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第47セット サディスティック・ギフトパス

麗奈のサドな部分を全面に出したいと思います。


今回の登場人物紹介は、井口姉妹の姉の方、夏帆です。


井口夏帆(いぐちかほ) 大和碧南高校3年女子バレー部主将 小田原明流中出身 11月26日生まれ O型 オポジット バレー歴は小1から 左利き 177センチ 62キロ 3サイズB88W63H87 好きな食べ物 ガパオライス 趣味 筋トレ


大和碧南の主将で、国体代表候補。

麗奈にバレーのイロハを教えた、師匠的存在。

現在でも麗奈とは親交がある。

丸太のような腕が特徴で、それを生かしたスパイクを武器にするパワーファイターではあるが、ブロックアウトも上手い。

責任感の強い、真面目な性格。

セッターもこなせるので、由希が一本目を取った場合でも正確なクイックのトスを挙げることも出来る。

由希とは帰る時も、プライベートでも常に一緒なため、めちゃくちゃ仲が良い上、息もピッタリ。

瑠李とは同じ筋トレ趣味ということもあって、馬が合う。

 先制点を取られた小田原南ではあるのだが、まだ序盤ということもあって、まだ落ち着いている。


詩穂はジャンプサーブを放つ。


強烈な回転が莉子奈へ襲いかかった。


またも乱れる莉子奈のレシーブ。


どうやらまだ対応は仕切れていないようだった。


若干短くなるレシーブだったが、麗奈はお構いなしだった。


何せ麗奈は()S()なのだから。


こんな程度の短いトスでもクイックは容易く挙げられる。


縦のAクイックを瀬里に挙げた。


沙織も跳んでいるが、縦クイックは、タイミングが0.5秒遅くなる。


瀬里はディレイド気味に打ち下ろした。


詩穂が横に弾き、ポイントが小田原南に入った。


瀬里がガッツポーズを取り、円に入った。


そして麗奈がサーブに下がった。


笛が鳴り、麗奈がジャンプフローターサーブを放つ。


不規則に揺れるサーブ、そのボールは咲良に行った。


が、素早く正面に入った咲良は少し横動かしだったがこれをカットした。


(まあ、流石にそんな簡単には弾かないか、咲良なら。)


(かぁ〜〜〜〜! やっぱ麗奈のサーブいいわ〜〜〜!!! 取りがいあるからな〜〜!!)


麗奈と咲良の、お互いがお互いを心の中で認める中、由希の選択したトスは、佳奈へのセカンドテンポだった。


瀬里がワンタッチを取り、莉子奈が処理をした。


麗奈が選択したのは、ライトへのトス。


韋蕪樹へのトスだ。


春希と韋蕪樹の二人を徹底マークする作戦だった大和碧南。


が、そのトスは()()()()()()()()()()()()()()()だった。


そこから打てるのか……? 沙織が疑問に思いながらブロックに跳ぶ。


現実問題として、そこのトスの位置はクロスにしか打てないという弱点があるのだが、麗奈の正確なトスと韋蕪樹の二重関節(ダブルジョイント)なら、この弱点も相手にとっては凶器と化す。


「私の肩を……舐めんな!!」


韋蕪樹は丹田(たんでん)をしっかりと締め、大きく肩を捻りながら超インナーへと打ち込んだ。


高い打点からアタックライン前に打ち下ろされたスパイクに、井口姉妹は一歩も動けずだった。


これで2-1。


小田原南1点リードの展開だった。


 

 (やっぱりあの感じだと韋蕪樹さんを警戒してるな……とはいえあのコースに打ち込める韋蕪樹さんも流石だけど……)


麗奈は瞬時に見抜いていた。


韋蕪樹を一番警戒していると。


サーブに下がりながら考える。


考えれば考えるたびに嗜虐心が疼いてきていた。


(まあいいか。韋蕪樹さんを警戒させればさせるほど……春希さんが楽になるだけだからね……大札を初手から切ってくのはアレかもしれないけど、大物食いするんならなりふり構っていられないからね……)


笛が鳴る。


麗奈はジャンプフローターサーブを放った。


夏帆に打って、崩しにかかろうとするが、夏帆も咲良と同じで難なくレシーブで処理した。


(やっぱり固いところは固いな……流石夏帆さん、しっかりしているな。)


