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テーマ「秋」

「ほーら焼けるぞー、どんどん食べな」

「絶対無理」

 秋色の河川敷で焚き火をしながら焼き芋大会。というと秋らしいが燃やしているものがモノなだけに芋が喉を通らない。もしかすると水分が足りないからかもしれない。

 ゴロゴロと転がされていくホクホクのサツマイモを眺めつつ胃袋が詰め物と一緒に固まっていくのを感じる、彼女がダンボールからどんどん在庫を追加していく。

「本当に燃やしていいの?」

 彼女の作業する手を止めようと話しかける、成功したのか一瞬だけ手が止まった。

「いいの」

 手が加速した、失敗だ。

 燃えるキャンバスや紙、技術書と芋たちを眺めつつ悲しくなる。

「もう描かないの?」

「……うん」

 芸術家の苦悩は突然訪れる、急に電話がかかってきたかと思えば「車出して」と一言告げて切られた。迎えに行ったら乱暴にダンボールやら画材やらを投げ込まれてそのまま焼き芋パーティー。

 僕がスランプに陥ったとき彼女は僕を支えてくれた、だから何かしてやりたいが人と関わることもロクになかった僕にはどうすればいいか分からない。ただ、焼けていく画材を眺めながら焼き芋を食べるのが違うのは分かる。

「キミの描く絵画好きだったけどな」

「そっか……」

 絵の具をチューブごと燃やしたせいで体に悪そうな煙を上げる焚き火は秋の空に色を落とす筆のようであった。

一応2018/11/5時点ではここまでで打ち止めです、次回イベントの開催をお待ちください。

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