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第50セット 「火力」

第1セット終了となります。

どのような結末が来るかはお楽しみに。

登場人物紹介、今回は佳奈です。


大串佳奈(おおぐしかな) 大和碧南高校女子バレー部三年 横浜創成中出身 バレー歴は小1から アウトサイドヒッター 175センチ 59キロ 3サイズB84W57H86 好きな食べ物 コーンフレーク 趣味 ジョギング


詩穂の対角ではあるが、選手としては技巧派で地味な選手。

ただその分安定感は抜群で、監督からの信頼は熱い。

性格はこれといった特徴はないが、気配り上手で後輩想いな性格。

 第1セットも佳境に入り、小田原南と大和碧南はかなり競り合っていた。


藍がサーブを打つ。


咲良が正面でレセプションし、由希に繋げた。


由希はこの場面で、エースの詩穂に託した。


力強い踏み込みで跳び上がった詩穂。


麗奈と瀬里がブロックに跳ぶが、詩穂はそんな簡単に止まるほどヤワではなかった。


豪快に放たれたスパイクが麗奈のブロックの上を通過し、韋蕪樹も藍も取れなかった。


20-23。


あと2点で大和碧南は、セットを取れるところまで来ていた。


藍は桃華と交代した。


「ここ、しっかり取ってくよ、みんな!!」


莉子奈が声を張り上げて鼓舞する。


互いに必死そのもの。


それは両校の眼が物語っていた。



 茜里がサーブに下がり、沙織が前衛へと上がってきた。


依然として詩穂が前衛だ。


技巧派ブロッカーの沙織と、強烈なパワーを誇る詩穂、攻守のバランスが非常に良い。


茜里はジャンプフローターサーブでコートに落とす。


桃華が前目に来たボールを、素早く落下点に入ってカットした。


麗奈は、Aパスで来たボールをセットアップする。


後衛に春希、韋蕪樹と、強烈な火力を誇る2人と前衛には技巧派の瀬里、莉子奈の2人。


瀬里の移動攻撃(ブロード)を囮で飛ばし、莉子奈は持ち前のスピードでレフトへ切り込んだ。


が、沙織はこれを読んでおり、莉子奈も負けじとクロスにスパイクを放ったが、シャットアウトされた。


これで20-24となり、小田原南はセットポイントを奪われてしまった。


瀬里が項垂れる莉子奈に声をかけた。


「莉子奈、仕方ない! ここ、まず一点取ろう!」


「うん、ごめん瀬里。しっかり取るわ。」


麗奈も声を莉子奈に掛けた。


「莉子奈さん、トスどうですか?」


「今の感じでいい! 決めきれない私が悪いから、これは!」


3人はポジションに戻っていった。


普通ならセットポイントを取られた場面では焦っていてもおかしくない場面だったが、麗奈1人は冷静だった。


次の攻撃のターンで、麗奈は瀬里のCクイックを選択し、瀬里はキッチリと決めて21-24と追い縋った。



 ここで莉子奈がサーブに下がり、春希が上がってきた。


ここが勝負所と踏み、緊張感が昂まる。


莉子奈はいつもより強めのジャンプフローターサーブを放った。


韋蕪樹のような速く鋭いサーブだ。


面食らった大和碧南だったが、これを夏帆が難なく処理する。


由希はなんとしても春希に打たせることだけは阻止したかった。


このタイミングでの春希の勝負強さは伊達ではないと判断していたからだ。


だからこそ方針がブレない。


(最後はやっぱり……詩穂さんで!)


フワッとした柔らかく速いトスから詩穂は鋭く踏み切った。


思い切ってクロスへと打ってきた詩穂のスパイクを瀬里がなんとか触ってワンタッチを奪ったが、あまりにも強烈なスパイクを、威力を殺しきれなかった。


後方へ行ったボールを莉子奈と桃華が追った。


莉子奈はワンハンドでなんとか触り、麗奈はアンダーハンドの二段トスで春希へと繋げた。


春希は流石にスタンディングで打たざるを得なかった。


ソフトスパイクで返し、ラリー戦へと持って行くことを選択した。


軽く返されたスパイクを、咲良が処理する。


由希は強かだった。


()()()()()()()()()と判断するや否や、沙織へAクイックを挙げた。


ボールは春希のクロス側に抜かれる。


莉子奈も必死になって飛び込む。


だが現実は無情。


あとボール半個分届かず、大和碧南がゲームカウント21-25で、幸先良くセットポイントを奪い取った。


エンドラインに並び、整列する。


笛が鳴り、コートチェンジとなった。



 夏岡は頭を悩ませていた。


スパイクは中々決められず、しかも拾われてからのカウンターで点を奪われるという流れが悪いパターンの典型例だったからだ。


夏岡が出した答えは、さやかを使うことだった。


おそらく大和碧南も警戒しているであろうさやかを。


その決定をチームに話す。


「次のセット、瀬里に変えて、さやかを使う。さやかは瀬里のポジションに入って。……ここは火力でガンガン行くよ、オッケー!?」


「ハイ!」


「それからとにかく繋いでいこう! 向こうのスパイクも拾えないわけじゃないからね! で、麗奈もトスは散らしているのは凄くいいとは思う、けれど()()()1()()()()()()()()、そこを考えてトスを挙げてよ、いい!?」


「わかりました。」


「よし、次のセット取り返すよ! 確かに火力は上だよ、向こうのほうが。けれどそこはウチも引けは取ってないんだ、硬くなりすぎない、それが大事だよ!?」


「ハイ!!」


そうして小田原南のメンバーは次のセットに向けての作戦を立てていたのだった。



 一方、大和碧南サイドは。


「今の感じでいいと思うよ、みんな。麗奈のトスに着いていけてるし、レシーブも足動いてるし。このまま行くよ。」


夏帆がチームに声をかける。


一方咲良はこう読んでいた。


(確かに拾えてはいるけど、麗奈がここで終わるようなタマじゃないのは分かってるから……多分もっとギアを上げると思う……ここからだな、気を引き締めなきゃいけないのは。)


咲良はより一層警戒心を強めた。


もう一段階ギアを上げてくることを見越して。


それは由希も、夏帆も麗奈のことはよく知っているので同じ考えだった。



 そして第2セットが始まった。


さやかがコートに出てきた瞬間に、大きな拍手が沸き起こる。


レギュラーではない選手に対してこのアイドル的な扱いは異例もいいところだったが、「()()()()()」とでも言うべきだろうか。


そんなこんなで莉子奈のサーブからゲームが始まることになるのだった。

さて、節目の50話目でしたが、如何でしたでしょうか。

碧南の武器に対処しきれていない部分も所々ありましたが、さやかを投入することでどうなるか、注目していてください。

次回の登場人物紹介は沙織です。

次回第51話から、第2セット開幕です。

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