「うし!」と小さく吠える夏帆。


綺麗にAパスが上がった。


由希はBクイックを選択。


沙織はターンに切るが、麗奈がオーバーカットでディグを処理した。


しかしネットを超え、大和碧南のチャンスボールになる。


咲良が処理し、由希に繋げた。


由希が選択したのは、エースである詩穂のバックアタックだった。


力強い踏み込みで跳び上がった詩穂。


棍棒のような破壊力の右腕からスパイクが打ち下ろされた。


桃華も必死になって、右向きになって処理しようとしたが、あまりの重さに弾き飛ばされた。


麗奈も拾いきれず、これで同点、2-2。


由希も勝つためにはなりふり構っていられない、といった感じだった。



 ここで夏帆が上がり、由希がサーブに下がった。


夏帆は両手型のジャンプフローターサーブを放った。


莉子奈が一歩下がり、これを処理した。


瀬里はBクイックに入り、韋蕪樹はライトセミへ回り込む。


麗奈は選択した。


春希への中央突破を。


ブロックが2枚付くが、春希のスパイクはブロックを易々と弾き飛ばした。


一段と気合が入っている証左だった。


咲良が走って拾い、由希に繋げようとするが、高かったようで、最高到達点で挙げるのが、由希は精一杯だった。


短くなったスパイクを佳奈が軽く打って返した。


桃華がこれを処理し、麗奈にAパスで繋げ、麗奈は瀬里のAクイックを選択した。


が、これが佳奈の手に当たってリバウンドになった。


韋蕪樹が自分で処理し、韋蕪樹は思いっきり後ろに下がった。


この意図を察した麗奈が韋蕪樹へネットから少し離れた、バックアタックのようなトスを挙げた。


お構いなくバックアタックのようなスパイク助走を取り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()


審判が一瞬、訝しげな顔になるが、韋蕪樹の現在のローテーションは、紛れもなく前衛だ。


2枚跳ばれるブロックだった。


が、韋蕪樹はクロス方向へ長めのスパイクを放った。


これが前衛ライトにいる選手の擬似バックアタック、「蠍の尾(スコーピオン)」。


右コート奥へとコントロールされたスパイクを、咲良は拾うことができず小田原南の得点となった。


小田原南ベンチから歓喜の歓声が、ほかのギャラリーからはどよめきが入り混じった歓声が上がる。



 ここで藍が前衛に上がり、瀬里がサーブへと下がった。


瀬里はフローターサーブを放った。


ボールは詩穂の所に真正面。


当然の如くAパスとなる。


由希はライトへ挙げた。佳奈へのトスを。


しかしこれを藍がワンタッチを取る。


ボールがリバウンドし、沙織が処理した。


由希は立て続けにライトへの離したトスを挙げた。


()()()()()()()()()()()()


夏帆は跳び上がり、剛腕からの豪速球を麗奈へ向けてぶち込んだ。


まさかの()()()()()蠍の尾(スコーピオン)」。


麗奈はなんとか拾うが、ボールはアンテナの外を通った。


また同点、しかもやり返されてしまった。


麗奈の挙げるトスは、井口姉妹達もできるぞと言わんばかりに。


「まさか『蠍の尾(スコーピオン)』をあの二人が使えるなんて……予想外でしたね、完全に。」


麗奈の表情に屈辱感が滲んでいた。


相変わらず無表情なので、オーラだけなのだが。


「いいよ麗奈、井口姉妹(あの二人)、そういう所あるから。」


莉子奈は切り替えろと麗奈に声を掛けた。


「やっぱ、侮れないですね、井口姉妹(あの二人)は……」


そして沙織がサーブに下がる。


茜里が上がってきた。


一気に高さが上がってくる。


沙織のサーブを韋蕪樹がカットし、麗奈にAパスで繋げる。


麗奈はライトオープンのトスを挙げる。


春希に、だ。


春希は思い切り打つ、と見せかけて、フェイントをど真ん中に向けて使った。


バレーボールでは、()()()()()()()()()()()()()()だ。


読まれなければ大体落ちる。


全員が取れる可能性がある分、逆に誰が取っていいのかという感じで一瞬の混乱が生じるのだ。


大和碧南のような、全国の経験が豊富な高校も例外ではない。


ど真ん中にポトリ、と落ちる春希のフェイント。


全員例外なくお見合いをしてしまい、4-3と、小田原南のリードとなった。


莉子奈が前衛に上がり、春希がサーブに下がった。


(韋蕪樹さんにこのローテはマークが集中するはずだから……藍さんを起点にして莉子奈さん中心が一番効率いいんだよな……とにかく今は韋蕪樹さんは警戒度を薄めないと今後のセットで影響してくるしね……)


サディスティックにトスを展開しようとする麗奈、この後()()()()()()()()()()など、夢にも思っていないのだが。

結構なフラグが出てますけど、回収します、どっちにしろ。

意外と強豪相手でも競り合ってますね。

次回はもっと熱くできれば良いかなと思います。

登場人物紹介は次回、由希です。

お楽しみに。

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