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きみがしんだら。

作者: お花

え、君が死んだら?

なんだい薮から棒に。高校生特有の希死観念って奴かい?

……え、あ、違う?割と本気?

遊んで帰ったら死ぬつもりしてる?

えぇ、まじかァ……。まぁ君が決めたことなら、一々指図出来るクチでは無いんだが……。

そうだなぁ、君が死んだら。

先ずはほら、君が何時死んだか分かんないからお葬式に行けたらいいなって思う。

君は他校だろ?だからさ。

あぁいうのって手紙が来るのかしら。葉書とかで?そうなの?知らないけど……。

あぁでさ、もしお葬式に行けなかったら君の家にでも行くよ。

骨が箱に入ってるやつ、あれあるだろ?

あれを見て、あぁなんてちっちゃくなっちゃったんだろう、って思うんだろうね。

それで君の部屋に行くのさ。

此処で私と電話したんだ、とか、遊びに行く算段を立てたんだ、とか。色んな事を思うんだろうね。

……勿論、今日の事も。

君のお父様とお母様にも話を聞くよ。出されたいつもより苦い珈琲を飲むんだ。

で、取り敢えずその日は帰る。

あとはまぁ、ちまちま……君の学校にでも行って、先生に話でも聞くかな。あと君が一番仲良かった友達とも話すんだ。

多分レコーダーを持って行くだろうなって。

重いかな?……でもそうでも無いと君が消えてしまいそうで、嫌なんだけどなァ。

あと写真をもっと撮っておけば良かったって思うんだろうなぁ。

多分誰かから君の写真と声が入ったデータでも貰うんだろう。

一通り、それを終えたら……。

家に帰って、君の事を、出会った日の時から思い出す。

そうして回想を終えたら、君の連絡先とかも全部消す。

君がくれた物を箱に詰めて、誰も知らない場所に隠すんだ。

そうして君の一周忌に見るんだ。

その時に初めて、泣くんだろうなあって。

……それだけさ。君が死んだら、それだけ。

…………ただ君が死ぬとして、言えるとしたら……凄く、寂しいよ。

なんたって約束してた旅行も行けないし、遊びにもいけないのは。

随分と、辛いなぁ。

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