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勇者ドーーーーーーーン!

 ロインちゃんとエルフの村に来た。めっちゃ田舎。トイレとかどうしてんのかな。

 

「よくぞ参った勇者よ。わしの名はチョー・ロウ……」

 名前からして明らかな長老が出迎えてきた。ロインちゃんどっか行っちゃった。

 

「勇者なんすか、俺」

 

「そのパワーが証拠じゃ! ステータスを見るのじゃ!」

 

「ステータスとかあるんすか」


「当たり前じゃろ! オープン!」

 目の前に画面がシュンと現れた。わー。よくあるやつ。

 

名前:主 人公

HP:150

MP:50

力 :150000000000000000000


「待って」


「なんじゃ」


「何この力」


「勇者じゃからの」


「いや、なに?」

 

「それがドーーーーーーーンの勇者の力じゃ」


「ド……?」

 

「ドーーーーーーーンの勇者」


「ドーンの勇者」


「違う! ドーーーーーーーンの勇者じゃ!」

 どっちでもいいしどっちでもダサい。


「なんなんすかそれ」

 

「とにかくお主は勇者じゃ! エルフの村はお主を歓迎する。宴じゃ!」

 

「話が早すぎる」

 

 宴が始まった。ステータスで未成年がバレてたので酒は出なかった。

 

 ドンドコドンドコドコドコドンドコ

 

 ドンドコドンドコドンドコドンドコ!

 

 ドコドコドンドコドコドコドンドコ!!!

 

 なんかリンボーダンスしてる女の人とかいる。エロい。

 

「ねえ、ひーちゃん……」

 ろ、ロインちゃん来た!

 

「ろ、ロイン……さんヌ……おふ……」

 まともに喋れねぇ! おっぱいがでか過ぎてそっちにばかり目が行く。

 ロインちゃんが隣に座った。なにこれドキドキする! めっちゃ見つめてくる。何言われるの? もしかして、こ、告白……

 

「私と旅に出ましょ!」


「はい! え?」

 

「長老様! 聞きました⁉」 

 

「もちのロンじゃ」

 長老が物陰から出てきた。罠かよ。そして日本の死語を使うな。

 

「えっ、その、あのっ……」

 だめだ、陰キャすぎて以下略。

 

「皆のもの! ドーーーーーーーンの勇者ヒーチャンはこれより魔王討伐の旅に出る!」

 長老がでかい声で叫ぶ。ヒーチャンじゃねえよ人公だよ。

 

「ドーーーーーーーン!」

「ドーーーーーーーン!」

 

「ひえっ……」

 何このテンション怖い。

 

「ほら、ひーちゃんも! ドーーーーーーーン!」

 ロインちゃんのドーーーーーーーンかわいいな。


「ドーーーーーーーン! って言うのよ?」

 

「えっ、ど、ドーーーーーーーン……」


 ワアアアアアアアアアア!

 ワアアアアアアアアアア!

 

 大歓声。なに? なにこれ?

 

 そして俺はなんか送り出された。

 

 なにこれ?

 

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