第25セット 保護者の応援は心強い
超・ほっこり回。
僕の中高時代を思い出しますねwww
さて、今回の登場人物紹介は莉子奈の彼氏、渉です。
五十嵐渉 小田原南高校3年サッカー部(FWワントップ) 茅ヶ崎東中出身 11月11日生まれ B型 サッカー歴は小1から 185センチ 73キロ 好きな食べ物 莉子奈の作るハンバーグ 趣味 サバイバルゲーム
サッカー部の絶対的エースであり、前年度の神奈川県国体代表。
左足からのダイレクトシュートを絶対的な武器にしている。
莉子奈とは一年の時に同じクラスになり、体育祭(12月)をキッカケに交際に発展した。
運動神経抜群で、勉強もでき、さらにイケメンだが、どちらかといえばシャイな性質。
落ち込んだ時に莉子奈が励ましてくれるので、莉子奈は渉のメンタルケアにも役立っているとのことらしく、サッカー部からは莉子奈が勝利の女神的な扱いを受けている。
「はー……疲れた……やっと人集りから解放された……」
さやかは控室に戻ったあと、自分のバッグのところに突っ伏した。
「……モデルを辞めた、っていっても人って集まってくるもんだね。」
麗奈がありきたりなことを言った。
「全くだよ〜……もうこっちはただのJKだー、っていっても聞かないんだもん……」
と、ここで瀬里が、
「……の割には神対応だったじゃん。……さやかって断れないタイプ?」
と、軽くツッコミを入れた。
「断るの苦手なんですよね、私……きょうだいで1番上だから我慢しなくちゃー、って教えられてきましたから……」
みんながそれを笑っていると、何やらゴツい見た目をした男が入ってきた。
(ヤクザ!?)
……と、全員がその姿を見て思った。
何せその男は、小指の先が欠損しており、左腕のタトゥーが剥き出しの格好だったからだ。
スキンヘッドにサングラス。
誰がどう見てもアッチ系の人だった。
その男は何やら袋に何かを入れたものを持ってきていた。
と、ここで彩花が、
「と……父さん!? 仕事は!?」
「え………?? お、お父さん??」
桃華は何かの聞き間違いだと思い、目をパチクリさせていた。
「おう、彩花。……見てたぞ、試合。」
その男の声はドスが効いていて威圧感があった。
とても普段弱々しい性格の彩花の父とは到底思えない。
だが、その男は頭を全員に向かって下げる。
「ああ、彩花の父です。娘が世話になっています……以後、お見知り置きください。」
仰々しく、丁寧に挨拶をした彩花の父。
そして、莉子奈に名刺を渡す。
「……え? アニメ会社の社長さん……なんですか……?? でもその格好、どう見てもヤクザ、ですよね……??」
恐る恐る聞いた莉子奈。
と、ここで彩花がフォローした。
「と、父さん、2年前にヤクザ辞めてるんで……い、今はアニメ会社立ち上げて、そこそこ仕事頂いてるんですよ……?」
「……えーっと、つまりカタギってこと? 彩花。」
瑠李が彩花にそう聞いた。
「……そう、ですね。本当に……一歩間違ったら死んでるような大怪我を負って……それで……」
彩花がそういっている間に、彩花の父_____もとい『加賀美龍永』は袋をドカッと置いた。
それも2袋。
「……丁度仕事がいい感じに落ち着いたので応援に来ただけです。……それでは。」
……と、龍永は控室を後にした。
「な、なんだったんだろ……彩花の父さん……」
未だ動揺を隠せない小田原南高校バレー部。
彩花が全員をなんとか正常に戻そうとする。
「あ、あの! 確かにヤクザの若頭でしたけど……! ああいう人だから!! 大丈夫ですって、皆さん!!」
韋蕪樹が苦笑いを浮かべていた。
「……た、確かに見た目怖いけど、人見知りっぽそうな人だったな、って感じはしたよ……彩花とそこは似てる気がする……」
麗奈もフォローした。
「……私が母を亡くしているのと似たような感じで言えないですもんね、そういうのはなかなか。」
麗奈も母を亡くして現在父子家庭でいるので、なんとなく彩花の心情は察していた。
と、恵那が袋を漁っている。
