを()()()()()打ち抜き、20点目の節目に自らの右腕で乗せたのだった。


バレーボールのクイックで、最もコンパクト且つ、最大限の高さが出るクイックだ、その分ディグのタイミングも狂う。


詩穂のサーブを2点で凌ぎ切り、逃げ切り態勢に小田原南は入ったのだった。


「さやか、そんな感じだよ、縦クイックの打ち方は。今の感じで縦は行こう。」


「ハイ!!」


「アハハ、もうすっかりいいコンビになってんじゃん、2人とも!!」


さやかを伸ばす瑠李の声掛け、笑顔でそれに呼応するさやか、そしてそれを見守る春希の現在の前衛の構図。


それは、2人の姉弟子が、1人の妹弟子を実の家族のように可愛がっている様に写っていたのだった。

次回は第2セット最終盤。

禊応の時のような激闘に仕上げますんで、次回もまた宜しくお願いします。

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