「えー……と、サラダチキンと……ウィダーゼリー!? めっちゃ神補食じゃん!!」
そういって、恵那は人数分あるか確認して、一人一人にサラダチキンとウィダーゼリーを配っていったのだった。
と、そこにまた1人入ってきた大人が。
「お疲れー!みんなー!!」
と、陽気な声で入ってきたのはいい具合にシワのある女性だった。
しかも、どことなく春希に似ている。
春希の母、真澄だった。
しかも、春希の末の弟・豪介も連れている。
豪介は春希を見た途端に駆け出して、春希に抱きついた。
屈んでこれを受け止めた春希。
そして体に抱きかかえた。
「母さん、差し入れ?」
「そうそ! パン、買ってきたから! 後でみんなで食べて!」
「うん、助かるよ母さん。」
そして、今度は瑠李のところにかけ寄る。
「お母さん、お久しぶりです。」
瑠李が丁寧に頭を下げる。
「春希と喧嘩した時はびっくりしたけどさ、もう大丈夫? あの子とは。」
「ええ……お陰様で。」
「今の楽しんでる瑠李ちゃんが好きよ? 母さんは。……じゃ、みんなも頑張ってね。」
と、いい、控室を去っていった。
豪介にベタ甘な春希を藍がつつく。
「春希……? ……もしもーし。」
と、春希がハッとして、
「ヤバッ!! ゴウを母さんのところに届けとかないと!!」
といい、控室を猛ダッシュで駆け抜けていった。
「……まあいいや、春希には後で共有してもらうとして……次は『平塚大北』だね。」
と、莉子奈が話題を切り替えた。
2回戦のことについてだ。
「ここで1番警戒しなきゃいけないのは……絶対的エースの『鮫島枝里』。……韋蕪樹の代のJOCの1人よ。」
枝里は184センチの長身を武器に、JOCで大暴れした右利きの選手だ。
性格に多少クセはあるが、韋蕪樹とJOC時代に左右の双璧を張っていたので、実力は確かだ。
「枝里はマジで高いよ……私でも一、二本ブロックできればいい方だから。」
韋蕪樹が補足を加える。
恵那も話した。
「私の地元の平塚でも戦ったことがあるんですけど、選手さえ良ければもっと上に行けてたんだろうな、ってくらいの選手です。それくらい、ヤバいです。マジな意味で。」
と、ここで蓮が説明した。
先程試合を見ていたのも、丁度平塚大北のやっていた試合だったからだ。
「……正直なところ、鮫島さんの能力以外、他の選手は技術的に突出しているものがない。逆に考えれば、鮫島さんだけ警戒しておけばまず勝てると思います。実際、鮫島さん以外は大して身長やジャンプ力はなかった。……鮫島さんのところでのレシーブを意識していれば勝てると思います。」
莉子奈もこれに頷く。
「……確かに、ね。私もそうだと思う。枝里は本当にヤバいから、弱小どころを抜きにしても。……そうなると……」
「ブロックは2枚でいいかと。」
突然、麗奈が声を出した。
驚いて振り向く一同。
麗奈はこう話す。
「あの手のタイプは低いところを目掛けて打ってくるタイプ、つまり、徹底して私のローテが前衛だった場合、レフトに挙げるよう要求すると思います。おそらく私が後ろなら徹底してライトに来る。そう踏んでます。」
「だったら抜かれる前提で防御で凌ぐ、って感じかい? 麗奈。」
韋蕪樹が質問をする。
「ですね。でもそれだけだと防戦一方になりますからね。……とにかく、いかに鮫島さんに楽にスパイクを打たせないか、そこだと思います。ですが、先生がどういう作戦で考えているのか、ってところでしょう。」
「それもそうだね、麗奈。でも無理に止めようなんて思ってないよ。アイツに関しては。JOCを出てる奴らがバケモノなのは承知済みだから。じゃ、ブロックは捨てよう。で、カウンターで、アイツが打ってきたらそれで点を稼ぐ。それで行こう、みんな。」
莉子奈がそう言って、頷いた一同。
2回戦がいよいよ始まろうとしていたのだった。
後半はシリアスになっちゃったなw
まあいいとして、そこは。
ご愛嬌って感じです。
次回、平塚大北戦です。
登場人物紹介は枝里です。
ぶっちゃけ平塚大北戦もそこまでやらないですけど、一回戦よりかは熱く書けるかなと思います。




